裏山赤太郎~ゲイでエイズで、でも生きてくよ!~

ゲイとして生きて、50代でエイズを発症したけど、自分らしく生きていくことには変わりないないんだよってブログ。

今年の盆休み

2015-08-18 22:47:15 | 日記
お盆休み、と申しましても、私は只今失業中。

私は定期的に通院をする必要があること、
この病気について必要以上に気を遣うことよりも
理解のある職場で働きたいために、
現在障害者枠での転職を考えて求職中です。

そんな訳で、夏休み、お盆休みもへったくりもありませんが、
それでも友人達も休みになることから
相乗りして夏休み気分を過ごさせて頂きました。

同じ病気の大先輩でもある親友と共に葉山の一色海岸に行き、
砂浜でのんびりとした時間を過ごしました。
また、支援団体のミーティングを通じて知り合った、
新しい陽性者の友達たちともランチやカラオケを楽しんだりして
それなりに充実した時間を過ごすことが出来ました。

去年の私には夏が存在していませんでした。
昨年に働いていた職場でも、夏休みらしきものはあったのですが、
その頃には体調はかなり悪化していたので
必要最小限の外出以外は家でぐったりとしていて、
ほぼほぼ寝込んで過ごしていたに等しい状態でした。
加えて、夏休みにも関わらず取引先から
鬼のようなメールが毎日届き、
ほぼ午前中はその対応に追われて過ごしていた記憶しかありません。
考えてみれば、そのように自宅で対応していた時間は、
時給制契約アルバイトなどというへんな雇用をされていた自分には
まったく給与として認められなかった訳です。
まあ、そんな待遇だったから、
契約更新も社員登用も辞退したのですが。

明るい陽射しと潮風に吹かれ、
砂浜に寝そべりながら海を眺めていたら、
そんな去年の自分を思い出して、
今の自分が「まるで嘘のようだ」に思えたのです。

去年の夏は、体も心も、
ボロボロになっていました。
気温が30度以上ある日でも、
夕方には熱が出てきて、寒気が治まりませんでした。
もう生存しているのがやっとで、
無表情で、笑うことも、泣くことも出来ず、
ただただ絶望と命を繋ぎ止めることだけで
生活していたのでした。

周りで波と戯れる子ども達の声と、
きらきらと輝く水面に、
私は眩しくも穏やかな幸福を感じていました。

今は心から、
医療の進歩と様々な治療に対する援助に感謝しています。

当たり前の日常が有難い。

当たり前なんて、本当はないのかも知れませんね。

当たり前を成立させるために、
様々な方々や世界が働きかけているのですから。

当たり前の生活、日常、幸せも、
まずは自分自身の意識から、
そして多くの人々の意識から作られているのだなあ。

寄せては返す波を眺めながら、
しみじみと感謝の気持ちでいっぱいになった
盆休みなのでした。


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