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三田誠広氏との話

2015年06月16日 | 日記
 昨夕(6月15日午後6時)、作家の岳真也さんのお誘いで神楽坂の日本出版クラブ会館を訪れ、歴史時代作家クラブ賞の授賞式と懇親会を兼ねた会に参加した。会の冒頭、昨年から同賞の選考委員長を努める三田誠広さんから選評の言葉があった。
 日本文藝家協会の副理事長でもある三田さんは、わたしを文藝家協会に推薦入会させた文学界の数少ない知人なので、三田さんと久しぶりにお話して盛り上がった。
 三田さんは、文藝家協会で著作権保護のために文化庁及び文科省との交渉をひとりで担っている。わたしはかつて特許庁のアドバイザーをしたことがあり、知的所有権についてはいささか明るいので、話は一気に熱をおびた。
 三田さんの話によれば、世界の先進各国が著作権の保護期間が70年に対し、日本は50年と短いので、文藝家協会としては世界水準なみの70年に延長すべきだと文科省に働きかけているという。一方、文科省も概ね70年に延長する方向で検討しているが、著作権延長問題はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉においてアメリカに対する重要な交渉カードのひとつとなるため、TPP交渉全体の進捗状況を見ながら著作権延長時期を慎重に見極め、アメリカに提案したい意向とのこと。
 ところが、過日(6月12日)アメリカ下院でTPA(大統領貿易促進権限)関連法案が否決され、TPP交渉が先延ばしされたことで、日本の著作権延長時期も見通せない状況となってしまったという。
 この間にも著作権が消滅する文学作品が数多くあり苦慮しているところだ、と三田さんは苦笑した。

*写真は、三田誠広さん(右)と私・上山明博(左)。ちなみに撮影して頂いたのは、ノンフィクション作家の橘かがり女史。多謝!!


神楽坂・日本出版クラブ会館にて
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