先週の後半から一昨日まで米国の北部の方をさまよってきました。今年は日本も厳冬のようですが、こちらは本当に寒いです。「しばれるわぁ~!」といつの時代に使ったかわからないような方言が出て来そうな感じになります。
今回の出張はミシガン経由でノースダコタに行ってきました。米国にある50州の中でもなかなか行く機会のないようなところです。多分知らない方も多いはずです。カナダとの国境沿いで、冬は真冬日が何日も続きます。そんなところに何でこの時期に行かなければならないのか? とも思ったのですが、そこは仕事なのでしょうがありません。
いやな予感はしていたのです。何と言っても行く前日から私の住む中西部でも3-5インチの降雪があり、高速道路も雪だらけ。子供たちの学校もお休みでほとんど機能がマヒし始めている状態でしたから無理に行きたくはなかったのです。こっちでこうなら北部に行けばなおのことやばい環境になるのは目に見えていました。
案の定デトロイト行きで躓き、まず1時間の遅れ。次にミネアポリスへの便がこれまた2時間の遅れ。故に最終目的地のノースダコタに行く便には多分間に合わないだろう、こりゃミネアポリスで宿を探さなければならないのかな? とかなりあきらめモードの道中でした。ところが、そこは私の強運が勝ったというか、単にどの便も雪の都合で遅れていたこともあってか、何と最後の乗り継ぎ便にはぎりぎりで間に合ってしまったのです。それまでほとんど投げやりな感じでいた自分にとっては「ラッキー」と思う反面、今度は「本当に行って大丈夫なの?」なんていう声がどこからか聞こえてきたような気がしました。
さて、最終便に乗って目的地までは40分のフライト。州をひとつ越えるだけですからそれほど遠くありません。でも間違いなく北の方向に向かっているものですから、夜の空を見てもピーンと張った緊迫感のある寒さが外から伝わってきました。「これならオーロラが見えるんじゃない?」なんてことも考えました。そうしているうちにすぐに降下が開始され、機長さんから現地の状況を伝えるアナウンスがありました。
「現地の天気は晴れ。気温はマイナス15度・・・。」と聞いて私は愕然としました。こちらでは気温の表示は摂氏(℃)ではなく華氏(F)なのです。「どんだけ寒いんだ~?」と思う頃。機長さんは再度私たちのような他の国の人にわかるように「摂氏だとマイナス26度です。」と説明を繰り返してくれたのです。
今までに自分の住んでいるところでもマイナス10℃とか15℃というのはありました。年に1回くらいはもう少し寒くなることもありますが、マイナス25℃を下回るなんてことは、この長い人生で一度もありません。初めての驚愕な体験です。飛行機を出る前から寒気がもよおしてきました。到着して機外へはマフラー、手袋とジャンパーの重装備で出たのですが、やはりそれを「貫通」してくるような寒さが空港を出た私を襲ってきたのです。
何というのでしょう・・・、これは絶対に体感しないとわからないと思いますが、外に出て空気を吸うと、その冷たさが肺の中で広がっていくのです。よくキンキンに冷えた物を飲むと胃の中がしみこむような冷たさに襲われる感じがしますよね? あれと同じ感覚が肺の中で広がるのです。一息吸うたびに肺が反応するわけです。いやはや何とも想像を絶する寒さです。
一刻でも早くあったかい部屋でぬくぬくしたかったのですが、前述のような遅れ遅れのスケジュールで現地に入ったものですから、途中で何も食べることができず、かなり空腹でした。仕方なく荷物をホテルに置くとほんの4-5分いったところにあるファミレスにお仲間さんといくことにしました。でもそこに行くまでの道のりがこれまた何とも長いこと・・・。凍えるような体に温かいスープを入れたときには正に体が「解凍」するような思いでした。
昔のTVのコマーシャルに、極寒の中で「バナナで釘を打つ」というのがありました。覚えているかたもいらっしゃると思いますが、あれはあの環境を体験すると、「本当にそうなの?」という感じから「あー、これならできるわな!」という確信につながりました。もしあの時私がバナナをもっていたら、確実にそれを実践したでしょう。(笑)
