新聞社やテレビ局でカメラマンをしている人は、実はそれ以前に写真などの経験が全くない人が、
新入時の配属で振り分けられて、入社後にカメラデビューをする人がいることはあまり知られていないと思う。
全てがそうである訳ではないことと、この話を聞いたのは25年位前の話なので、今はどうなっているのかは
不明である。今はデジタルがカメラ(スチールやV)が主流なので誰でもその場で画像が確認できる時代だから
写真部に配属されても短期間で仕事に慣れると思うが、フィルム主体のアナログ時代には、新人さんは
かなり苦労したのではないかと思う。
オートフォーカス等ない時代だから、露出は仮にオートだとしても、ピントは自分で合わせなければならないからだ。
だから、時折新聞の紙面には「ええっ」というような写真が載ることも稀にあった。
私はとある新聞社の写真部長との偶然の出会いがあり、学生をやりながら嘱託カメラマンとしての仕事をしていた
時期があった。事件や事故などの報道も時にはあったが、基本的には新聞社の傘下の雑誌の企画ものの記事に
あわせて写真を写すことが多かった。
話を戻すと、新人カメラマン達が非番の日に上野動物園で400mmf2,8というレンズを持っていき、動物達を
レンズを開放で写すという練習をしていたそうだ。当時の35mm判カメラでは望遠レンズであり、開放で写す場合
被写界深度はかなり浅く、例えばサル山のサルが動き回る姿を写すことで、フォーカシングの練習つまり
より早動き回る被写体などに即正確なピンとあわせをするという練習には持って来いだったそうだ。
今のカメラはそこそこピントが速いようだが、例えばキャノンのイオス70Dのコマーシャルをみていると、
わたし的には、フォーカスが遅いので自分であわせたほうが速いなと感じてしまうが、まぁごく一般的な撮影なら
実需には充分なのだろうと思う。
またまた書いておくが、カメラのボディにこだわる人が多いが、それよりもレンズのF値にこだわった方が
数十倍よいというのがなかなかわからない人がいるのだ。
カメラメーカーが宣伝に用いてるレンズは、F2.8のものである。そのレンズをつけて撮影しているのは
ボディの性能が一番発揮できるからである。ズームなどでF5.6などと言うレンズをつけると、カメラのボディに
入る光が少なくなる為、ピントが遅くなるのである。この部分をメーカーはあまり言わない。なぜなら
普及しやすいレンズだからである。f2.8から比べれば2段階露出が暗くなるので本体の受光部もその分
情報処理が遅くなるのだ。だから、ボディで写真の良し悪しが決まるのではなく、レンズが命なのである。