最初の頃はともかくとして、屋内撮影はシノゴ1枚のフィルムに多重露光を
10回~15回していた。これは 真似ができない位ややこしいけれど、
そして 今書きたいと思うのだがややこしすぎて実は思い出せない。
フィルム時代だから タングステンという長時間露光でもカラーバランスが
崩れにくいもの。ただし1分30秒位が限度ですので それ以上の場合は
相反則不軌が起きる事と スローすぎるとシャッター速度は5分とかになる
露出計は 役に立たない。蛍光灯でも白色 昼光色、三波長型があり
撮影時には使うフィルターが違う。さらに太陽光の場合は このフィルムには
補正が必要で、ストロボ光も然り。全ての光をそれぞれのフィルターをかけて
感ピューターで割り出した 総露出時間を10等分にわけて・・計算機で
時間を割り出して・・・多分計算機とタイマーを使って撮影する人は私だけだと
思う。同じフィルムに何回もフィルターを変えて撮影するので、緊張するのは
ゼラチンフィルターの交換の時と、4×5インチのシートフィルムの遮光版を
上げ下げするとき。0.1mmでもずれたらアウトなのである。
アシスタントは 撮影機材の搬入だけで 後は動くな!状態。
それと かご付の車で 戸建てを俯瞰気味に撮影する。これって、それまでは
なかった視点で 一時期流行った。意外と揺れるのでございます。
3mの視点、これは私の定番ですが ここにたどり着くきっかけになったのは
過去に京都の写真なら山本健三!といわれた人と同じ場所で写してもなぜか
違う。なんでだろう!と思って食い入るように写真を見た結果がこの高さなので。
実際にお会いできた時に 聞いたらピンポンでした。
3mの高さで写しても仕上がりだけを見るとわからないんです。
人間の目は 柔軟なのでしょう。センターポールを伸ばせば3m50cmになる
ジッツオの三脚。当然私は3段の脚立に乗り撮影。何度か落っこちたけど(痛
大好きな建造物の写真。一人静かにが好きだったんですね。
そして 随分と有名な建築会社と専属契約を・・頂いた。実力社会ですから
実力はないけど工夫と努力はした。けれど、結局は、撮影ができない麻痺で
アウト。人生やまあり 谷だらけ・・・。適当にができなかったけど、
結果は惨めだけどまぁ いいや。