Del Amanecer

スペインとフラメンコ、ビセンテ・アミーゴと映画とフィギュアスケートについて

陽気なスペイン人たちに乾杯!~「屋根裏部屋のマリアたち」を鑑賞

2012-09-09 23:41:14 | CINEMA~映画
1960年代、スペインはフランコと秘密警察の時代だった。
そんなスペインから逃れてフランスに職を求めたマリアたち。
ブルジョア階級のフランス人家庭でメイドをする仲間たちに習ってマリアも仲間入り。
かつてはスペインとフランスはそんな関係だったのね・・・。

初日にマダムに言いつけられたことは盛りだくさん。
最初の日にヘマはしたくないと、中庭の窓を空けて協力を求めるマリアのもとに陽気な仲間のスペイン人たちがやってくる。
みんなでやればあっという間に家事は片付くのだ。

この物語はそんな美しいスペイン娘マリアに恋してしまう主のジャン=ルイの姿をユーモラスに描きながらも、やはり主役は元気なスペイン人メイドたちのようだ。
底辺の生活をしたながらも、いつも前向きで誇り高く、力強く生きていくマリアたちの姿は観ていて楽しいし、元気がもらえる。
そうそう、スペインに行くとこんなおばちゃんたちがいっぱいいる!
いつでもどこでもマイペースな彼女たちのスペイン語が心地よかった。

マリアを演じるナタリア・ベルベケは以前に見たことがあるぞ・・・。
何年前だったか忘れたけれど、セビージャのセマナ・サンタが舞台の映画「パズル(原題:Nadie conoce a nadie)」でエドゥアルド・ノリエガ君演ずる主人公を翻弄する悪の組織の女の役をやっていた人。
名前をみて初めて分った!ぜんぜん印象のちがう役だからね。

マリアにすっかり心奪われてしまったジャン=ルイはマリアたちが暮らす屋根裏部屋に隠れ住むようになり、なぜか開放感を感じて居着いてしまう。
どんどん常識から外れていく夫と対照的に、逆に妻の方がマトモに見えてしまうのは可笑しい。

でもマリアとジャン=ルイが再会して終わり・・・という結末にビックリ。
なんとなく私としては腑に落ちない感じが残る。
マリアたちによって自由な心を獲得したジャンの変化に退屈そうだった妻も変っていってハッピーエンドなのかと思っていたらハズレだった。

う~~ん・・でもスペイン・パワーは楽しかった。
マリアの相性のひとつ「マルーハ(Maruja)」には「おばちゃん」という意味もある。
スペインで最もポピュラーな「マリア」という名前は彼女たちの総称でもあるのだ。
フランス流の自由恋愛は置いといて(?)マリアたちのパワーを楽しもう。



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「屋根裏部屋のマリアたち」
原題 :「LES FEMMES DU 6EME ETAGE」
2010年: フランス
鑑賞日: 2012年8月17日(土)15:20~(106分)
映画館: Bunkamura ル・シネマ2   I-6


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