一人シニアの漫遊記

国内外のトレッキング紀行と家庭菜園、ダンス等徒然なるままに

山紀行(水平歩道・雲切新道から仙人池 紅葉の裏剣堪能  2016.9.25~9.28)

2016-09-30 17:18:54 | 山紀行(国内:アルプス等)

2009年9月の下の廊下ピストンと2013年9月の剣沢雪渓・立山三山縦走の折に訪れたいと計画していた仙人池にようやく行くことができました。 今年は、台風が次々と襲来し9月初めの会津駒ヶ岳・燧ケ岳以来、なかなかチャンスが到来しませんでしたが、9月25日と27日は天気がよさそうなので今年のラストチャンスとばかり長年の夢を実現すべく出かけてきました。 26日の阿曽原温泉から雲切新道登攀時、一寸したトラブルに遭いましたが、何とか日本屈指の急登をこなし、紅葉真っ盛りの仙人池からの剣連峰を堪能することができました。 それにしても、このコースはこれまで経験したことがないほどのタフなもので、体力、気力とも100%を出し尽くした山行でした。
スケジュール
9月25日:自宅(3:00)⇒圏央道・中央道・上信越道・北陸道 黒部IC経由で宇奈月温泉駅前駐車場(7:30)
     ⇒トロッコ電車宇奈月温泉駅(7:57)⇒欅平駅(9:12)
     欅平登山口(9:40)⇒パノラマ展望台分岐(10:20)⇒水平歩道起点(10:40)⇒照明要トンネル入り口(途中、昼食 12:10)
     ⇒大太鼓(13:10)⇒折尾の大滝(14:00)⇒阿曽原温泉小屋(15:40)
9月26日:阿曽原温泉小屋(6:50)⇒仙人谷ダム(8:40)⇒雲切新道尾根頂上(12:40 1629m)⇒仙人温泉小屋(13:30)
     ⇒仙人池ヒュッテ(16:30)
9月27日:仙人池ヒュッテ(6:10)⇒池の平小屋手前展望地(6:30)⇒仙人池ヒュッテ(7:00)
     仙人池ヒュッテ(7:10)⇒仙人温泉小屋(9:20)⇒雲切新道尾根頂上(10:50 昼食)⇒仙人谷ダム(13:50)
     ⇒阿曽原温泉小屋(15:20)
9月28日:阿曽原温泉小屋(6:30)⇒折尾の大滝(8:40)⇒照明要トンネル入り口(10:20)⇒欅平登山口(13:20)
     欅平トロッコ電車(13:31)⇒宇奈月温泉駅(14:48)
     宇奈月駅駐車場(15:30)⇒北陸道・上信越道 中郷IC経由で休暇村 妙高
9月29日:休暇村 妙高(10:00)⇒上信越道・中央道・圏央道経由で帰宅
水平歩道(9月25日)
宇奈月温泉駅でのトロッコ電車です。 右は欅平駅で、駅を出た左手に登山口があります。 駅構内にはトイレの他に飲料水用の蛇口も用意されているのでここで給水を。  また、靴の洗い場も常設されています。
 
登山口から1時間ほどで水平歩道起点に到着します。 ここからは、黒四ダムを造る際に材料等の運搬路として切り開かれた細い路(旧日本電力が担当したことから日電歩道と言います)を行きます。 下の廊下ほどの高度感はありませんが、気を抜けば確実に死が待っています。
 
水平歩道では十文字草が盛りと咲いていました(右下)。
 
 

水平歩道で最も長いトンネルでランプが必須です。 足元だけでなく頭上にも気を付けないといけない狭いトンネルですが手掘りで、昔の苦労の程が偲ばれます。 トンネル内は鉱物が銀色に輝いていました。
 
少し盛りを過ぎていましたが、珍しいマツムシソウです。 断崖にあり気を付けて撮りました。

水平歩道最大の切り立ったポイント”大太鼓”です。
 
大太鼓からほどなく沢の下を通過するトンネルがあります。 短いのでランプは必要ありません。
 
折尾の大滝です。 ここは水場のポイントです。 阿曽原温泉小屋までもう少しのところに3段の垂直の梯子があります。 間違っても、真直ぐに降りないで下さい。 このような所は、後ろ向きで3点支持で降りるのが鉄則です。 
 
ようやく、小屋が見えてきました。 右はテント場でここを通過して小屋に上がります。 それにしても単調で長かった!
 
