しょぼんだま 的 こころ(日記)

ニックネームはテラ。チームしょぼんだま9号です。

趣味の時間

2010-02-06 | Weblog
今オフ、順調に補強を進め、J・ズレンシックGMの優勝への意気込みが感じられるオフとなっているSEAですが、今回はタイトルにもあるように「この補強でSEAは本当に泥沼を脱したのか?」について論じていきたいと思います。
(リクエストを下さった高速スライダーさん、ありがとうございます)


①チーム作りに明確なビジョンがあるか?
まず、いきなり結論を言ってしまいますが、SEAは地区優勝できるかどうかは別にして、泥沼からの脱出に成功していると言えます。間違いありません。その根拠は、ズレンシックGMにチーム作りの「明確なビジョン」があるからです。

この「明確なビジョンを持つ」というのは常勝チームを作るために最も必要なことで、GMがGMとして成功するための大きな条件になります。そして、ズレンシックGMは「守備力」という明確なビジョンをしっかりと持っていて、それはズレンシックGM就任後の補強に明確に出ています。

その好例として、まずは昨オフ、CLE、NYMが絡んだ三角トレードでJJ・プッツをNYMに放出し、NYMからA・ハイルマン、CLEから好守のF・グティエレスを獲得すると、そのハイルマンをすぐにCHCへ放出し、R・セデーニョを獲得。

当初は目立たなかったグティエレスの加入と、シーズン中にセデーニョ、J・クレメント+複数名との交換でPITから名手J・ウィルソンを獲得し、センターラインが一気に強化されたSEAは、味方の失点をどれだけ防いだかを示すUZRで+88・5という断トツでメジャートップの数字を残し(つまりSEAは、守備力で味方の失点を平均より88・5点も防いだということ)、その結果はALトップのチーム防御率3・87という形で現れました。

その「守備重視」の姿勢は今オフも続き、まずFAで昨季3BとしてUZR+16・7を記録した名手C・フィギンズを4年3600万ドルで獲得。そして、昨季31HRを記録するも、2年契約を求めてきたR・ブラニヤンにあっさり見切りをつけ、トレードで昨季1BとしてUZR+7・6を記録したC・コッチマンを獲得。

2BのJ・ロペスは動きが鈍いとの評価があるものの守備範囲はそれほど狭くなく、SSのJ・ウィルソンは先述したようにメジャー屈指の名手で、外野にも先日AZをクビになったばかりのE・バーンズ(LFとして通算UZR+16・0)を獲得し、グティエレス、イチローの守備の上手さは説明不要で、これで素晴らしいほどの守備的布陣が敷かれることになりました。

そして、どれだけ守備を強化しても投手がダメなら意味がないとの考え(私が勝手に考えました…)に基づいて、R・ハラデーが動いたTORとPHIのトレードに絡んでPHIからC・リーを獲得。このトレードで放出した選手には門外不出と言われたP・オーモントが含まれていましたが、近年耐久力などの面で評価を下げ気味で、リーの交換相手にしては少し安いかなとも言える感じでした。

そして、何より評価できるのが、弱点である打線の強化を焦らなかったこと。

SEAが泥沼に足を踏み入れた原因の1つがこの「弱点の穴埋めに対する焦り」であり、2004年オフには本拠地セーフコ・フィールドが右の強打者に不利な球場であるにも関わらず、当時GMだったB・バベシは弱点だった打線の強化を焦り、R・セクソン、A・ベルトレイという右打者とそれぞれ4年、5年の巨額契約を結びました。

その結果は(特にセクソンに関しては)大失敗で、セクソンは最初の2年で30HR以上を記録するも、優勝争いから脱落後に打棒が爆発するなど帳尻合わせの成績で、3年目にはチームが珍しく優勝争いに加わったにも関わらず大不振に陥り、4年目も結果が出ずにチームの低迷を助長し、シーズン途中に解雇。

ベルトレイは守備面では大いに期待通りの働きをしたものの、期待された打撃面では外のスライダーを見極められない悪癖を突かれてなかなかパッとせず、全体で見れば年俸の割には期待外れの成績でした。

