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加賀乙彦氏の話

2015年11月26日 | イベント.講演
昨夜、脱原発社会をめざす文学者の会と日本文藝家協会の共催で新たな文芸サロンが開催された。
第1回目のゲストは、谷崎賞や大佛賞など、数々の賞を受賞された小説家の加賀乙彦氏。話は、戦争と災害に明け暮れた昭和という時代を加賀さんはどのように生き、その体験がどのように小説に活かされ、そして多くの登場人物を文体を駆使して書き分けてきたかについて2時間に及んだ。
わけても、大江健三郎さんから文体の重要性について教わった話や、ドナルド・キーンさんから古典の重要性を教わった話など、文壇に属する者なら誰もが聞きたいと思える貴重な証言ばかり。
加えて、関東大震災の際に三千人もの多くの朝鮮人が惨殺されたという話しを加賀さんからお聞きできたことは、私にとって大きな収穫だった。じつは、拙著『関東大震災を予知した二人の男』を幸運にもノンフィクション作家の保坂正康氏が文藝春秋本誌の鼎談書評で取り上げていただいた折、その紙面で保坂さんは、お父様から中国人が惨殺された話を聞いたと証言されている。書評を通して保坂さんから関東大震災で中国人が惨殺されたという話を知り、昨夜また加賀さんから朝鮮人が大量に惨殺された話をお聞きし、様々な形で証言が残っていることを確認することができて大変興味深かった。
ワイン飲み放題と、質問し放題で千円の参加費は絶対お得! その後懇親会があり、作家の加賀乙彦さん、岳真也さん、森詠さん、川村湊さん、穂高健一さん、森川雅美さん、それに編集者の竹内充さん、山本源一さんとで話は盛り上がった。

講演直後の加賀乙彦氏(左)と私,上山明博/2015.11.25.日本文藝家協会にて

加賀乙彦氏の直筆サイン「上山明博様 加賀乙彦」
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