経験主義の私にとって、初めて体感するマイナス25℃の世界は本当に体の中までしびれさせるほどのすごい「極寒」でした。
今回の出張はミシガン経由でノースダコタに行ってきました。米国にある50州の中でもなかなか行く機会のないようなところです。多分知らない方も多いはずです。カナダとの国境沿いで、冬は真冬日が何日も続きます。そんなところに何でこの時期に行かなければならないのか? とも思ったのですが、そこは仕事なのでしょうがありません。
いやな予感はしていたのです。何と言っても行く前日から私の住む中西部でも3-5インチの降雪があり、高速道路も雪だらけ。子供たちの学校もお休みでほとんど機能がマヒし始めている状態でしたから無理に行きたくはなかったのです。こっちでこうなら北部に行けばなおのことやばい環境になるのは目に見えていました。
案の定デトロイト行きで躓き、まず1時間の遅れ。次にミネアポリスへの便がこれまた2時間の遅れ。故に最終目的地のノースダコタに行く便には多分間に合わないだろう、こりゃミネアポリスで宿を探さなければならないのかな? とかなりあきらめモードの道中でした。ところが、そこは私の強運が勝ったというか、単にどの便も雪の都合で遅れていたこともあってか、何と最後の乗り継ぎ便にはぎりぎりで間に合ってしまったのです。それまでほとんど投げやりな感じでいた自分にとっては「ラッキー」と思う反面、今度は「本当に行って大丈夫なの?」なんていう声がどこからか聞こえてきたような気がしました。
さて、最終便に乗って目的地までは40分のフライト。州をひとつ越えるだけですからそれほど遠くありません。でも間違いなく北の方向に向かっているものですから、夜の空を見てもピーンと張った緊迫感のある寒さが外から伝わってきました。「これならオーロラが見えるんじゃない?」なんてことも考えました。そうしているうちにすぐに降下が開始され、機長さんから現地の状況を伝えるアナウンスがありました。
「現地の天気は晴れ。気温はマイナス15度・・・。」と聞いて私は愕然としました。こちらでは気温の表示は摂氏(℃)ではなく華氏(F)なのです。「どんだけ寒いんだ~?」と思う頃。機長さんは再度私たちのような他の国の人にわかるように「摂氏だとマイナス26度です。」と説明を繰り返してくれたのです。
今までに自分の住んでいるところでもマイナス10℃とか15℃というのはありました。年に1回くらいはもう少し寒くなることもありますが、マイナス25℃を下回るなんてことは、この長い人生で一度もありません。初めての驚愕な体験です。飛行機を出る前から寒気がもよおしてきました。到着して機外へはマフラー、手袋とジャンパーの重装備で出たのですが、やはりそれを「貫通」してくるような寒さが空港を出た私を襲ってきたのです。
何というのでしょう・・・、これは絶対に体感しないとわからないと思いますが、外に出て空気を吸うと、その冷たさが肺の中で広がっていくのです。よくキンキンに冷えた物を飲むと胃の中がしみこむような冷たさに襲われる感じがしますよね? あれと同じ感覚が肺の中で広がるのです。一息吸うたびに肺が反応するわけです。いやはや何とも想像を絶する寒さです。
一刻でも早くあったかい部屋でぬくぬくしたかったのですが、前述のような遅れ遅れのスケジュールで現地に入ったものですから、途中で何も食べることができず、かなり空腹でした。仕方なく荷物をホテルに置くとほんの4-5分いったところにあるファミレスにお仲間さんといくことにしました。でもそこに行くまでの道のりがこれまた何とも長いこと・・・。凍えるような体に温かいスープを入れたときには正に体が「解凍」するような思いでした。
昔のTVのコマーシャルに、極寒の中で「バナナで釘を打つ」というのがありました。覚えているかたもいらっしゃると思いますが、あれはあの環境を体験すると、「本当にそうなの?」という感じから「あー、これならできるわな!」という確信につながりました。もしあの時私がバナナをもっていたら、確実にそれを実践したでしょう。(笑)
経験主義の私にとって、初めて体感するマイナス25℃の世界は本当に体の中までしびれさせるほどのすごい「極寒」でした。