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最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

蓄熱式床暖房について

2012-11-02 23:42:49 | ■建築話
ここ最近蓄熱式床暖房に関する問い合わせや相談等を多く受けます。
その中で、まず隔たりとなるのが、コストの問題。

蓄熱式床暖房を設ける目的が安く利用したいからというもの。
私のブログ等でランニングコスト等を公開しているので、それもまた誤解を生む要因になっていますが・・・

一番安い暖房はエアコンであり、通常の床暖房を間欠的に利用した方が安くなります。
蓄熱式床暖房の最大の利点は夜間の安い電気代を使って日中暖房できるという事で、それがその他の暖房方式に比べて安くなるという保障はありません。

私がお施主さんに勧めるケースは、間取り上の制約(吹き抜けやリビング階段など)があって通常の暖房のみでは快適性が損なわれる場合。
また、お施主さんの望む室内環境の質に適しているかどうかが一番になります。
その中で、ランニングコストを考えて最適な方法を提案してきました。

しかし、この蓄熱式床暖房という方式は原子力発電による夜間余剰電力があってこそ成立します。
(火力等の発電所の総数を減らすという意味では原子力がなくとも成立しますが)

そのため、20年、30年と安い電気代で運転できなければコスト試算は大きく崩れることになります。


原発は撤廃してもらいたい。
ですが、
夜間の電気代はこれまでどおりに安くしてもらいたい。

どちらかがかなわないんでしょうね。
と、蓄熱式床暖房については非常に難しくなりました。

電気代も気がつくと私が自邸を新築した時に比べ1割ほど高くなった気がします。
(純粋に電気代のアップに加え、燃料調整費がマイナスからプラスに変化、再生可能エネルギー発電促進賦課金が追加)

ほんと、ここ最近は5年、10年後どころか1年後の電気代も予想できません。
この状況下で最適な暖房方式がなんなのかますます見えなくなってきました。
本当に悩ましい問題です。

24時間暖かく、しかもランニングコストのかからない快適な家。

言葉で書くのは簡単ですが実現させるのはなかなか難しいですね。


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