Minstrel

流離が人生

SPACE BATTLESHIP YAMATO - spoiler included -

2010-12-10 23:36:24 | Weblog
一年ぶりに映画(映画館で)を見ました。
映画館はいいですね。独特の雰囲気があって…

一年前に見た映画と同じタイトルというのも情けない話ですが…直前まで迷いました^^;
最後の最後(チケット売り場に並んで買う直前)まで迷いましたw
まあ、自分の順番が来て無理やり感はありますが…w


「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が、国民的人気を博したTVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」をSMAPの木村拓哉を主演に実写映画化。西暦2194年、ナゾの異性人ガミラスが地球に侵攻し、その圧倒的な攻撃力によって人類は絶滅寸前に追い込まれてしまう。5年後、生き残った人間たちは放射能で汚染された地上を逃れ、地下で生活していた。元エースパイロットの古代進は、放射能除去装置があるというイスカンダル星を目指して旅立つが……。(映画.comより)


見るために自分に言い聞かせたことがいくつかあります。

・これは「宇宙戦艦ヤマト」じゃない
・これは「さらば宇宙戦艦ヤマト」じゃない
・あくまで「宇宙戦艦ヤマト」を原作にした映画なんじゃ
・VFXに過度の期待を寄せちゃぁいけん
・デスラー総統は出てこんのんじゃけぇ
・スターシャも出てこんのんじゃけぇ
・斎藤が出てくるけど「さらば」や「2」じゃないんじゃけぇ
・森雪は生活班班長じゃないんじゃけぇ
・佐渡先生は男じゃないんじゃけぇ
・相原義一は出てこんのんじゃけぇ
・藪副機関士は出てこんのんじゃけぇ

そして何より
・アニメ「宇宙戦艦ヤマト劇場版」は失敗しとるんじゃけぇ
そう、あの「14万8000光年の旅」を2時間あまりに収めるのは無理!と証明させれている中、製作スタッフさんはどう料理されたのか…期待と不安でいっぱいの Amon でした。
(以降ネタバレ三昧なので、映画を見たい方はご覧にならないことをお薦めします)






まず、監督の「ヤマト Love」が伝わってくるつくりでした。
が、逆にそれが多すぎて、多すぎて、原作のまんまになってしまいましたね。(悪い意味で)

私が「原作とは違う」と予防線を張りすぎたのかもしれませんが、あまりにも同じなことに驚きました。
そうなると逆に同じにしたほうがいいのに…と思うシーンもちらほら
たとえば
ヤマトが地表から発進するシーンで島が
「宇宙戦艦ヤマト発進!」という復唱のセリフ。
「ヤマト発進します」の方がよかったのでは?
原作では一度も「宇宙戦艦ヤマト発進」のセリフはありませんでしたし。
一番強く思ったシーンでした。(一瞬ですがw)

そんな中、原作と設定を変えて違和感の無かったものがいくつもありました。

・古代進も島大介も新人ではなくベテランだった。
・古代進はかつて「チーム古代」のエースパイロットだった。そのチームに加藤や山本、森雪も所属していた。
・ガミラス、イスカンダルは地球人がつけた名前
・敵は自分たちをデスラーと呼んでいる。その敵は人型ではなくなり意思の集合体。(イデか)その特性を活かして良い意味で「一人はみんなのため、みんなは一人のために」を実践していましたね。
・佐渡酒造、相原義一の女性化
・アナライザーがカードになっていた! と思ったら、R2-D2 化していた!(かっこよかった)その代わり古代進にアムロの性格が含まれていたw(アナライザーをハロ代わりにしていた)
・沖田十三が嘘をついていた(原作では絶対に嘘をつかない性格だった)が、おかげで映画を見ている観客に原作には無い疑問を持たせることができた(が、展開が速すぎてあまり疑問になってないかも)
・放射能を除去するのは、コスモクリーナーD(装置)ではなく、イスカンダル(地球人がそう呼ぶ)自身の能力だった。
・原作のガミラス星とイスカンダル星は双子星ではなく、一つの星で、デスラーという種族とイスカンダルという種族に分かれていた。
・最後に生き残って退艦する人数はいっしょだがメンバーが違っている。

まだあると思いますが、思い出せません。
これは予防線のおかげでまったく違和感はありませんでした。逆に「沖田艦長の嘘」は物語の強烈なスパイスになり、面白かったです。


全体的にイスカンダル到着までのお話は「宇宙戦艦ヤマト」。イスカンダルへの上陸から終わりまでは「さらば宇宙戦艦ヤマト」をモチーフにしてあるストーリーでした。
特にイスカンダル上陸作戦はそのまま「さらば」のテレザート星上陸作戦そのままでしたが、多弾頭ミサイルの変わりをヤマト自身がやってしまいましたが、ここで度肝を抜かれることをされました。
これはワープ本場のアメリカ作品もやったことが無いことだと思いますが、惑星にヤマトが垂直に降下して突っ込み、ワープで地表激突を回避するという暴挙w


残念ながら、原作付きの SF 映画の欠点。人間ドラマに重点を置けないところは解決できていませんでした。どうしても SF 部分も存分に見せないといけないのでしょうがないのでしょうが、どちらかというと原作にとらわれずにその辺を解決してほしかったところです。どうしても人間同士の関係が浅いものになってしまいましたね。
特に真田志郎が古代進に向けて言う最後のセリフ。
「お前を弟のように思ってきた。」
これは初めてヤマトを見た方は??なところでしょう。それまでにあまりに真田さんと古代の絡むシーンが少なすぎました。
TVアニメでのガミラスが巡らせた宇宙機雷(デスラー機雷)除去作戦での古代と真田さんの交流から真田さんが人間味を帯びてきて、艦長代理になった古代が技術面、作戦面で頼りにしてきたり、親友古代守の弟ということ、14万8000光年を一緒に旅したクルーということがあいまって「さらば」での「お前を弟のよう」ゼリフに日本中のヤマトファンが涙したのですが、今回は失敗しましたね。

いろんなキャストの方がアニメと同じセリフや行動でオールドファンを喜ばせてくれた中で、唯一同じセリフ(名ゼリフ)を言わなかった人が…古代進。
肝心の主人公がアニメと同じセリフを言わなかったんじゃないですかね?

といろいろ書き連ねましたが、概ね良い作品だったんじゃないでしょうか。


が、

最近めっぽう涙腺が弱っている Amon おじさんなのですが、涙は一滴も出ませんでした。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ヤマト (nobo)
2011-02-14 23:01:23
MIXIの足跡からきました。
ヤマト観ました。自分はそれほどアニメのヤマトに詳しくなかったので、結構楽しめました。
しかし…絶対、続編作れないような終わり方をしてしまったのは残念です。
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き、気付くのが遅くなりました (Amon)
2011-02-23 00:25:36
noboさん、コメントありがとうございます。
そうですか、アニメをあまり知らなくても楽しめましたか。
私もその辺のところが知りたかったとこなので、教えていただいてありがたいです。

>しかし…絶対、続編作れないような終わり方をしてしまったのは残念です。

いえいえ、森雪の子どもが出てきてますから、続編は作れると思いますよw
しかもハリウッドが権利を買い付けに来ているみたいですから、2年後ぐらいにはハリウッド版ヤマトが見れるんじゃないですかね。
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