画像は、夜のオムニ・パーカーハウス・ホテル
30章その1
スペンサーとスーザンは、ザ・ラスト・フレーというレストランのボックス席で食事をしています。まずは飲みもので、スペンサーはビールのハープ、スーザンはウォッカ・ギムレット。スペンサーはビールのお代わりをし、この夜のメニュは、牡蠣を1皿、シャブリを1本、カニとロブスターのシチュー、スペンサーのメインはステーキで、スーザンはタラのお料理です。スーザン、全部食べられるのでしょうか? スペンサーはお魚が嫌いです。
■■ <ザ・ラスト・フレー The Last Hurrah> オムニ・パーカーハウス・ホテルの地下にあるレストラン。
パーカーハウスの住所は、スクール・ストリートですが、トレモント・ストリート側にもエントランスがあって、グラナリー墓地を背にして、左斜め方向。良い意味で古色蒼然という感じの内装のホテルで、イメージ的には箱根の富士屋ホテルか日光の金谷ホテルという雰囲気。
ボストン・クリーム・パイ発祥の地でもあるし、パーカーハウスで働いていたことがある有名な人物としては、ベトナムの革命のリーダーであるホー・チ・ミンで、1915年頃にキッチンで働いていましたし、黒人の権利擁護運動の活動家マルコム・Xは、1940年代にレストランのバスボーイ(ウェイターの下でお皿を下げたりする係り)をしていました。また、JFKがここで大統領選への出は表明をしています。
スペンサーは、パーカーハウスは結構気に入っていて、この先もコーヒーショップで朝食を取ったり、バーで飲んだりしています。
<ザ・ラスト・フレー The Last Hurrah>というのは、良いネーミングだと思います。「最後のフレーという歓声」という意味ですが、1956年に発表された、エドウィン・オコナー(Edwin O'Connor)原作で、同名の映画があります。主演はスペンサー・トレイシー、監督はジョン・フォード。邦題は、<最後の歓呼>
レスターを何度も殴りつけたことを気に病んでいる様子のスペンサーに、スーザンは、レスターは殴りつけられて当然の人物のように見えると意見を述べるのですが、スペンサーは、それはそうで、そのことは気にしていないけれど、自分はそんなことはしてはいけないのだ、と話します。
スーザンは、「I know, I’ve seen the big S on your chest. わかっているわ、あなたの胸に大きな<S>いう文字が付いているのを見たわ」と言います。スーパーマンの赤いSです。
スペンサーが、見たのはそれだけじゃないだろう、と言うと、スーザンは、わかっているけど憶えているのはそれだけだと、にっこり笑って答えます。スペンサーは、その笑顔を見て、日の出のような微笑だと思います。
「もう少し考えたら思い出すかも」と言うスーザンに、「場合によったら、後で補習学習をしよう(Perhaps a refresher course later on tonight,)」と言い、スーザンも「Perhaps 場合によったら」と答えます。今夜はそういう夜になりそうです。
スペンサーは、リンダ・ラブは歴史に残るようなエースと結婚していて、胸に赤いSを付けた自分に助けられながらも、結局のところは彼女の家庭を救ったのは彼女自身だった、とスペンサーは言います。
新聞は好意的に扱っているし、中にはひどい手紙も来るが、球団の広報係が処理している。マーティは野次った男を追ってスタンドに入り、3日間の出場停止を受けた。一番苦しかったのはリンダ・ラブでに違いないが、自分も彼女の夫も出来なかったことを彼女はやったのだ、と続けました。
30章その1
スペンサーとスーザンは、ザ・ラスト・フレーというレストランのボックス席で食事をしています。まずは飲みもので、スペンサーはビールのハープ、スーザンはウォッカ・ギムレット。スペンサーはビールのお代わりをし、この夜のメニュは、牡蠣を1皿、シャブリを1本、カニとロブスターのシチュー、スペンサーのメインはステーキで、スーザンはタラのお料理です。スーザン、全部食べられるのでしょうか? スペンサーはお魚が嫌いです。
■■ <ザ・ラスト・フレー The Last Hurrah> オムニ・パーカーハウス・ホテルの地下にあるレストラン。
パーカーハウスの住所は、スクール・ストリートですが、トレモント・ストリート側にもエントランスがあって、グラナリー墓地を背にして、左斜め方向。良い意味で古色蒼然という感じの内装のホテルで、イメージ的には箱根の富士屋ホテルか日光の金谷ホテルという雰囲気。
ボストン・クリーム・パイ発祥の地でもあるし、パーカーハウスで働いていたことがある有名な人物としては、ベトナムの革命のリーダーであるホー・チ・ミンで、1915年頃にキッチンで働いていましたし、黒人の権利擁護運動の活動家マルコム・Xは、1940年代にレストランのバスボーイ(ウェイターの下でお皿を下げたりする係り)をしていました。また、JFKがここで大統領選への出は表明をしています。
スペンサーは、パーカーハウスは結構気に入っていて、この先もコーヒーショップで朝食を取ったり、バーで飲んだりしています。
<ザ・ラスト・フレー The Last Hurrah>というのは、良いネーミングだと思います。「最後のフレーという歓声」という意味ですが、1956年に発表された、エドウィン・オコナー(Edwin O'Connor)原作で、同名の映画があります。主演はスペンサー・トレイシー、監督はジョン・フォード。邦題は、<最後の歓呼>
レスターを何度も殴りつけたことを気に病んでいる様子のスペンサーに、スーザンは、レスターは殴りつけられて当然の人物のように見えると意見を述べるのですが、スペンサーは、それはそうで、そのことは気にしていないけれど、自分はそんなことはしてはいけないのだ、と話します。
スーザンは、「I know, I’ve seen the big S on your chest. わかっているわ、あなたの胸に大きな<S>いう文字が付いているのを見たわ」と言います。スーパーマンの赤いSです。
スペンサーが、見たのはそれだけじゃないだろう、と言うと、スーザンは、わかっているけど憶えているのはそれだけだと、にっこり笑って答えます。スペンサーは、その笑顔を見て、日の出のような微笑だと思います。
「もう少し考えたら思い出すかも」と言うスーザンに、「場合によったら、後で補習学習をしよう(Perhaps a refresher course later on tonight,)」と言い、スーザンも「Perhaps 場合によったら」と答えます。今夜はそういう夜になりそうです。
スペンサーは、リンダ・ラブは歴史に残るようなエースと結婚していて、胸に赤いSを付けた自分に助けられながらも、結局のところは彼女の家庭を救ったのは彼女自身だった、とスペンサーは言います。
新聞は好意的に扱っているし、中にはひどい手紙も来るが、球団の広報係が処理している。マーティは野次った男を追ってスタンドに入り、3日間の出場停止を受けた。一番苦しかったのはリンダ・ラブでに違いないが、自分も彼女の夫も出来なかったことを彼女はやったのだ、と続けました。