今オフも、SEAの補強ポイントは打線(特に中軸)の強化でしたが、市場に出ていたM・ホリデー、J・ベイといった強打者は全て右打者で、SEAも若干の色気は見せていたものの、相手の要求額が高いと見るやすぐに撤退。
バベシがGMだったら多少無理をしてでも獲りに行っていたはずの強打者の獲得を、ズレンシックGMは敢えて我慢しました。それも、「守備中心にチームを作る」とのズレンシックGMの明確なビジョンから来るものです。


②“バベシ遺産”の排除には成功しているか?
ズレンシックGMが就任時、最も大きな課題とされていたのが「バベシが残した負の遺産をいかに早く排除できるか?」ということでしたが、そのバベシ遺産の排除は、ファンが思う以上に素早く、かつ効率良く進んでいると言えます。

当時のSEAにはJ・ウォッシュバーン、C・シルバのように実力の割りに年俸が高かったり、Y・ベタンコートのように細かく数字を見れば明らかに過大評価されている選手がおり、彼らの処遇は悩みの種になっていました。

まず手始めに、昨季途中に低出塁率や軽率な打撃など毎年のように同じ事の繰り返しで、明らかに進歩の見えないベタンコートを、素質を売り文句に出塁率軽視のKCへ放出し、プロスペクトのD・コーテスを獲得。

続いて、前半戦活躍したウォッシュバーンを先発投手を求めるDETに放出し、見返りに素質の塊とされるM・ロブレスを獲得。実はウォッシュの前半戦活躍の要因はBABIPが低かったように運が良かったためで、ウォッシュはDET移籍後に腰痛も重なって成績を大きく下降させました。

そして最後に、4年4800万ドルの巨額契約で入団するも働かず、おまけにチーム批判を起こすなど疫病神と化していたシルバを、サラリーを負担する形ながらCHCへ引き取らせることに成功し、見返りにM・ブラッドリーを獲得。
ブラッドリーも性格に問題があるものの、インタビューでは優等生を目指す発言をしていて(あまり信頼できませんが…笑)、そもそもシルバを排除できただけでもこれは意味のあるトレードでした。

他、同じくバベシ負の遺産の1人でもあったM・バティスタ、城島健司(本人が契約破棄)、A・ベルトレイもオフにFAで去り、それで浮いた資金をフィギンズ、リーらの獲得に回しました。これは現時点ではとても効率が良いと言えるでしょう。

同じ日本人として、城島を“負の遺産の1人”というのは若干の抵抗がありますが、城島に3年の延長契約を与えたことで前からチーム内で噂になっていた「SEAは日本人選手を優先する」という噂が決定的なものとなり、それはチームの火種のもとになっていました。

また、FAタイプがBだったベルトレイに年俸調停を申請しておいたおかげで、今年度ドラフトで1巡目の補足指名権を得ることに成功。こちらも、非常に効率の良い動きだったといえます。


③将来的にはどうか?
リーとのトレードではオーモントを含めて3人のプロスペクトを放出しましたが、先述したようにその中にアンタッチャブルな存在として見られているプロスペクトはおらず、マイナーの層の厚さは確かにボリュームダウンしましたが、将来に大きな痛手が来るほどでもありません。

高額な契約金を要求するD・アックリーを指名→獲得するなどの積極的なドラフトで、バベシ前GMが去ったときに比べればマイナー組織も向上しており、チームの障害になりそうな長期契約もなく、一度チームが軌道に乗れば混戦の西地区を毎年勝ち抜けるだけのチームになる可能性もあるでしょう。


④結論
今季のAL西地区は、SEAだけでなくどのチームが優勝してもさして驚かない状況ですが、大崩れしない守備中心の布陣は安定した戦いを披露できそうで、2001年以来のポストシーズン進出には確実に近付きました。

大型補強を施した年は決まって不調に陥っている近年のSEAですが、今回の一連のズレンシックGMの補強には明確なビジョンと根拠があり、SEAファンの方々も今季は期待しても良さそうです。

