一瞬，バラかと思われませんでしたか？ 実はこれベゴニアなんです。といっても，ふだん見慣れている小さな花をつける種類ではありません。直径20㎝をこえる大物がごろごろしています。場所は植物園自慢の大温室。その一角を冷房が効いた一室が占めています。ベゴニアやフクシア，セントポーリアなどを育てているのです。夏なんぞ，この部屋に入るだけでもう天国の気分。
ここでは展示の仕方にも工夫がされています。
左が大輪ベゴニアの展示台。右の写真の〇をつけたところにもご注目ください。終わってしまった花を水面に浮かべてくれています。
と，こんな風に楽しめます。この日も，３人の女の子が係のおじさんと話しながら花に水をかけたりして喜んでいました。彼女たちの作品が以下の写真です。
えっ？ 親分ってわしのことちゃうんかい？
いいえ。旦さん，このページつくってる奴，知ってますやろ。あいつなぁ，ヒナキキョウやらキキョウソウやらが結構好きらしですわ。 
私ら，あんなん小さい花，それも道端の花なんぞ鼻にもようかけませんけどな。あっ，これダジャレちゃいまっせぇ。
そやから，その連中の親分いうか親玉いうんか、キキョウもめちゃ好きらしいんですわ。 
しやけど，秋の七草とはいうても夏休みあたりが盛りですやろ。９月になって秋なった，見よ思てももうありまへんやろ。もう気が気でないらし。
キキョウの何が好きかて？ しべが変わっていきますやろ，あれが好きなんと。 
それからな，蕾んときの形な。あの風船みたいな形が好きなんと。英語でもballoon flowerいいますやろ，あれでっしゃろな。
「こないだは蕾には出会えんかった」と悔しがってましたわ。そのうちキキョウの蕾見つけたら，あのおっさん気ぃ狂うかも知れませんて。
アジサイの青もそうですが，この季節に爽やかな色合いの花に出会うと嬉しくなってしまいます。チコリーの青もその一つ。
ヨーロッパなどでは，聖母マリア様のマントのブルーを表す花の色としても知られているそうです。
マリア様の名前は海を表すマリンからきているともいいますし，Maris Stella（海の星）とも呼ばれます。また青は信仰の象徴としての意味ももっています。
なので，マリア様のマントの色はこの花のようなブルーなのだといわれています。
この色合いからはなかなか想像もつきませんが，タンポポ亜科に属しているヨーロッパ原産のハーブです。確かに柱頭の形はタンポポにそっくりですね。
花もサラダなどに使うことがあるそうですが，むしろ若芽，アンディーブといった方がなじみが深いのかもしれません。１枚１枚とり出した葉を舟にみたててサラダなどをのせたりすると，それだけでもおしゃれに感じますよね。
