Study of Spenser

ロバート・B・パーカー著、ボストンの私立探偵スペンサーを読み解くガイドブックです

ゴッドウルフの行方 - Godwulf Manuscript - (1973) 9-10章

2009-07-11 | 海外ミステリ紹介
画像は、時計台のあるカスタムハウス・タワーと、三角の屋根の 200 State St. Bldg. の間がステート・ストリート。かなりロワーな方です。左側のレンガ色の低い建物は、マリオット・ロングワーフ。


第9章
結局スペンサーは図書館で英文学部教授のリストを手に入れ、ローウェル・ヘイドンのオフィスを訪ねることにします。テリィ・オーチャードのデニス・パウエル殺害容疑を晴らし、ゴッドウルフ・マニュスクリプトの所在を見つけ出そうとしていることを話すのですが、ヘイドンはまるで知らん顔で、挙句の果て警備員に追い出されてしまいます。


第10章
オフィスに戻ってドアを開けるとタバコの匂いがし、男が二人待っています。スペンサー自身は、もう十年も吸っていないとしていますので、二十代後半までは喫煙者だったということなのでしょう。

ともかく二人の男(ソニーとフィル)はジョウ・ブロズの回し者だと考えたスペンサーは、ジョウ・ブロズがどうして自分に用があるのだろうと、訝しがりながらも車に乗せられステート・ストリートの端のビルに連れて行かれます。
ステート・ストリートは、オールド・ステート・ハウスのあたりから始まって(番地の若い番号)、アクアリウムのチケット売り場とマリオット・ロングワーフのところまでです。
on the lower end of State Street とありますので、恐らくはロングワーフに近いほうなのでしょう。

連れて行かれたビルの11階の突き当たり<コンティネンタル・コンサルティング社>で待つのは、予想通りのジョウ・ブロズ、ボストンの暗黒街のほぼすべてを支配する大物ギャングです。ボーンホワイトとダークブルーで統一された部屋に、これまた白いスーツ、白いベスト、ダークブルーのシャツを着たブロズを見て、スペンサーは
「あんたはいつもブルーと白を着てるのか Do you always dress in blue and white? 」
「それとも毎日の服に合わせて部屋の装飾を変えるのか Or do you have the office redone to match your clothes every day? 」
とブロズ相手に軽口をたたいています。
さらに飲み物を、と問われて「バーボンの水割りにビターを少々」と余裕です。

ブロズは、「ゴッドウルフ・マニュスクリプトから手を引け、さもないと自分の車の内側からトランクを見ることになる」 ” Stay out of it, or you’ll end up looking at the trunk of your car from the inside. ” と、スペンサーを脅します。なかなか凄みのある脅しです。


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