阿曽原温泉小屋には露天風呂があり、小屋で男性、女性ごとに1時間単位の時間割りをしています。 小屋から露天風呂までは10分以上の急坂を下っていきます。 野性味たっぷりな露天風呂で1日の疲れが吹っ飛びます。
 

雲切新道・仙人温泉・仙人池ヒュッテ(9月26日)
出発時には曇りでしたが、天気予報通りに10時過ぎには雨模様。 仙人谷ダムへの下降時にトラブルが発生したことと、その後、雨模様となりカメラが曇り始めたので、この日は写真を撮るのを断念しました。 コース詳細は27日の下りをご覧下さい。 尚、この雲切新道では鎖場、トラロープ、梯子が多く、トレールも細い尾根を行くことから休憩ポイントがほとんどありません。 雲切新道最高地点辺りが比較的広い箇所があるので昼食はここか、仙人温泉まで一気に進むのが良いかと。
阿曽原温泉小屋から見る黒部川渓谷です。 温泉の湯煙が上がっています。 6時50分に小屋を出発。 ほどなく、水平歩道のような切り立った箇所を通過します。
 
仙人谷ダムへの下降時にトラブルに遭遇し約1時間、ロスしましたが、なんとかダムに到着。 とりあえず仙人温泉まで行き、そこで仙人池を目指すかを判断することとしました。 ダムの中の通路を標識に従って通過しいよいよ雲切新道へ。
 
ダムを通過直後に3段のステンレス製の垂直の梯子を登り、その後にこんな丸太の橋を渡っていよいよ雲切新道の急登に入ります。 眼下にダムを見ながら一気に高度を上げます。
 
10時頃から雨模様となり写真を撮れませんでした。 このルートは急登か痩せ尾根の連続で、休憩ポイントがなかなか見当たりません。 途中の大木の根元で安全を確保して昼食をいただきました。 ダムから4時間ほどで雲切新道最高地点に到着。 ここから仙人温泉へは下りとなります。 やれやれ!
 
ほどなく、仙人温泉小屋が見えてきました。”小屋のぞき”なんてユーモアについ疲れた気持ちが和みます。 ガス噴出箇所の少し手前に水場があります。
 
地獄谷のような硫黄臭のガスが噴出する箇所を通過し丸太の橋を渡り小屋へ向かいます。 仙人小屋にも水場があります。 小屋到着が13:30で仙人池へ向かうか仙人温泉でお世話になるかを家内と相談。 家内は、一歩一歩歩めば必ず着くし、ここであきらめるのはダメとの強い意見に納得し、先へ向かうこととしました。 仙人池へは、通常は右下の沢沿いを雪渓登攀となるようですが、今年は雪渓がなく夏路を行くこととなり、やや時間がかかりそう。 そのうえ、阿曽原小屋のオーナーから、雪崩で路が荒れていることと5,6回の渡渉の際にルートをきちんと確認するようにとのアドバイスを頂きましたが、結構ハードなコースとのこと。 3時間頑張るしかないか。 それにしても、行けども行けども尾根に着かず、ようやく小屋へ水を運ぶパイプが設置してある箇所を見付けもう直ぐと期待したのですが、そこからも結構長い急登が続き、いやになりかけた頃、尾根にチョコンと小屋の屋根が突然見えホッとしました。 仙人池ヒュッテでは、温泉ではありませんが沸かし湯につかることができ、何よりのごちそうでした。

 

