一人シニアの漫遊記

国内外のトレッキング紀行と家庭菜園、ダンス等徒然なるままに

山紀行(剣沢雪渓、立山三山縦走 その1 黒部ダムから真砂沢 2013.9.19,20)

2013-09-21 21:14:37 | 山紀行(国内:アルプス等)

大きな被害を出した台風が去り台風一過の晴天を利用し、長年の念願だった日本三大雪渓の一つの剣沢雪渓を真砂沢から登り別山に出て、真砂岳、雄山へと続く立山三山を縦走してきました。 40年前の春に室堂から真砂岳までスキーを担いで登り室堂への滑降、更に、雷鳥沢を別山乗越まで登り、そこから剣沢小屋までのスキー滑降をした思い出の剣沢全体を一度は歩いてみたいことと、剣岳から五色が原・薬師岳縦走の中で計画していた立山三山縦走も剣岳登頂後の折からの雷雨で断念し室堂へ急遽、避難したことから、何時かは登っておかなければと念願していました。

今回は、9月19日早朝に大町から扇沢へ車で入り、そこから立山黒部アルペンルートで黒部ダムまで行きました。 黒部ダム駅からダム下部に降り下の廊下の一部を歩き内蔵助谷へ入り、真砂沢へ向かいました。 当初は仙人池までの9時間のロングトレールをこなして行く予定でしたが、凄まじい急登と暑さで時間オーバーとなり、急遽、剣沢雪渓直下の真砂沢ロッジにお世話になりました。 翌日の20日朝、剣沢の大雪渓を登り剣沢小屋経由で別山に出て、立山三山を縦走し、一の越経由で室堂へ降り、そこから立山黒部アルペンルートで扇沢に戻りました。

(参考情報)
・下の廊下:今年の土石流の影響で一部、山側への迂回コースとなっていましたが、10月1日には従来のコースに戻るそうです(黒部ダム下部で工事関係者からお伺いしました)。
・剣沢雪渓・仙人池方面:内蔵助谷から真砂沢へ向かうコースは急登であり、熟練者以外にはお薦めできません。 真砂沢ロッジ管理の佐伯 成司さんからも、剣沢雪渓を下り仙人池方面へ向かうのが良いのではとのアドバイスをいただきました。 仙人池は温泉もあり、紅葉シーズンを除けばゆっくりトレッキングを楽しめます(温泉も)。 

行程:扇沢(19日 立山黒部アルペンルート 7:30)⇒黒部ダム(7:50 標高1550m)⇒内蔵助谷出合(8:10 標高1360m)⇒内蔵助平(11:30 標高1700m)⇒ハシゴ谷乗越(13:50 標高2035m)⇒南股分岐(14:55)⇒真砂沢ロッジ(15:20着 標高1740m  20日6:30発)⇒剣沢小屋(10:00 標高2500m)⇒別山(11:25 標高2874m)⇒真砂岳(13:05 2861m)⇒富士ノ折立(13:50 標高2999m)⇒大汝山(14:20 標高3015m)⇒雄山(14:40 標高3003m)⇒一の越山荘(15:20 標高2700m)⇒室堂(16:00 標高2420m  立山黒部アルペンルート16:30発)⇒扇沢(17:50着)

扇沢からトロリーバスに乗り黒部ダムに到着。 立山連峰が快晴の朝日を受けて輝いて見えました。
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黒部ダムを8時に出発し工事用車道を20分程下り、ダム下部へ到着。 橋を渡り下の廊下へと続く路へ入ります。 4年前の下の廊下往復以来で懐かしさ、一入です。 下の廊下は土石流で相当、ルートが荒れているとかで、現在修復中とか。 行き会った工事関係者は10月1日には正常ルートに戻るとのこと。
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大タテガビン(2076m)でしょうか。 内蔵助出合は確か沢沿いに登ると記憶していましたが、二つばかりある沢からのルートが見当たらず少し焦りました。 昭文社の地図では出合には丸木橋、水場があると記載されていますが、全く異なって右のような標識がありました。
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入り口付近は渓流もあり気持ちの良いところですが、ここから地獄の急登が待っていました。
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黒部別山(2353m)、南峰(2300m)でしょうか。 この辺りから、ロープを伝う急登が始まります。 今日は、ケイレン防止対策を万全にしたつもりでしたが、歩き始めて2時間ほどで腿に異常を感じ始めました。 早朝出発で睡眠時間を3時間しかとっていなかったのも要因かと。 家内は日頃の運動不足と手厳しい一言でした、、、。
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11;30頃に内蔵助平に到着。  水場もあり、ここで昼食を取りました。
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ハシゴ谷乗越にようよう到着。 この区間のごろ石が多く、それを乗り越えるのに無理に体を持ち上げることからケイレンが頻発。 尾根筋が目の前に見えながらなかなか着かず精神的にも参りましたがなんとか、30分程の遅れで収めました。 ということで、この間の写真は1枚も撮っていません。  後ろを振り返ると、白馬等の後立山連峰がきれいに見えています。
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ハシゴ谷乗越を過ぎると剣連峰が眼前に迫ってきました。 左は剣岳と長次郎谷でしょうか。 右は、明日登る剣沢雪渓です。
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ハシゴ谷乗越から真砂沢への下りも結構な急坂です。 要所には、大分古くなったハシゴが取り付けられています。
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真砂沢と仙人池への分岐地点です。 この時点で15時近く。 ここから仙人池まで約3時間です。 しかも、雲切新道は約2時間半の急登ときています。 ケイレンは収まっていますが、この急登で再発することも想定すると、日暮れも早くなってきており18時には暗くなることから、リスクが多過ぎると判断しました。 18日の電話では、真砂沢ロッジは工事中で宿泊できないとか。 最悪は受け入れるとのことでしたので、何とかお願いしようと予定を変更しました。
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30分程でロッジへ向かう沢に出ました。 従来なら雪渓が無く渡渉するようですが、今年は雪渓を伝い、対岸へ渡り左のロッジへ向かいました。 右は南股経由で仙人池へのルートです。 雪渓にはいくつもクレパスが走っており、慎重にわたりました。  右は真砂沢ロッジから見る剣沢雪渓です。
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真砂沢ロッジに15時10分頃到着し、オーナーの佐伯さんに宿泊を依頼しましたが、営業はしていないし、こんなに遅いのでは夕食の支度もできないと叱られましたが、何とか受け付けていただきました。 ホッ!!!! でも、掛湯ですが風呂にも入れていただき、本当に心のこもった夕食、朝食と登山やスキーの経験談を拝聴させていただきました。 宿泊者の90%はロッククライマーとか。 昨年には、三浦雄一郎氏のエベレスト登頂やイモトのマッターホルン登頂への事前トレーニングで八ッ峰へのロッククライミングの基地ともなっており、私共のような年寄の駈出しがお世話になるのが気が引ける思いでしたが、本当に親切にしていただきました。 右は、ロッジで黒部の豪雪に耐えるよう石積みで外部を囲い、その中に小屋を設営してあります。 小屋の中には何時でも遭難救助に向かえるようザイル等の救難道具一式がザックに詰めて置かれており、日ごろからの緊張感がひしひしと感じられました。
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