画像は、ボストンで撮影中のブルース・ウィリス主演の映画『Surrogates』の事故シーン
第20章
スペンサーは、重傷を負った自分の体を引き上げるように2,3フィート進んでは休み、やっとの思いで道の路肩まで出ます。雨はひどくなる一方で、道路脇の溝に頬を突っ込んで休んでいるスペンサーの背中を激しく打つのです。
突然、赤ら顔(rubby-face)の大きな救護警官(MDC cop)が目の前に現れたときは、どのくらい気を失っていたかわからないほど時間が経過していました。スペンサーは、「おれは酔ってない」と繰り返し、それを伝えるのが大変重要なことだと思っていたのです。救護警官はスペンサーの左脇が血まみれなのがわかり、もう一人の救護警官が担架を持ってきてスペンサーを乗せました。
気を失ったスペンサーは、病院に運ばれ、治療室の照明で気を取り戻します。白衣の女医が「弾はきれいに貫通、肋骨の一本をかすめて、ひびがはいっているけど多分折れてはいない Bullet went right through, banged off a rib, probably cracked it – I don’t think it’s broken – and wet it out. 」「ちょっと痛むわよ This will sting. 」そう言って、傷に何かをつけます。
スペンサーは肋骨のレントゲン写真を撮られ、それが終わると、先ほどの救護警官が供述書(statement)を取らなくてはならないと言います。スペンサーは「クワーク警部補を知っているか」と聞き、クワークを呼んでもらうよう頼みます。
クワークを待つ間、女医の指示で看護婦がスペンサーに眠るのを助ける薬を注射するように言われるのですが、スペンサーはクワークがやって来て話をするまではだめだと拒否します。
看護婦が出て行くと、救護警官の赤ら顔の方が、コートの内側に手を入れてオールド・オーバーホルト(Old Overholt – ペンシルヴェニア産のライ・ウィスキー)の小瓶を取り出し「看護婦が戻って来ないうちに、どうだ?」と、スペンサーに差し出します。話がわかるやつです。スペンサーは一気に半分を飲み、ボトルを返し、赤ら顔は自分も一口飲むと、再びスペンサーに渡して「飲みきっていい、車にもう一本あるんだ」と言います。救護警官ともあろうものが、立派な飲酒運転の常習犯のようですが、話がわかるいいやつです。
スペンサーがオールド・オーバーホルトのボトルを持っている時に、クワークがやって来ます。ベルソンも一緒です。クワークは、赤ら顔に「彼はあのボトルをどこで手に入れたんだ、ケニリー?」と聞き、赤ら顔のケニリーは、「多分持ってたんでしょう」とばっくれます。
さらにクワークは、救護班の連中がジャメイカ・ポンドから運び込んだ死体が二つある、話をきかせてくれと言います。スペンサーは先に二人の身元を聞き、一人はブロズの手下のサリィ・ロゼリ、もう一人は運転免許証によると、アルバート・J・ブルックスということになっていると、ベルソンが答えます。その身元は、CIDの連中が調べているというのです。<CID>は捜査課と翻訳されているので、Criminal Investigation Division のアクラニムでしょう。
クワークはベルソンに、ヘイドンの逮捕と連行を命じます。スペンサーは「イエーツ(警部)はがっかりするな Yates will be disappointed.」と言い、クワークは「仕方がない Can’t be helped.」と答えます。クワークはさらに「暗闇の中で二人とはたいしたものだ」とスペンサーを暗に賞賛します。
帰りがけにクワークは、ケニリーに向かって「用は済んだと看護婦に言ってくれ Tell the nurse we’re through, これ以上酒を飲ませるなよ And don’t give him any more booze.」と言い、ベルソンと帰って行きます。クワークはわかっていたわけですね、ケニリーがボトルの持ち主だということを。ま、いいやつです。
booze は酒、boozer は酒飲み、boozy は酔っ払ったという意味です。
看護婦がやって来たときスペンサーは再び気を失っていて、眠りを助ける薬の注射針の痛みをほとんど感じませんでした。