仙人池から剣連峰堪能後、仙人温泉小屋・雲切新道経由で阿曽原温泉小屋(9月27日)
朝5時半に剣連峰に朝陽が当たり始めました。 小屋から1分の所に仙人池があり、小屋の方々も今年一番の紅葉をバックにした剣連峰をカメラにおさめていました。 紅葉はこの1週間で終わるとのことでベストのタイミングでした。 六峰と七峰の間にチョコンと剣主峰が顔を覗かせています。 日本で確認されている現存する氷河三つのうちの”三ノ窓氷河”と”小窓氷河”も今年の暖冬で小さいですが良く望めました。 満願成就です! もう一つは立山にあります。
どうもジャンダルムが人気のようで、皆さんはしきりにジャンダルムも良く見えると言って喜んでいました。 左下の八峰、チンネの右横がそうです。

  

仙人池に映る素晴らしい立山連峰、剣連峰と紅葉です。

剣連峰の左側には、右から別山、真砂岳、大汝山の立山三山が朝陽を受けて紅葉が見事です。 余りに良い天気なので、池の平小屋まで往復しました。所要時間は往復1時間ほどです。 
 
池の平小屋へ向かう途中に絶景ポイントがあります。 そこからの剣連峰です。 これを見れば思い残すことはないと、この地点で仙人池へ戻りました。

剣連峰の全貌です。 三ノ窓雪渓が良く見えます。
 
 

中央に鹿島槍ヶ岳の双峰と左へ五竜、唐松、不帰嶮が連なっています。
 
展望地からの仙人池ヒュッテです。 ヒュッテに戻り、ザックを背負って帰路につきました。 紅葉と剣にサヨナラです。
 
途中にはこんな見事なモミジの紅葉と梯子での下りがあります。
 
下ってほどなく、小屋へ飲料水を送るポンプが設置されています。 毎日、ヒュッテの方がポンプのオンオフにここまで往復されています。 勿論、お風呂の水もこのポンプでくみ上げています。
 
途中にはザレた斜面の細いルートを行く箇所(斜面の下は沢で滑ると50mは落ちるので要注意)やこんな渡渉箇所があります。 右は10mほどの幅がある沢でロープが張ってあり、それをつかんで渡渉します。 このすぐ下流で5m程の滝になっているので慎重に渡渉します。 まして、増水時は大変ですね。 
 
2時間ほどで仙人温泉小屋へ到着。 ここが最後の給水ポイントです。 なんともひなびた温泉宿です。日帰り温泉も可能ですが、先を急ぐのでこの日はパスしました。
 
仙人温泉小屋から急坂を登ると、眼下に小屋が望めます。 あの尾根から小屋へ下り、そこからここまで登ってきました。
 
雲切新道は鎖やトラロープあり、梯子ありの難コースです。 でも、途中で後立山連峰を真正面から堪能できます。 右は鹿島槍ヶ岳です。
 
白馬三山、天狗岳、不帰嶮、唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳の後立山連峰です。 この尾根筋もなかなか面白いですが手ごわいルートです。

ようやく、仙人谷ダムが眼下に見えてきましたが、まだまだ気が抜けません。
 
ダムへ下る最後の三段梯子です。 黒部川に50mほど垂直に切れ落ちており、なんともスリル満点です。
 

阿曽原温泉小屋から欅平(9月28日)
なんとか無事に欅平へ降りる最終日。 当初の天気予報では曇りだったのが、あいにく雨との予報に代わり6時半の出発時から雨模様。 大太鼓あたりからは土砂降りとなり、水平歩道後半では岩壁から滝のようなシャワー。 滝行のごとくシャワーを全身に浴びながら、ひたすら安全のために敷設してあるワイヤーを片手で持ち単調で長い水平歩道を欅平へ下りました。 それにしても、帰りのトロッコ電車の寒かったこと。 全身汗でびっしょりで雨具の帽子をすっぽりがぶっても寒く、ぶるぶる震えながら1時間を耐えました。 デラックスシートにすれば良かった!!!! 帰路に寄ったお気に入りの”休暇村 妙高”の赤色の関温泉でゆっくり温まり翌日、帰宅しました。
 



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