心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

武尊山(1) ピークの連なった稜線歩き

2020年07月04日 | 谷川・苗場・越後駒


武尊山(2,158m)


 「~ 武尊をホタカと読める人は、山の好きな人以外にはあまりないだろう。山の会話では、穂高と混同されないように、上州ホタカなどと呼んでいる。山名は日本武尊(やまとたけるのみこと)から来たと言われている。果たして然りや。信用すべき文献はない。何かの当て字ではないだろうか。 ~」

 「~ しかしそれらのことを知ったのは後のことで、私がまず武尊山に強く惹かれたのは、そんな人間臭い場としてではなく、すばらしく立派な自然としてであった。上州の山から東の方を望むと、長大な障壁のような山が見える。それは一つの独立したピラミッドとして注目されるのではなく、その大きな壁全体として私の眼をおどろかすのであった。 ~」
 (『わが愛する山々』深田久弥(山と渓谷社))


 武尊山は、尾瀬の山々から眺めた時の姿が印象に残ります。平ヶ岳や至仏山からの武尊山はとても大きく、すぐ行けそうなほど距離も近く見えます。
 独立峰でありながら、稜線上には多くのピークが連なり、実際以上の大きさに見せる力があるのに違いないと思います。「一つの独立したピラミッド」でもあり、いくつもの山が集まってできた「長大な障壁のような山」でもあります。
 オグナほたかスキー場の登山口から森の中を20分ほど進むと、ゲレンデに出ます。「初心者コース→→→」という看板は登山用ではなくスキー用のものでした。
 オフシーズンにはリフトは営業していないので、標高差が500m以上あるスキー場を人力で登り切り、さらに30分登ると2,040mの前武尊です。三角屋根に守られた、日本武尊の大きな銅像が立っています。
 前武尊山からは岩峰が大きいです。山頂ではなく、「川場剣ヶ峰」(2,083m)という別の山です。拳を突き上げたような迫力がありますが、形は定規で測ったように正確な台形でした。
 川場剣ヶ峰のピークへは登れません。登山道は、山の右側を巻くように付けられていました。
 雲は多かったものの、青空は爽快で、尾瀬の燧ヶ岳や至仏山が眺められました。中ノ岳の分岐点を左に曲がり、笹の中をひと登りで山頂です。

 南には2,020mの剣ヶ峰が鋭い姿を見せています。少しずつ形の違う、多くのピークが集まっている様子を、一番高いピークから眺めています。一枚の写真だけでは、全容はとらえ切れません。
 頂上の標識に出ている、”HOTAKASAN SANTYOU”と”HYOUKOU”という日本語そのままのローマ字が不思議です。






 (登頂:2014年10月上旬) (つづく) 



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