今年の「Latin Beat Film Festival~ラテンビート映画祭2015」
毎年1~3本くらいの作品を観てきたけれど、今回観たかったのはこの1本。
昨年66歳で亡くなったフラメンコギターの神様、パコ・デ・ルシアの生涯を綴ったドキュメンタリーで、タイトルはラテンビートの公式では英語で「Paco de Lucia:A Journry」そしてスペイン語の原題は、Paco de Lucía:La Búsqueda」。
パコの息子のクーロ・サンチェスがパコの生前に撮影していたドキュメンタリーを編集して完成した作品。
以前のビセンテやトマティートも登場していたドキュメンタリーに比べても、さらにその生涯の活動の記録という色が濃くなり、パコの身近な人たちや、彼に関わったアルティスタたちがその思い出を語るだけではなく、パコ本人の言葉でその生涯が明らかにされているという作品だ。
まるで昨年の訃報を知っていたかのような、この生涯を綴ったドキュメンタリーには鳥肌がたつ。
まさにパコが私たちに遺してくれた宝物のような興味深く心に触れる貴重なフィルムなのだ。
幼少期から始まり、いろいろな出会いを重ねて少しずつパコはフラメンコギターの世界で唯一無二の存在になっていく。
中でも印象に残ったのはファルーコ一族の若きバイラオール、ファルーの言葉。パコと共演したファルーにパコはもっとリズムを完璧にするためにメトロノームを使って練習するようにと助言する。フラメンコは体を流れる血や勘のようなものでリズムを刻むのだと思っていたのに、それは意外な発言だった。そしてその言葉をファルーは真摯に受け止めて練習を重ね、ついにはパコに完璧だと言わしめるのだ。そんな努力に気づいてもらえたと嬉しそうに語るファルーが印象的だった。
それからジャズアーティストたちとの共演の中で、パコは彼らにどうしたら即興で弾けるのかを真剣に問いかけ、その答えの中に納得するものを見つけるのだ。
天才とよばれたパコは実は努力の人だったのだ。
もちろん天才は天才だけど、彼は霊感のようなものだけでギターを弾いていたのではなく、貪欲に向上したいという気持ちがさらに磨きをかけた天才だったのだと思う。
カマロンのこと、そして自ら率いたセクステットのこと。
母が好きだったスペイン歌謡・コプラを再現するためにエストレージャ・モレンテと共演した時のことなど。
そしてパコを育んだ故郷・アンダルシアへの想い。
貴重な言葉と映像がスクリーンに溢れる。
偉大なギタリスタだった。
でもパコの開いた扉からは、後に続くたくさんのアルティスタたちがそれぞれの道へ旅立っていく。
エンディングクレジットの中パコのギターが流れ続け、胸が熱くなった。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;
Latin Beat Film Festival~ラテンビート映画祭2015
「Paco de Lucia:A Journry」
原題:「Paco de Lucía:La Búsqueda」
2015年10月11日(日)1600~(92分)
新宿バルト9 シアター8 F-12
毎年1~3本くらいの作品を観てきたけれど、今回観たかったのはこの1本。
昨年66歳で亡くなったフラメンコギターの神様、パコ・デ・ルシアの生涯を綴ったドキュメンタリーで、タイトルはラテンビートの公式では英語で「Paco de Lucia:A Journry」そしてスペイン語の原題は、Paco de Lucía:La Búsqueda」。
パコの息子のクーロ・サンチェスがパコの生前に撮影していたドキュメンタリーを編集して完成した作品。
以前のビセンテやトマティートも登場していたドキュメンタリーに比べても、さらにその生涯の活動の記録という色が濃くなり、パコの身近な人たちや、彼に関わったアルティスタたちがその思い出を語るだけではなく、パコ本人の言葉でその生涯が明らかにされているという作品だ。
まるで昨年の訃報を知っていたかのような、この生涯を綴ったドキュメンタリーには鳥肌がたつ。
まさにパコが私たちに遺してくれた宝物のような興味深く心に触れる貴重なフィルムなのだ。
幼少期から始まり、いろいろな出会いを重ねて少しずつパコはフラメンコギターの世界で唯一無二の存在になっていく。
中でも印象に残ったのはファルーコ一族の若きバイラオール、ファルーの言葉。パコと共演したファルーにパコはもっとリズムを完璧にするためにメトロノームを使って練習するようにと助言する。フラメンコは体を流れる血や勘のようなものでリズムを刻むのだと思っていたのに、それは意外な発言だった。そしてその言葉をファルーは真摯に受け止めて練習を重ね、ついにはパコに完璧だと言わしめるのだ。そんな努力に気づいてもらえたと嬉しそうに語るファルーが印象的だった。
それからジャズアーティストたちとの共演の中で、パコは彼らにどうしたら即興で弾けるのかを真剣に問いかけ、その答えの中に納得するものを見つけるのだ。
天才とよばれたパコは実は努力の人だったのだ。
もちろん天才は天才だけど、彼は霊感のようなものだけでギターを弾いていたのではなく、貪欲に向上したいという気持ちがさらに磨きをかけた天才だったのだと思う。
カマロンのこと、そして自ら率いたセクステットのこと。
母が好きだったスペイン歌謡・コプラを再現するためにエストレージャ・モレンテと共演した時のことなど。
そしてパコを育んだ故郷・アンダルシアへの想い。
貴重な言葉と映像がスクリーンに溢れる。
偉大なギタリスタだった。
でもパコの開いた扉からは、後に続くたくさんのアルティスタたちがそれぞれの道へ旅立っていく。
エンディングクレジットの中パコのギターが流れ続け、胸が熱くなった。
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Latin Beat Film Festival~ラテンビート映画祭2015
「Paco de Lucia:A Journry」
原題:「Paco de Lucía:La Búsqueda」
2015年10月11日(日)1600~(92分)
新宿バルト9 シアター8 F-12
このドキュメンタリーはDVDで観たのですが素晴らしかったです。パコ・マニアとしては本当にパコはいなくなってしまったんだな・・・という思いに駆られて泣きました。
パコは努力することを厭わない天才でありました。
Luziaさんに見せたかったからよかった。
本当に感動的なドキュメンタリーでした。
神様のようなパコの人間的な音楽に対する真摯な努力が本当に素晴らしいなぁと思いました。
あらためて偉大な存在だったし、これからもそれは変わらないんだなと思いました。