その昔は、家庭用電源が取れない車が普通だった。
私がロケ用に使っていた車の何台かには、家庭用電源が取れるように改造したもの、
ジャックからの最大ワット数をあげたものなどがあった。
そもそも車から家庭用電源を取る必要性を感じている人は少なく需要ありきの車にも
そんなのは付いていないものがあったのだが、どうしても電源がない所でロケをする場合
ストロボ電源のスローチャージで使える必要があった。
こういう時は、もっぱら事前に電源部のバッテリーを充電しておけるもの、例えば
ミニカムというストロボなどを使うしか無いのだが、それだけではしのげない現場もあり
スローチャージ付きの電源を車からとっていた。
基本的には、車に負荷が掛かり過ぎるので、エンジンをかけっぱなしにしておくのだが
一度だけかけたつもりが掛かっていないことがあって、見事に車のバッテリーが上がった
事がある。この時は撮影時間に限りがあって焦っていたのだが原因。
完全に車の方はアウトで、聞けば一度上がってしまったバッテリーは、2度と使えないそうで
当時から1kgあるハンディ携帯電話も持っていたので、車の販売会社に電話して
新しいバッテリーを届け付け替えてもらって事なきを得た。
なんだかもったいない気がしたが、そもそも海岸で夕日を背景にしたタレントの撮影で
車を止めたのは、海岸線に降りる為の階段があるスペースだったので、車一台がかろうじて
置ける場所だったのと、前輪をギリギリに突っ込んでいたので交換する際には、エンジンルーム
に乗っかってでないと、5mくらい下に落ちるのであった。
他のスタッフ達はロケバスで来ていて、ちゃんとした駐車場に止めていたが、電源の関係で
やむを得ずだったのだが・・・。携帯電話は企業の社長が持つくらいの時代の中で、携帯を
持っていて助かったぁ~