人間の肉体はある程度、運動やダイエットによって、自分の思い通りに管理することができます。でも、結局は老いること、病むこと、そして、死ぬことを乗り越えることはできません。人生についても、夢や希望も大切ですが、最終的には何が起きても、受け入れる覚悟が必要です。
生じたものは必ず滅します。だから、どんな苦しみも悩みも生じた以上は、なくすことができるのです。いや、自然になくなるのです。あなたに解決できない苦しみや悩みはありません。
天気には晴れや雨や曇りがあるだけで、“いい天気”“わるい天気”は、ありません。“いい”も“わるい”も、みんな自分の都合です。人間は、自分に都合が良ければ、喜び、都合が悪ければ嘆くのです。
「1円をおろそかにする者は、1円で泣かなければならない」と、昔の人が言いました。短い人生、1分、1時間をおろそかにする者は1分、1時間で泣くようになるかもしれません。
中年までは“得る人生”もいいでしょう。でも、老齢になるほど、失われるものが多くなります。最期には、財産も名誉も、健康も家族も、経験も知識も捨てなければなりません。“捨てる覚悟”が必要になってきます。
透明な水は赤や青のインクによって着色されます。人間の心もほんらいは無色です。そこに、怒りや憎しみのインクが混ざると、他人はおろか、自分自身をも傷つけ、ときには殺してしまう可能性さえあるのです。人生において最も大切なのは健康でも、財産でもなく、自分の心をどのように扱うか、ということなのです。
人間、 どんなに あがいても 老いと、 病と 死に 勝つことはできません。 「最後は負ける」 という、 絶対的真実を 覚悟して、 日々生きる。 「負けるが勝ち」 です。 そうすれば、すべてを受けて入れて心安らかに生きることができます。
愛する人との生き別れ、死に別れほど、人生に悲しいことはありません。
「時間が悲しみを癒してくれる」と、言います。しかし、深い悲しみは人の身も心も傷つけてしまいます。悲しみをほんとうに癒すのは時間ではなくて、「愛する人とはだれでも、必ず生き別れ、死に別れする」という、人生の真実を受け入れる覚悟しかありません。
「時間が悲しみを癒してくれる」と、言います。しかし、深い悲しみは人の身も心も傷つけてしまいます。悲しみをほんとうに癒すのは時間ではなくて、「愛する人とはだれでも、必ず生き別れ、死に別れする」という、人生の真実を受け入れる覚悟しかありません。
人生でもっとも貴重な時が“いま”であり、もっとも貴重な場所が“ここ”です。人生を大切に生きるということは、“いま、ここ”を大切にするということです。