例えば 建築などに限らず フィルムにはデイライトタイプとタングステンタイプがある。
タングステンタイプというのは、文字通りまだストロボが発達していない時期によく使ったライトの色温度
3200k(ケルビン)にあわせてあり、光量が足りないためにスローシャッターを使うことが多かったので
シャッター速度が1秒~1分30秒程度なら 相反則不軌によるからバランスの崩れが無いフィルムなのである。
あえてストロボを使わないで 写すものには例えば 書家の書とか、油絵、などもある。
さて 例えば屋内撮影 をすると仮定する。
最上階で サンルーム付き マンションの中でワンフロアを占める部屋で、海と富士山が見渡せるところである。
(そのうち図面でも書かないとわかりづらいですね)人間の目では外の景色と屋内は違和感なく見えるのですが
写真はそこまで万能ではないので、屋内を基準にすれば外の景色が観えない(白く飛ぶ)外の景色を
メインにすれば屋内は真っ暗けのけになる。(写真的にはですが)
概ね写真の再現域は7EVなんです。つまり ハイライトからシャドウまでが7段の露出以内であり、
それを超えると白飛びかつぶれになるのです。その中間を取った露出でというのも方法論としては在る
けれど、それならば誰にでも写せるので「お仕事」にhなりません。
私は基本的にはホースマンL45というカメラとSWスーパーフジノンという広角レンズを使います。
普通のフジノンというのもありますが イメージサークルが大きいことが広角では特に重要なことで、
アオリを使う時にカメラではあおれてもイメージサークルが小さいと、レンズのケラレが生じてしまいま
す。(画面が黒くなる即ちイメージサークルという真円の中でフィルムの長方形を無理に動かすと、
そこは画像自体が無いために、黒くなるのです。
さて いよいよカメラのセッテイングです。カメラの高さとどの確度からが良いのかを考えます。
個人的には 壁になる事が大事だと思います。これは私の建築の撮影における基本理念です。
続くのだ
*相反則不軌 とは フィルムにおける最低露光時間を超えた露出をするとカラーバランスが
崩れるある色にコケることや、露出計の数字では露光量が足りなくなることです