Tousei Style

IKEBANAの事や音楽の事、友と酒や海の事

陽が沈む

2015年06月27日 | エッセイ
窓辺が一瞬明るくなったので
ふと外を見たら夕焼けだ!



夕焼けは花火のようにその瞬間に輝いて次々と姿を変える!



明日は晴れる!

いい天気さ、いつものように早起きをしよう!


西の空が燃え始めた!



東の空にそれが映える!


ほんの10分ほどの出来事だった!


東の空は西の空と
海はそんな空と

自然は共に協調して響き合っているんだな
だから美しいんだ


瞳生拝

マイ盆栽

2013年06月08日 | エッセイ
小さな小さなものが好き

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発芽したおじぎ草のとなりで勝手に発芽したカタバミも
一緒に2号の素焼きの鉢に移し替えた。

おじぎ草もカタバミも夜になると寝る姿が可愛い!

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カポックは3号の素焼きの鉢に移し替えた。
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そして葉を落として
カポックの傾斜型

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いけ花では花器の1.5~2倍と云う高さなどの目安があるが
植物はもっともっと緊張感のあるギリギリのバランスを保とうとする。
2倍どころではない。
小さな器で信じられないほどの大きさにまで成長する。

最近僕はいけ花の型の決め事よりも、自然な植物のバランスの方が
たかが500年ほどのいけ花の歴史の中で仮に造り上げたバランスより
学び得るところがあるように思えてならない。


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石川さんちの(笑)カポックは命の限界に挑んでいる。
限界のバランスを植物は超えようとする。
そこが植物の素晴らしいところだ。

だが、このカポックのバランスを人は良しとしない。
でも僕はこのテンションが好きだ。
花を活けるに当って一番重要にしたいのはテンションだ。
やっとそこに気が付いた。

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ガジュマルは一番高い枝を切って一つの塊にした。

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三戸浜の福泉寺の多宝塔の脇にあったヤツデの種を頂いてきた。
と云っても隣にいたお地蔵さんに「下さい」とことわっただけだ。
その種がやっと芽を出した。

ヤツデの盆栽を創りたい。
のです。





さてと・・ 東京へ帰るとしようか

2009年03月24日 | エッセイ
女房が他界して4年余
松本に移り住んで3年余の月日が過ぎた

そして僕は
東京へ戻る決心をした

これでいいだろう

長い謹慎が解けた
そんなふうにさえ思える


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3年前の冬に松本に越して来た時の事を
僕は今でも鮮明に覚えている


途方に暮れ、哀しみに暮れる毎日だった

何一つ捨てる事もできず

松本に越してきた


そして今
僕はそれらのすべてを捨てる事ができるようになった


そして
松本での楽しかった想い出だけが巡る

これでいいのだ

誰がなんと言おうと
これでいいのだ


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人生は素晴らしい


哀しみも苦しみも

喜びも微笑みも

すべてが人生だ


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ありがとう

松本

ありがとう

みなさん



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人生は奇跡に満ちあふれている


                柳澤瞳生 拝


秋か・・・

2008年11月06日 | エッセイ
20年ぶりのライブも終わって
ちょっと気が抜けたのかな
最近ちょっとぼ~っとしてる

反省点は幾つかあったな
でも
反省があると云う事はとてもとても良い事だ

バンドは長い事やっていると形が決まってきて
振り返る事すらしなくなる
そんなバンドは沢山見て来た

でも
みんな僕らのライブを喜んでくれたのが感じられたのが
何よりの僕らへのご褒美だ



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奥に常念岳が見える


東京からこの日のためにやって来てくれたみんな
ありがとう

今度はゆっくり信州を満喫出来たらいいね



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今日は空がきれいだった

山々はこれから来る冬にそなえて
精一杯のオーラを輝かせていた


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明日の11:08発のあずさで東京へ行く
その日は町会のブロックのゴミ当番だ
朝5時起きだ
7時からなのに
まいったな

僕のブロックはみんな早起きだからな

僕が寝る頃に目覚める人ばかりだから

それを考えると早く寝ようと思うが
そうはいかないのだな


郷に入れば郷にしたがえ




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瞳生式いけ花 エントランスの花(なんじゃコレ) 
Photo by ニャーのママさん


