心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

中央線沿線の山・百蔵山から扇山への縦走(1)

2020年12月22日 | 奥多摩・高尾・陣馬


百蔵山(1,003m)・扇山(1,138m)


 「~ 扇山の南の山麓を甲州街道が通じている。野田尻、犬目、鳥沢はかつての宿場。犬目峠からの富士山の風景は葛飾北斎の描くもので、「富嶽三十六景」の中の一つ「甲州犬目峠」である。前景に幅広い右上りの尾根を描き、右手に二人の旅人の登り姿を、左手に馬二頭を引く馬子と天秤棒に荷をつけた旅人をあつかい、遠景にはするどい頂をもたげている富士を画面左半分に大きく描いている。 ~」
 (浅野孝一・打田鍈一・楠目高明・横山厚夫著『関東百山』(実業之日本社)

 扇山と、付近の百蔵山・権現山は、あわせて「北都留三山」と呼ばれています。山梨県には都留市がありますが、三つの山はすべて都留市の山ではありません。
 しかしこのあたりは昔は北都留郡でした。今は、北都留郡の町村はほとんどが市(大月市と上野原市)になり、北部の小菅村と丹波山村だけが残っています。
 扇山は中央線の電車からよく見えます。見え方は扇の形そのもので重厚です。駅から直接登れて便利な、ぜひ登ってみたかった山で、それも隣の百蔵山と組み合わせて登るのに興味がありました。
 大月の1駅手前、猿橋駅で普通電車を降りました。登山口へ向かうバスは時間が合わず、車道を歩いていきます。途中、「さるはしまんじゅう」のお店に立ち寄りました。
 中央自動車道の赤い鉄橋をくぐり、葛野川を渡ると、要塞のような岩殿山が見えます。小さな山ですが、岩場があるのがよく分かります。およそ一時間で百蔵山登山口のバス停に着き、登山道に入りました。
 「一人一回押してください」と書いてあるカウンターの数字が、「5948」を指していました。どの日付からスタートしたのかは分かりませんが、元旦に0に戻すのかもしれません。1日に平均50人くらい登るとすれば、計算が合います。
 登山道は植林された森を進みますが、青々とした雰囲気で、適度に陽がさして気持ちのいい道でした。
 大きな木の向こうに富士山が見えています。谷をぬうように中央本線と中央自動車道が走っています。上りの特急あずさ号がトンネルにすっぽり入って見えなくなります。再びトンネルから出て、高い高架橋を渡って新宿へ走って行きました。山に登ると、当たり前のことがとても面白くなるという景色でした。






 (登頂:2018年5月上旬) (つづく) 



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