明鏡   

鏡のごとく

古色

2020-04-24 19:21:13 | 茅葺
古色とは、前に塗ってあった色のことです。

古民家や文化財保護にお詳しい監督さんがおっしゃった。

セピア色的な、いかにも色あせた色を連想していた自分は、古色蒼然とした古い色でなくとも、古色ということに、しかも、その色はそれぞれ違うということに、ハッとした。

自宅の古民家の補修を手がけている自分としては、どうすればいいか気になっていた、柿渋の塗り方も教わった。

厚手の雑巾に柿渋をヒタヒタに浸し、それを絞って、雑巾に残った柿渋をすり込むように塗っていくといいと教えていただいた。
それを三度は塗るという。

それから、さらに、その上に米糠で磨いたら、つやつやと美しくなるという。

柿渋にべんがらを混ぜても、雨風に強いものになるというから、それは、縁側などに塗ったらいいよと教えてくださった。

それを知っている監督さんもすごいが、それを編み出した、昔の人は、すごいとしか言いようがない。

手間暇かけて、身近にあるもので、家を愛でることの、その優しさと美しさに、なぜ人のぬくもりや人が住んでいる古民家が心が落ち着くのかが少しわかった気がした。

自分で、自分を整えるということにもつながる。

磨き上げることの美しさと強さのようなもの。


もう一つ磨き上げるといいということを教えていただく。

棟に使う竹も金属束子で磨きあげることで、青々とした、ツヤのある竹になり、雨風に耐えうる、長持ちもする竹になるという。

いかに、強く、美しく生かそうと、心を尽くされているかがわかり、このような方が今もおられることに、心から感謝する。




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