この作品も幾つかの反省点はある
でもそんな事は華道家としての僕には
大した事ではない

これを見て
反応は
予想通り2つに別れた
僕はきっとその反応を見て
楽しんでいるのかもしれない



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25センチほどの岩魚が気持ち良さそうにココでは泳いでいる



僕は
郷にいっても郷にしたがわない事にするとしましょう






西の白骨、東の扉

2007年09月06日 | エッセイ
松本に居をかまえて一番良かったと思うのは
四方八方、温泉があると云う事だ
東京で仕事を終え、松本に戻ると
僕は犬や猫が自分のテリトリーを確かめるように、
一通りあたりを徘徊する

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ここは平地から見る北アルプスの絶景だ
無論、JTBのガイドブックなどには載っていない
里山辺の温泉に浸かりに行く前に立ち寄る

何故か稲の発育状況等を確かめたくなってしまう

今年は松本に戻っても比較的家にこもる事が多い
中町あたりに飲みに行くのも飽きたと云う事なのだろう

日々パソコンに向かう時間が増えた

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この週に入ってからはだいぶ涼しくなって来た
先週までは暑くどうにもならない日が続いた

そんなとき山を見るとついつい行ってみたくなる

奥に見える山の向うに扉温泉がある
すすき川の上流だ

右手前にあるのが金華山
小笠原長時の山城だ
NHKの大河ドラマでは散々なキャラで描かれていた

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扉温泉へはすすき川沿いに里山辺を抜けて行く

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船付き橋を越えると山道に入る

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美ヶ原へ続く道と別れを告げさらに山に入る

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すすき川上流だ
この辺で釣りをするには犀川漁業組合のチケットを買わねばならぬ
この川は上高地から流れて来る梓川、そして田川と合流し犀川となり
川中島で千曲川と合流し、
日本最長の大河「信濃川」と名を変え日本海へとそそぐ

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ここを過ぎ、つぎはぎだらけの山道を10分程登って行く

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たどり着くのがこの温泉だ

扉温泉 檜の湯
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この湯は良い
さすが西の白骨、東の扉と信州では云われるだけある

薄緑色(まあ透明だけどね)のぬるめの湯で、
硫黄の香り、味がある。オラは決まって二合を飲む
その夜は酒がうま~い

内湯
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休みの日には他県ナンバーの車も多い
源泉掛け流し
シャワーもカランも源泉だ

休日は多少人も多いが混雑する事は無い
オラはなるべく平日に行く
よくココで会う人とは挨拶したり、時には諸問題を語り合う

麓の白糸の湯の露天では
大体そのお題は年金問題、県政、市政や
やれ朝青龍がどうした、松商は1回戦で敗退か~
などの話が多い

扉の露天でいつもご一緒する老人と
小笠原長時の話を小一時間語った事がある

老人の話に寄れば
長時は京都から赴任した役人で、公家の出だったとの事だ
「先日の大河ドラマでは散々でしたね」と老人が言った

オラもそう思っていた
信州の人間はおそらく、皆、武田信玄にはある種の距離感を抱いている
その奥には
彼は甲斐の者だと云う意識があるのだろう

老人と露天で話した数日後、ユキちゃん達を案内し
松本城に登った

お城の庭に見事な牡丹があった

小笠原長時が武田に攻められた時に
この牡丹が踏み荒らされるのを憂い、里山辺の兎川寺(とせんじ)に託したものだ

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この牡丹は500年もの年月を生きていると云う事だ

毎朝6時に聞こえて来る兎川寺の鐘の音で
オラは今日も決まって目を覚ました

この牡丹を見て、小笠原長時が何となく好きになった

てなわけで
何だか煮詰まるとオラは扉温泉に行くのでした

すると何故か気が澄むのです


台風がやって来ました
林檎農家は慌てて林檎を収穫しました
もう10日ほど置いておきたいものでした

今、台所で雨漏りありました
ヤバい
どうスルベ~
蛍光灯のとこからだ
漏電しないだろうな~?

