心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

尾瀬 平ヶ岳(4)

2018年09月10日 | 尾瀬・燧ヶ岳・会津駒


平ヶ岳(2,141m) (つづき)


 平ヶ岳は山頂そのものが桃源郷ですが、ここには別にもう1つ桃源郷があります。それが、池ノ岳の湿原から山頂への道のりとは別の道を進んだところにある玉子石です。


 玉子石は、その分岐点から15分進んだところにありました。木道を進み、小さな丘を越えたところに忽然と現れました。同じような形の石が、偶然にも2個重なっています。上の方の石は、下が少しすぼんでいます。玉子石の向こうには、山頂と同じような平地と、大小さまざまな池塘が広がっていました。
 道はここで行き止まりです。ここは人間の世界と神々の世界を分ける結界のような場所でした。天は二物を与えずと言いますが、平ヶ岳には最低でも山頂と玉子石の二物が存在します。奇跡の中に奇跡のある山が平ヶ岳でした。
 この神秘的で不思議な美しい場所には何時間いても飽きないと思いますが、今日はこれから長い登山道をスタート地点まで戻らなければいけません。たった5分しかその場にいることは出来ませんでした。後から考えると、5分しかいられなかったことで、かえって神秘的な記憶が増したと思います。
 もし、玉子石まで辿り着くのに、それほど時間のかからない楽なルートで行けたとするなら、玉子石そのものも不思議ではない、当たり前の存在になってしまったかもしれないと思います。



 19時15分に登山口に戻ってきました。懐中電灯は持ってきましたが、何とか使わずに最後まで歩くことができました。それでも予定より1時間半以上遅れてしまいました。池ノ岳から先の下りは、登りと全く同じルートでしたが、天気は登りの時より良くなっていました。燧ヶ岳を見ることができたのは収穫でした。左右ほとんど同じ角度で、微妙なカーブを描いてすっと2つのピークに到達する優美な姿は、平ヶ岳の登山道からしか見ることが出来ないのではないかと思いました。熊沢田代から見上げる燧ヶ岳もいいですが、山までの長さが近すぎます。この絶妙な距離感も最高です。

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【鷹ノ巣から平ヶ岳・玉子石】
 清四郎小屋3:44→下台倉山6:52~7:05→台倉清水8:38→白沢清水9:24→池ノ岳11:07~11:14→平ヶ岳頂上12:01~12:31→玉子石13:30→下台倉山16:52→平ヶ岳登山口バス停19:15
 ※山頂まで、本当に長くて長くて長い道のりです。ただ長いだけでなく、登り始めにはトラロープのかかっている急斜面があります。登り始めにこれがあるということは、下りの最後にも同じようにあるということです。暗い中、懐中電灯を使ってこの斜面を登る(下る)自信はありません。また、土は滑りやすく、雨の日は相当大変ではないかと思います。
 下台倉山を過ぎると、池ノ岳への登りに差し掛かるまでは急な坂はありません。ただし、ずっと平らではなく、アップダウンが散りばめられています。下台倉山から台倉山までの間、地形図を見ると平坦な感じのする場所にもアップダウンがあって、足にこたえました。

 (体力●●●●● 技術●●●○○



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