心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

尾瀬 平ヶ岳(3)

2018年09月03日 | 尾瀬・燧ヶ岳・会津駒


平ヶ岳(2,141m) (つづき)



 急な斜面を登り終えても、まだ山頂ではありません。ここは池ノ岳で、目指す平ヶ岳へはいったん鞍部へ下った後、最後の登りが待っています。巻機山だと思ったら、まだ「ニセ巻機山」だったというのに似ています。しかし池ノ岳の景色は、そんな気分を吹き飛ばして余りあるものでした。なだらかではあるもののピークがはっきりわかる平ヶ岳、足もとには姫ノ池の無数の池塘と浮島、青空に浮かぶ雲までもすべて映し出す水面、すべてが驚きで満ちあふれています!



 山頂は、山名らしく広い湿原でした。コバイケイソウの花が多かったです。会津駒ヶ岳にも湿原や大きな池塘がありますが、それらは頂上から少し下ったところで、頂上とは別に桃源郷が広がっている感じです。一方、その桃源郷が頂上と一体化しているのが平ヶ岳です。
 雲が多く、東北地方で最も高い燧ヶ岳はほんのわずか頂上が見えただけでしたが、尾瀬のもう一つの名峰、至仏山ははっきり分かりました。尾瀬ヶ原の湿原から見上げるのとは違い、なだらかで大きくない三角形でした。ここ平ヶ岳から至仏山への直線距離は約11km、今は雪のある時期のみ歩けるようですが、登山道が付いていればぜひ歩いてみたいものです。至仏山の奥にそびえる武尊山は、最高峰の沖武尊(2,158m)以外にもいくつもの小ピークを連ねた複雑な姿が印象的でした。二つの山は、平ヶ岳からほとんど離れていないように見えます。


 平ヶ岳山頂から至仏山と武尊山


 今日はここまで来て本当によかったと思いました。頂上まで8時間もかかった長い長い道のりは、最後の感動を演出するために絶対必要なものに違いありません。


 平ヶ岳の山頂標識と三角点のある場所は標高2139.6mとされており、本当のピークはこの付近のようです。「この先通行止 新潟県」と書かれた標識だけが立っていました。

 (登頂:2018年7月中旬) (つづく)



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