南西諸島貝殻学入門
&
貝殻図鑑
002
加計呂麻島太平洋岸での収集結果
毎日梅雨のような日々が続いております。一週間以上も曇りか雨の日ばかり。気温は20℃程度まで上がりますので、意を決して海岸に出向きました。結果はB級の成果。ホームランは残念ながら有りません。
それでも、ヒットは有りました。それで、今回はそれをご紹介しましょう。
上の写真の右端の珊瑚の石の中に貫入している白い貝。偶然に波の荒い堤防の下で発見しました。
カモメガイ
拡大するとこのような感じで、珊瑚の石の中に埋没しております。
離脱は無理のようです。どのようにして入り込んだのでしょうか?
横断面 矢印の逆方向の写真
この貝の軟体部は貫通した穴から出入りしていたようです。堅牢な要塞に入居したような感じ。防御は完璧です。特殊な粘液を出して硬い珊瑚を溶かして、貫入するのでしょうか。
シャコガイの類もこのような形が多いですね。素手で取ることは不可能です。貝の知恵ですね。しかし、環境が悪化しても逃げることは出来ません。良いことばかりはね?
ルリガイ
口径30mmの大きなルリガイ。右下の写真を見ると分かるように、相当大きいなサイズ。
この貝はなかなかお目にかかりません。誰も寄り付かない秘密の浜のゴミの寄っている場所で、同時に2個発見!まず有り得ないラッキーな瞬間!このようなことも有ります。殻が薄く華奢なので完品は難しい貝です。
別なアングルから 今まで収集した<ルリガイ&アサガオガイ>
ちょっと一服
「話の喫茶店」
アサガオガイとルリガイの類似性
筆者は実を言うと、この貝は同定に自信が有りません。 殻の形状や生態が殆どそっくりだからです。殻は非常に薄くギンカククラゲを捕食し、世界中の暖流域に生息し、時化などで海岸に打ちあがる。浮遊生活を送っている。これらが2種類の貝の生態です。
左側が<ルリガイ>、 右側が<アサガオガイ>
ルリガイ と ヒメルリガイ
アサガオガイの生態(HPより参照)
HPの解説文
「貝殻から何やらゼリーのような物体が出ています。
ゼリー状のものは、海面に浮かぶために貝自身作り出した浮き袋のようなものだそうです」
ごらんの通り
「貝殻図鑑」
ルリガイとアサガオガイ
アサガオガイ と ヒメルリガイ
「海で拾える貝」から転載
ギンカクラゲ
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カツオノエボシ
ここまで書いてきても何やら不安な感じ! 殻の縦長なのがルリガイ・・・平べったいのがアサガオガイか。
プレゼントされたホームラン貝のご紹介
-002
大島海峡で地元のお婆ちゃんから頂いた、素晴らしい貝のご紹介をすでにしましたが、今回もその続きです。
<サツマツブリ>はすでに紹介済みです。下写真右端。
では、下の左の2つの貝は何でしょうか? 同じ種類かな?
裏を引っくり返すとご覧の通り! 特徴がすぐ分かります。
真ん中は<クモガイ>。棘が良く伸びて綺麗ですね。生きたままでないとこんな風にはなりません。
右の<サツマツブリ>も同じです。完品。
<フジデサソリ>
加計呂麻島・大島海峡 産・145mm
フィリッピン産・135mm (以前コレクターからの頂きました)
今まで太平洋岸で<フジデサソリ>は何個も採取しましたが、全て欠けたもので完品は皆無。長い棘は砂や石で破損してしまうのです。棘の形状も少し違いますね。サソリガイは鍵のように曲がったのが多いのですが、大島海峡産はすっきり伸びております。貝の裏面の模様も濃いですね。新鮮度の違いでしょうか。
このようにフィリッピンと奄美群島はかなり同種類の貝が多いのです。
次回はこの貝の「貝殻図鑑」とこの続きをご紹介します(003)
お知らせ
次回は2014.02.15にブログ更改いたします。
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加計呂麻島貝殻図鑑
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白洲正子文学逍遥記
カモメガイは二枚貝、これは巻いてますよね、イシカブラという巻貝。サンゴヤドリの仲間です。貫通している穴、トンネルに相当するところもこの貝の殻なのです。巻貝の「口」がサンゴの中でサンゴを溶かしながら伸びて行くのです。
ドライバーや金槌で少しづつサンゴを割って削っていけば、オオヘビガイよりさらに長~く伸びた貝殻を取り出せますが、たいてい途中で折ってしまいます。ご健闘を祈る。
中国の会社の社長様でしょうか?有難うございます。
初めて出くわした貝でした。B級貝の中での逸品?
調べましたら・・<カモメガイ>は二枚貝ですね。
これは明らかに巻貝。殻口が珊瑚を貫通して、可也伸びているにまた驚きました。HPで検索して見ましたら、どこかで何時も見ている形。グロですね(^~^)・・
良く似ている。(^-^)
珊瑚の石の底にも沢山貝の殻口らしきものが付いておりますが、どこから繋がっているかは不明。
今回は良い勉強になりました。次回のブログで再度公開してみましょう。貝の取り出しは止めましょう。
壊したら大変ですから