Del Amanecer

スペインとフラメンコ、ビセンテ・アミーゴと映画とフィギュアスケートについて

試写会にて ~「あの日欲望の大地で」を鑑賞

2009-09-13 18:04:58 | CINEMA~映画
先週の水曜日9月9日、Companyera de la oficinaに試写会の招待状をもらい
「あの日欲望の大地で」を鑑賞。
キム・ベイシンガー、シャーリーズ・セロン、そして新人女優・・・と女の共演といった作品とのこと。
そのせいか試写会に訪れたお客さんも女性が9割以上を占めているといった感じ。

監督・脚本を手がけたのは「バベル」のギジェルモ・アリアガ。メキシコの人だ。
二つの国と3つの時間が交錯する、何層にもなったような作りはバベルを思わせる。
ヒロインの若き日が、母と愛人の死の前と後の時間を行き来しつつ語られ、そこに現在と、
そしてメキシコからヒロインを訪ねてくる親子の物語も絡んでくる。
でも意外と複雑さはなく、すんなりと観ることはできたかな。

それにしても重い設定だ。
あまりにも苛酷で切ない運命を背負ってしまったヒロイン・シルヴィア。
乳がんの痛手から愛人の元に逃げるシルヴィアの母ジーナ。
そして幼い頃シルヴィアと別れ、父と二人で生きてきたシルヴィアの娘マリア。

家族にウソをつきつつ、悲しみから背を向けて愛人と逢瀬を重ねる母を娘はどんな思いで
みていたのか。
そしてその彼女もまた逃げて逃げて生きていくことになるとは。
その宿命のような血のつながりを断ち切るかのような、シルヴィアの娘マリアの存在だけが
この映画の救いだ。
何事からも逃げないという強い意志を湛えたマリアの大きな黒い瞳。
まだ少女なのにしっかりと現実と向かい合って生きているマリアにこの映画は救われるのだ。

マリアは自分を置いて出ていった母を許すのだろう。
やっと許されてシルヴィアは生きていくことができるのだろうか。
愛人との逢瀬中に亡くなった母ジーナは、ある意味では苦しんでいなかったかもしれない。
彼女の分までシルヴィアが罪を負ったかのようで苦しい。
シルヴィアの父や幼い弟妹たちはどうなったのだろう?
彼らのことを思うと胸が痛くなる。

重たい家族の歴史を垣間見せられて、ラストがハッピーエンド(?なのかな?)だったとしても、
この物語はあまりにもつらい。
いつもはクレジットの最後まで座っているのだけど、途中で席を立ってしまった。
キム・ベイシンガーとシャーリーズ・セロン、それに若き日のシルヴィアを演じた
ジェニファー・ローレンス。
3人の女優の共演は見ごたえがあったけれどね。

荒涼とした景色と荒々しい海辺の景色にも宿命や運命のディテイルが刻まれているといった感じ。
原題は「The Buening Plain」・・・邦題があんまりな気もするけれど・・・。
メキシコの場面でスペイン語がちょっぴり聴けたのはよかったかな。

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鑑賞日: 2009年9月9日(水)18:30~20:16
映画館: 有楽町よみうりホール (試写会)







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2 Comments

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重たいかぁ・・・。 (Luzia)
2009-09-15 21:36:54
「バベル」の監督作品ということで気になっていたのですが、確かに重そうだ・・・。まぁ「バベル」も重かったですけどね。シャーリーズ・セロンは好きな女優なので多分観に行くかな・・・。

追伸
ビセンテの「Paseo de Grasia」、ようやく聴きました。予想以上に良かったです。なんか「吹っ切れた」感じがするなぁ。ビセンテはギター弾きにとってはやっぱり「左手」が信じられないくらい素晴らしい!ギターで歌わせるののは「左手」が命なのです。
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うん、これは重いですね・・。 (Angelita)
2009-09-15 23:47:49
Luziaさん
シャーリーズ・セロンのファンなら観る価値はあると思います。素晴らしい演技です。目がすごい。
でもそれゆえにシルヴィアを見ているのはつらい。
でも映画は人によって感じ方がちがうので、ぜひLuziaさんも観て、そして感想をきかせてね。

今日ビセンテの国内盤を買ってきたところ。
曲数は同じだけど、訳詩がついているから・・。
ビセンテはこんなに苦しんでいたのね~という詩ばかり・・・。
でも吹っ切れたからこそ、世に発表できたのでしょうね。
次の記事にビセンテのことを書こうと思います。

そう、左手が命なんですね。
コンサートの時見てきます。でも席から遠いかな~



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