Study of Spenser

ロバート・B・パーカー著、ボストンの私立探偵スペンサーを読み解くガイドブックです

失投 - Mortal Stakes - (1975) 22章

2009-12-08 | 海外ミステリ紹介
画像は、ウォーターフロントにあるニューイングランド水族館


22章
ハーバー・タワーズから、ニューイングランド水族館に行き、スペンサーは小学生の一団と一緒に水槽の中の魚を眺めながら考えます。自分は処理の方法を間違ったのだろうか、ドゥアを怒らせたし、メイナードが自分の申し入れを拒否するのは当然だ。ドゥアがメイナードの借用書を反故にすることはあり得ない。ドゥアとメイナードを刑務所に送り込むことはできるが、その場合は、すべてが明るみになり、マーティは球界から追放されることになるのです。

水族館を出て、チャーチ・パークのマーティ・ラブのアパートメントを訪ねると、マーティは掴みかからんが勢いで食ってかかかります。スペンサーが余計なことに口を突っ込まなければこんなトラブルは起きなかったんだ、というわけです。

ま、それはそうですが、水面下ではマーティは脅迫されて八百長をやっていて、それをひどく気に病んでいたわけで、スペンサーが介入しなければ精神的には追い詰められていたのです。
「売春婦をやっていたのは私であって、スペンサーじゃない」と、リンダが言い、スペンサーは部屋の中に入れてもらいます。

マーティは、スペンサーの元々の依頼人であるアースキンがどの程度知っているのかを尋ね、スペンサーは、何となくおかしい気がするという程度の噂で、自分もアースキンにはこれといって報告を上げていないと言います。そして、ドゥアともメイナードとも話したが、ドゥアはメイナードを手放すつもりはないし、そうするとメイナードがマーティを手放すことはできないと言うと、マーティはこのままでやっていくしか方法がない、と言います。

「一切をぶちまける方法がある」と言うスペンサーに、リンダは賛成しますが、マーティはノーと言います。リンダの名前が国中の噂になって、それを子供のマーティ・ジュニアが聞くなんて許せないと言うのです。
しかしリンダは、罪の意識や、マーティが勝てる試合に負けなければならないことや、脅迫状が来るたびにマーティがひどく悩んでいることに耐えられないと言うのです。


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