米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(37)が28日(日本時間29日)、今季を184安打、打率・272で終え、11年連続200安打を逃した。打率3割を切ったのは、日本球界初の200安打を達成した1994年以降では初めて。オリックス時代からイチローの打撃フォームを分析してきた中京大スポーツ科学部の湯浅景元教授(64)に、低迷した打撃の要因を聞いた。
「速い打球を打てないことで安打が少なくなった。さらに、一塁に走り込む走力がわずかに遅くなっている」。湯浅教授は不調だった要因に脚力の低下を挙げた。例年は時速155~157キロだったスイング速度が、今季は150キロを切ることもしばしば。日本の1軍クラスの選手と大差なくなってきた。
また、打撃動作の中で踏み込む側の右足が地面についた際、好調時は10センチ以内で収まっていた目線の下がりが、今季は15センチ前後に。ともにスイングを支える脚力が衰えた証拠と見る。
イチローの打率は長打率と連動してきた。長打率はメジャー1年目の2001年から7年連続で4割を超え、最悪だった08年でも・386だったが、今季は・335。長打率は「走力と遠くへ早い打球を飛ばすことで決まってくる」と湯浅教授。走力も打球速度も原動力は脚力だ。イチローは10月で38歳。一瞬に大きな力を引き出す速筋に衰えが出たと指摘する。
ここ2年は40盗塁以上をマークしたものの、盗塁はバッテリーとの駆け引きなどで脚力低下を補える面がある。
イチローの成績は下がり続けるのか-。湯浅教授は「現状にとどめることは40代半ばまでできる」と話す。打撃や投擲(とうてき)など道具を使う競技の場合、体力だけでなく、道具に効率よく力を伝える技術が重要になる。陸上男子ハンマー投げ元日本記録保持者の室伏重信氏が、39歳で当時の日本記録となる75メートル96を樹立し、速筋の衰えを技術力でカバーした例などがある。
イチローはこれまで、毎打席のようにフォームを微調整し、好成績を生んできたが、今季はほとんど変化がないという。湯浅教授は「変えないことによって、現状の体力や技術を知ることができる。来季以降を見越し、あえて欠点を洗い出しているのではないか」と復活に期待を寄せた。
「速い打球を打てないことで安打が少なくなった。さらに、一塁に走り込む走力がわずかに遅くなっている」。湯浅教授は不調だった要因に脚力の低下を挙げた。例年は時速155~157キロだったスイング速度が、今季は150キロを切ることもしばしば。日本の1軍クラスの選手と大差なくなってきた。
また、打撃動作の中で踏み込む側の右足が地面についた際、好調時は10センチ以内で収まっていた目線の下がりが、今季は15センチ前後に。ともにスイングを支える脚力が衰えた証拠と見る。
イチローの打率は長打率と連動してきた。長打率はメジャー1年目の2001年から7年連続で4割を超え、最悪だった08年でも・386だったが、今季は・335。長打率は「走力と遠くへ早い打球を飛ばすことで決まってくる」と湯浅教授。走力も打球速度も原動力は脚力だ。イチローは10月で38歳。一瞬に大きな力を引き出す速筋に衰えが出たと指摘する。
ここ2年は40盗塁以上をマークしたものの、盗塁はバッテリーとの駆け引きなどで脚力低下を補える面がある。
イチローの成績は下がり続けるのか-。湯浅教授は「現状にとどめることは40代半ばまでできる」と話す。打撃や投擲(とうてき)など道具を使う競技の場合、体力だけでなく、道具に効率よく力を伝える技術が重要になる。陸上男子ハンマー投げ元日本記録保持者の室伏重信氏が、39歳で当時の日本記録となる75メートル96を樹立し、速筋の衰えを技術力でカバーした例などがある。
イチローはこれまで、毎打席のようにフォームを微調整し、好成績を生んできたが、今季はほとんど変化がないという。湯浅教授は「変えないことによって、現状の体力や技術を知ることができる。来季以降を見越し、あえて欠点を洗い出しているのではないか」と復活に期待を寄せた。