少なくとも、08年のような醜い状態に陥ることは考えられません。


《ストーブリーグ情報》
WCCO.TVのM・ローゼン氏のレポートによると、J・マウアーとMINが10年の契約延長に合意したとのことで、『ミネソタ・スタートリビューン』紙のJ・クリステンセン氏も、契約年数こそ明らかにしていないものの “マウアーとMINの契約延長が近いかもしれない” としています。

しかし、ESPNのB・オルニー氏は “その噂は正確じゃない” と否定しており、球団からの正式なアナウンスもありませんから、あまり正確なニュースでもありません。あくまで「噂」程度と思っておいてください。

ただ、火のないところに煙は立たないと言いますから、もうじきMINとマウアーの契約延長が発表されることがあるかもしれません。



スポーツナビより

ちょっと前の話ですが、エリック・ベダードが身体検査をパスしてSEAと正式に契約したみたいですね。
契約内容は1年150万ドルで、シーズンの半分程度しか働けないことを考慮してもかなり安価な値段での契約になりましたね。
基本給は150万ドルなのですが、これに出来高が付いている模様。出来高の額・内容についてはCot'sでもまだ発表されておらず私もよくわからないのですが、聞いた話だと基本給込みで最大600万ドル程度になるのではないと言われています。
私は1年450万ドル+出来高50万ドル+650万ドルの球団OPって予想を出してたのですが見事に外れました。
まぁ良い方向に外れたので結果オーライ・・・と勝手に納得してしまいました(笑)。

さて、ベダードが加わったSEA。ベダードも含めて1年契約(来オフFA)がこれで6人になりました。
早々に残留が決定したグリフィー、今季サヨナラHRを打つなど印象的な活躍が多くSEAの隠れた人気者のランガーハンス、ビッグサプライズトレードで獲得したリー、AZからDFAで獲ったE・バーンズ、先日獲得したR・ガーコ、今回のE・ベダードの6人ですね。
リー、グリフィーの場合は例外ですが、他の4人は割と安く仕入れて当たれば儲け物!って考え方が強いかなと思います(ちなみに4人の基本給の合計は298万ドル、約300万ドルです)。
レッドソックスネーションの方はご存知の通り、ウチのテオさんが好む経営戦略ですね(昨オフもペニー、スモルツ、斎藤、バルデリなんかを安く仕入れてました)。

ベダードは前述したように復帰が夏場以降になるだろうとの見方が多数で実際そうなると思います。
7月頃にSEAが優勝争いにおいてどの位置にいるかにもよりますが、もし他チームと1ゲームを争うような熾烈な優勝争いを繰り広げていた場合、ベダードは地区優勝へ(あるいはWC獲得)の秘密兵器になる可能性を持っていると思います。

ランガーハンス、バーンズ、ガーコのあたりはちょっと微妙で誰が開幕ロースターに残っているのか予想が難しいです。
普通に考えて野手のロースター枠は13人。ロブジョン、コッチマン、ロピ、ウィルソン、フィギー、ブラッドリー、グティ、イチローのレギュラー野手8人を13人枠から引いてベンチの控え野手は5人が限度です。
ですが実際はグリフィー、ランガーハンス、バーンズ、ガーコ、ハナハン、ムーア、トューイ、ソーンダース、カープなどなど、超ベテランから活きのいい若手までざっと今挙げた候補だけでも9人いてベンチは完全に飽和状態にあります。
経営戦略、チームケミストリーといった観点からの影響を期待されて残留したグリフィーと控え捕手のムーアは決定としても残る3枠を7人で争う形になるのでしょうか。
内・外の守備控えとDH&LFの兼ね合いなど気にしなければいけない問題点はまだあり、どうやって3人で埋めてくるんでしょうね。非常に興味深いです。
私だったらバーンズ(第4の外野手&ブラッドリーのDH時にLFとして起用)とガーコ(代打要員&1B控え)とトューイ(内野のユーティリティー)をベンチ入りさせますかね。

とにもかくにも開幕ロースター争いがかなり厳しいものになりそうなSEAですので基本的にカープ、ソーンダース、アックリー(場合によってはトゥーイも)といった若手有望株たちの昇格は全体的に遅れそうですね。
早ければ8月頃からセプテンバーコールアップの時期に有望株たちが見られるかもしれませんが、開幕では見られないんですかね〜。