育児エッセイ編もずいぶん進んできましたので、このあたりで初心に帰って(?)出産前後について思い出してみようと思います。
といっても、そこは甘辛ホンポですので、「母になる喜び」とか「赤ちゃんができて幸せ」とかいう話じゃなくて、すみません。
暗いです。とくに妊婦時代。
なぜなら、つわりがとにかく長くて・・・。
症状だけとれば、食べづわりで軽いほうだったともいえますが、長かった。
陽性反応が出たころからすでに調子が悪く、その後も改善の余地なし。結局、出産直前まで続きました。
当時の育児記録を読み返しても、なんか闘病記録みたいで我ながらあきれてしまうくらいです。
なので、そんなことを今更蒸し返すのはやめようかとも思いましたが・・・。
でももしかすると、似たような気持ちで困っている妊婦さんが、ほかにもいらっしゃるかもしれないし。
検索してこちらに来てくださったかたの中には、長くて長くてうんざり~!なかたもいらっしゃるかもしれないと思って・・・。
当時、私の周囲にはつわりがきつかったという人が誰もいなかったんですよね。知り合いも少ない専業主婦だったので、狭ーい世界の中で生きていて。
しかも、パソコンが家になかったので、育児ネットとかの存在もまったく知りませんでした。
あのときネットがあれば、どんなに楽だったことか。子供の入院のページでも書きましたが、同じ境遇を分かち合える相手がいると思うだけでも、ずいぶん気分がちがいます。
自分だけがつらいと思っているのと、自分だけじゃないと思えるのとでは、それこそ天と地ほども・・・大げさかな?いえいえ、渦中の人間にとっては、きっと大げさではありませんよね。
そういうわけで、暗い話を続けますが。
つらさに拍車をかけるものとして「妊婦は幸せであるべき」という自分自身の固定観念がありました。
赤ちゃんがおなかにいるんだから、具合が悪くたって幸せなはず。つらくたって長くたって、がまんできるはず。
(この観念については、別の章でもう一度書きますね)
実際、会う人ごとに必ず「おめでとう」と言われるし。誰が見たって今は幸せな状態なのに、ここで喜べない私って母親としてどうなのよ?
せっかく来てくれた赤ちゃんにも、申し訳ない。私なんかがお母さんでいいのかな・・・。
もう5カ月なんだから、そろそろつわりも楽になるかも。6か月なんだから終わるよね。8か月なんだから、9か月なんだから・・・と、あきらめ悪く期待し続けたためか、6か月すぎたあたりから、うつっぽくなってしまいました。
生まれて初めて体験した、うつ状態。思えば、その後の育児のつまずきも、すべてあの頃から始まっていたのではないかと・・・。
では、具体的な身体症状をあげてみますね。
先に書いたように食べづわりでしたので、1時間おきに何か食べていました。
食べたら食べたで気持ち悪いんですが、胃に何かいれなきゃ我慢できないような感じです。
不思議なことに、ふだんはまず食べないようなジャンクなお菓子ばっかりほしくなって。見るからに甘そうな菓子パンとか。
寝る時も、枕元にチョコレート常備。夜中にバナナ食べたりもしましたね。
外出中に、アイスもなかをかじってたこともあったなあ。
以前、スーパーの自転車置き場で菓子パンをぱくついている女性を見たことありますが、今思えば、彼女もつわりだったのかも。
でも、そういうものが赤ちゃんや母体の栄養になるとは思えない。それに、体重をふやすなとか糖尿に気をつけろとかいうのは、妊婦への常套句だし。
こんなものばかりに食べていていいのかと、すごく気がかりでした。
それに、それまでの私は本当に間食をしない人間だったので、食べ続けてる自分のことが、とても嫌だった。餓鬼になったみたい、なんて思ってしまったほどです。
食事のほうでは、フライドポテトとかチンジャオロースーみたいな油ものじゃないとダメでした。
つわりのイメージって、すっぱいものとかあっさり系だったのに・・・酢の物だの冷ややっこだの、お呼びじゃないという感じ。
不思議です。でも、そういう人って案外多いみたいですよね? あとから知ったんですが・・・。
で、食べたいわりに、すぐに胸やのどがつまってきて少ししか食べられないというのが、これまた不愉快でした。
しょうがないので、だらだら食べ続けることになり、おかげで歯がボロボロに。産んでから治療しましたが、かなり時間かかってしまいました。
とはいえ、今になってよく考えれば、これは食べすぎ防止の機能だったのかも。体重はそんなにふえなかったので、実はちゃんと、ちょうどいい量を食べていたのかもしれません。