Tousei Style

IKEBANAの事や音楽の事、友と酒や海の事

西の白骨、東の扉

2007年09月06日 | エッセイ
松本に居をかまえて一番良かったと思うのは
四方八方、温泉があると云う事だ
東京で仕事を終え、松本に戻ると
僕は犬や猫が自分のテリトリーを確かめるように、
一通りあたりを徘徊する

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ここは平地から見る北アルプスの絶景だ
無論、JTBのガイドブックなどには載っていない
里山辺の温泉に浸かりに行く前に立ち寄る

何故か稲の発育状況等を確かめたくなってしまう

今年は松本に戻っても比較的家にこもる事が多い
中町あたりに飲みに行くのも飽きたと云う事なのだろう

日々パソコンに向かう時間が増えた

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この週に入ってからはだいぶ涼しくなって来た
先週までは暑くどうにもならない日が続いた

そんなとき山を見るとついつい行ってみたくなる

奥に見える山の向うに扉温泉がある
すすき川の上流だ

右手前にあるのが金華山
小笠原長時の山城だ
NHKの大河ドラマでは散々なキャラで描かれていた

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扉温泉へはすすき川沿いに里山辺を抜けて行く

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船付き橋を越えると山道に入る

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美ヶ原へ続く道と別れを告げさらに山に入る

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すすき川上流だ
この辺で釣りをするには犀川漁業組合のチケットを買わねばならぬ
この川は上高地から流れて来る梓川、そして田川と合流し犀川となり
川中島で千曲川と合流し、
日本最長の大河「信濃川」と名を変え日本海へとそそぐ

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ここを過ぎ、つぎはぎだらけの山道を10分程登って行く

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たどり着くのがこの温泉だ

扉温泉 檜の湯
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この湯は良い
さすが西の白骨、東の扉と信州では云われるだけある

薄緑色(まあ透明だけどね)のぬるめの湯で、
硫黄の香り、味がある。オラは決まって二合を飲む
その夜は酒がうま~い

内湯
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休みの日には他県ナンバーの車も多い
源泉掛け流し
シャワーもカランも源泉だ

休日は多少人も多いが混雑する事は無い
オラはなるべく平日に行く
よくココで会う人とは挨拶したり、時には諸問題を語り合う

麓の白糸の湯の露天では
大体そのお題は年金問題、県政、市政や
やれ朝青龍がどうした、松商は1回戦で敗退か~
などの話が多い

扉の露天でいつもご一緒する老人と
小笠原長時の話を小一時間語った事がある

老人の話に寄れば
長時は京都から赴任した役人で、公家の出だったとの事だ
「先日の大河ドラマでは散々でしたね」と老人が言った

オラもそう思っていた
信州の人間はおそらく、皆、武田信玄にはある種の距離感を抱いている
その奥には
彼は甲斐の者だと云う意識があるのだろう

老人と露天で話した数日後、ユキちゃん達を案内し
松本城に登った

お城の庭に見事な牡丹があった

小笠原長時が武田に攻められた時に
この牡丹が踏み荒らされるのを憂い、里山辺の兎川寺(とせんじ)に託したものだ

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この牡丹は500年もの年月を生きていると云う事だ

毎朝6時に聞こえて来る兎川寺の鐘の音で
オラは今日も決まって目を覚ました

この牡丹を見て、小笠原長時が何となく好きになった

てなわけで
何だか煮詰まるとオラは扉温泉に行くのでした

すると何故か気が澄むのです


台風がやって来ました
林檎農家は慌てて林檎を収穫しました
もう10日ほど置いておきたいものでした

今、台所で雨漏りありました
ヤバい
どうスルベ~
蛍光灯のとこからだ
漏電しないだろうな~?

てなわけで
今夜は風雨を聞きながら寝る事と致しましょう

雨の隙間をぬって
沢山の虫達が泣き始めました

ああ~
夏が過ぎて行く



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