てなわけで
今夜は風雨を聞きながら寝る事と致しましょう

雨の隙間をぬって
沢山の虫達が泣き始めました

ああ~
夏が過ぎて行く




ああ 夏が過ぎて行く

2006年09月04日 | エッセイ
白馬から朝、電話があった
トシオちゃんからだった
シーちゃんと二人で避暑に来たみたいだ
トシオちゃんは僕のいけ花と音楽の先生だ
そして35年来の友達だ
渡したいモノもあったので白馬までドライブがてら行った


松本から約1時間30分
147号をひたすら北へと向かう
白馬からは25Kmほどで糸魚川、日本海へと行き着く
僕にとっては今までで最長のドライブだ

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                安曇野から見る常念岳


快適なドライブだ
道も空いていて判りやすい
標示板の指示のまま車を走らせれば目的地へと到着する


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                        白馬駅


三人で駅前の蕎麦屋でソバを食べ
車で辺りをぐるりと回り木陰で一休みした


10月の花展の話などもした


こんな所に三人でいて、話をしているのが
何だかとても新鮮で不思議だった


13時34分のあずさ24号で新宿へと帰って行った


僕はのんびりと寄り道をしながら帰ることにした



木崎湖だ  
暖かな、おだやかな湖だ
ソバもスクスク育っている

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青木湖だ
何もない静かな所だ
田んぼがあるだけだ

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穂高駅から大王わさび園に向かう
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この辺はひとみと2度来た事がある
駅前で自転車を借りて走り回ったこともある



大王わさび園
この橋の上でひーちゃんの写真を撮った事がある
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この店の奥にある木のテーブルで
岩魚の塩焼きを二人で食べた
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今日は平日だと云うのに
団体や家族連れやカップルでにぎわっている
僕は一人で岩魚の塩焼きを食べた
猫の親子連れに少しお裾分けをした


ひーちゃんが
だんだん想い出へと変わって行く



ここ1週間で朝晩だいぶ涼しくなった
蝉は夕方に薮の中でバサバサ音を起てている
土に還って行くのだろう
夜に鳴く虫の音色も変わって来た


冬の寒い地方では人間も同じような気がする
開放した夏を閉じる準備を、着々と始めているような気がする



先週は土手の向うの松商学園で
そして昨日はとなりの松本工業高校で
学園祭があった


東京より一月早い


そして夕暮れからは若者の雄叫びが聞こえて来る
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我が家にも案内のチラシが来ていた
最後に花火を打上げる
花火の写真を撮ろうと思った


ネ子もついて来た


正門を抜けようとすると三人の女子高生が
ネ子を見つけてよって来た
どうやら後夜祭を見たいらしい
ここは男子高だ


僕が入ろうとすると「入ってイインですか」って聞いて来た
僕に聞かれてもこまるが
「大丈夫だよ」と答えた
ついでに「自転車置場ありますか?」と聞かれた
勿論「あるよ」と答えた
ついでに「君たちが見に来てくれたら、みんな喜んで
張り切っちゃうよ」と付け加えた


僕もこの先に入るのは初めての事だ


僕とネ子と三人の女子高生はバックネット裏の特等席に陣取った


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   天真爛漫でこう見えても、案外礼儀正しい三人組だ


3人の登場で校庭はにわかに活気付いて来た


そして後夜祭も終わりに近付き
一人の若者がネット裏にやって来た
彼の担当は、花火の打上げのため
校庭の照明を消す、重大な責任を負った係だ
ブレーカーはバックネットの左のポールにある
その柱の前で直立不動になっている
坊主頭がやけに好感をもてる
(残念ながら彼の写真は撮り損なった)


直立不動の坊主頭に「花火はもう始るの」と僕は声をかけた
坊主頭がこっちを向いてからは3人組のペースだ
B「君、何年? 野球部?」
A,C「野球部ってかっこイイよね」
ちなみに右からがAだ
そんな話がしばし続いて
C「このネ子、可愛いから触ってみな」
すると坊主頭は、自分の重大な持ち場を離れ
いとも容易くやって来た


中腰の彼の背中の汚れに気づき 
C「ジャージ汚れてるよ」
ABC「どうしたの?はらった方がいいよ」
坊主頭「頑張り過ぎて、転びました」
ABC「はらってあげるよ」
坊主頭「い、い、いいで~す」
僕「何をいってんだ、はらってもらいなさ~い」
結局、僕の号令で
彼は三人組に背中をパンパンとはらってもらう事になった
僕は微笑ましくて
「イイなイイな、本日、松工で一番の幸せな奴だ~」と
彼を祝した
坊主頭は「はーい 最高っす」と僕に感謝の意を表した