第20章
スペンサーは、重傷を負った自分の体を引き上げるように2,3フィート進んでは休み、やっとの思いで道の路肩まで出ます。雨はひどくなる一方で、道路脇の溝に頬を突っ込んで休んでいるスペンサーの背中を激しく打つのです。
突然、赤ら顔(rubby-face)の大きな救護警官(MDC cop)が目の前に現れたときは、どのくらい気を失っていたかわからないほど時間が経過していました。スペンサーは、「おれは酔ってない」と繰り返し、それを伝えるのが大変重要なことだと思っていたのです。救護警官はスペンサーの左脇が血まみれなのがわかり、もう一人の救護警官が担架を持ってきてスペンサーを乗せました。
気を失ったスペンサーは、病院に運ばれ、治療室の照明で気を取り戻します。白衣の女医が「弾はきれいに貫通、肋骨の一本をかすめて、ひびがはいっているけど多分折れてはいない Bullet went right through, banged off a rib, probably cracked it – I don’t think it’s broken – and wet it out. 」「ちょっと痛むわよ This will sting. 」そう言って、傷に何かをつけます。
スペンサーは肋骨のレントゲン写真を撮られ、それが終わると、先ほどの救護警官が供述書(statement)を取らなくてはならないと言います。スペンサーは「クワーク警部補を知っているか」と聞き、クワークを呼んでもらうよう頼みます。
クワークを待つ間、女医の指示で看護婦がスペンサーに眠るのを助ける薬を注射するように言われるのですが、スペンサーはクワークがやって来て話をするまではだめだと拒否します。
看護婦が出て行くと、救護警官の赤ら顔の方が、コートの内側に手を入れてオールド・オーバーホルト(Old Overholt – ペンシルヴェニア産のライ・ウィスキー)の小瓶を取り出し「看護婦が戻って来ないうちに、どうだ?」と、スペンサーに差し出します。話がわかるやつです。スペンサーは一気に半分を飲み、ボトルを返し、赤ら顔は自分も一口飲むと、再びスペンサーに渡して「飲みきっていい、車にもう一本あるんだ」と言います。救護警官ともあろうものが、立派な飲酒運転の常習犯のようですが、話がわかるいいやつです。
スペンサーがオールド・オーバーホルトのボトルを持っている時に、クワークがやって来ます。ベルソンも一緒です。クワークは、赤ら顔に「彼はあのボトルをどこで手に入れたんだ、ケニリー?」と聞き、赤ら顔のケニリーは、「多分持ってたんでしょう」とばっくれます。
さらにクワークは、救護班の連中がジャメイカ・ポンドから運び込んだ死体が二つある、話をきかせてくれと言います。スペンサーは先に二人の身元を聞き、一人はブロズの手下のサリィ・ロゼリ、もう一人は運転免許証によると、アルバート・J・ブルックスということになっていると、ベルソンが答えます。その身元は、CIDの連中が調べているというのです。<CID>は捜査課と翻訳されているので、Criminal Investigation Division のアクラニムでしょう。
クワークはベルソンに、ヘイドンの逮捕と連行を命じます。スペンサーは「イエーツ(警部)はがっかりするな Yates will be disappointed.」と言い、クワークは「仕方がない Can’t be helped.」と答えます。クワークはさらに「暗闇の中で二人とはたいしたものだ」とスペンサーを暗に賞賛します。
帰りがけにクワークは、ケニリーに向かって「用は済んだと看護婦に言ってくれ Tell the nurse we’re through, これ以上酒を飲ませるなよ And don’t give him any more booze.」と言い、ベルソンと帰って行きます。クワークはわかっていたわけですね、ケニリーがボトルの持ち主だということを。ま、いいやつです。
booze は酒、boozer は酒飲み、boozy は酔っ払ったという意味です。
看護婦がやって来たときスペンサーは再び気を失っていて、眠りを助ける薬の注射針の痛みをほとんど感じませんでした。