そして校庭の照明は、全校生徒のカウントダウンの後
結局この三人組が、そのスイッチを押す事となった


で、夜空に花火が咲いた
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そして夏がすぎて行く


ここは以前ヒットした、TVドラマ「白線流し」のロケ地だ
僕もよく見てた


長瀬智也も七倉も、見晴らし橋や、すすき川のベンチに
腰掛けたんだ


ここの高校生を観ていると
あのドラマが生まれた感じが解って来る



これからは、山や星空がきれいに見える季節になってゆく



ああ


狭き門 その2

2006年06月18日 | エッセイ
街に戻ると昼もまわっていた
とても腹が減っていた
ホテル花月でランチを食べた
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海老とキスフライ、生姜焼き、ポタージュスープだ 
海老がひらいてるとこが憎い
豚汁も付いて来る 勿論コーヒーも出る
値段忘れてしまった(740円か840円かな)
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すると先ほどの農営組合から携帯に連絡が入った
答えはNOだ
この時期は農地を遊ばせて置けないので
土地は空いていないとの事だった
「10月を過ぎると空くと思う」
そりゃそうだ、10月過ぎれば雪も振り、農地は全部空くだろう
じゃ山の裾野はどうかと聞いた
農協所有のクワ畑があると言った
でも重機を入れ開墾しなければ、そしてサルも出ると言われた
ブルーベリーやラズベリー
サルはきっと大好物でしょう
それにこんな事を言われた
「無農薬栽培の人をこの地域に入れると
 他の農家からクレームが来ますから」
僕は唖然とした

以前見た映画のワンシーンが思い浮かんだ
何処かの山間の農村で山崎努扮する農民が
無農薬で田畑を作っている家族に
「おめーらがそんな事するもんで、虫がわいて
 みんな困ってるだ。
 上でまいた農薬は
 おめーらの田んぼにも流れて行ってるのが判らねーか。
 無駄な事はやめろー」
そんな台詞だった
そして今こんな人の事も思い浮かべた

チェ ゲバラだ
キューバで革命を成功したあと彼はカストロと別れ
南米に渡り人民解放の戦いを続けるが
戦いで負傷をしアメリカ軍の手の内となり、
おしくも最後を遂げるが
息を引き取る前に一人の老婦が面会をして、ゲバラに、.こう言う
「ヤギが乳を出さなくなった。あんたたちが来て 
 ドンパチやり始めたおかげだ。」
辛い一言だ

僕は何も革命を起こしにココに来た訳ではない
いや
もしかしたら
ある意味での革命なのかもしれない
そんな気さえした

農業は保護され過ぎている
すべてがそうとは云えないが
農民は利己的だ
土地に執着し生き抜いて来た、
遥か彼方からの拭いきれない血が
流れているのだろう

あの梓川村が出した土地構造計画は何だったんだろう
狭き門だ




ああ 桜が散ってゆく

2006年04月26日 | エッセイ
桜が散り始めた
お城のお堀が花びらで埋もれて行く

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あがたの森  旧制松本高校
中庭に咲くしだれ桜も、人知れず散って行く

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明くる日僕は
千鹿頭山の入口にある道祖神の前で
小さな小さな桜に出逢った

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一輪、健気に咲いている
誰かが折ったんだね
この周りは松の大木でおおわれている
君がココで生きて行くのは無理な話だ
これ以上大きくなれば
今度はきっと切り捨てられてしまうだろう
でも君は精一杯生きている
僕はふと、君を我が家に連れて帰りたいと云う
せつない思いになった





ポジです どうぞよろしく

2006年01月06日 | エッセイ

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ポジです
どうぞよろしく


数ヶ月前まで僕は
悲しみの深いところにいました

 

それは突然やって来ます

朝 電車に乗っていても
昼 街を歩いていても

 

夕暮れに
食事のしたくをしている時にでも
それはお構いなしにやって来ます

鼻のおくにツーンとしたものを感じると
それは目から涙になってあふれ出ます

悲しみです

それは僕の体をしばります
そして僕の心をしめつけます

研いでいたお米を握りしめます
ちからのかぎり握りしめます
それは指の間からこぼれ落ちます
そして涙がまたあふれ出ます

ついこの前まで君が立っていたこのキッチンで
声を上げて泣いています
それはそれは大きな声です

天まで届く大きな声です