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徳島県の手話サークル「藍話サークル」の情報を含め、ちょっとだけ「聞こえ」にこだわったブログです

今から11年ほど前・・とある手話通訳者の話

2006-03-04 21:47:07 | けろの聞こえ系日記
(先に紹介したブログに書いた記事だけど・・
久々の名文かなと思ってこっちにも・笑)

11年前の阪神淡路大震災当時、明石市で「手話通訳者」
(こちらで言えば手話奉仕員ですね・・)を やっていた、とある女性の話・・

当時20歳そこそこだった彼女にも
95年1月17日午前5時46分はやってきたわけです。
当時独身で、フットワーク軽く活動できる環境にあった
彼女は、家族の無事を確認したあと、仲間の通訳者達とともに
地域の聴覚障害者の安否確認のため
避難所をあちこち回っていました・・
「サンドイッチマン」のように、
「手話通訳の必要な方いませんか?」と書いた看板を 肩からかけて・・

そこに・・1人の聾者が駆け寄ってきました
「近所に住んでいる聾者がここ(避難所)に来ていない。探して欲しい・・・」と

とにかく、彼女達は、その聾者の案内で
行方の分からない聾者の家へと
向かいました。
半壊状態・・いやほぼ全壊に近い状態の家を目の当たりにして
「逃げてくれている事を願いたい」と思いながらも・・
しかし、その家の場所から逃げ出しそうな避難所は
彼女を案内してくれた聾者と出会った場所ぐらいしか思い浮かばない・・
「まだここにいるかもしれない!」
そう思った彼女達は・・家の瓦礫を取り除いていく事に。

しばらく経って・・
家の中のわずかなすき間から、行方不明になっていた聾者の姿が
幸い怪我はなく。先の避難所へと案内したそうです。

当然レスキューも要請したわけですが。
何せあの惨状の中。手が回らない状況・・
でも、彼女達は表彰状を受け取ったわけでもありません。
それが「1.17」だったんです・・

その後彼女は、突発性難聴にかかり、今は通訳者としては
活動をしていませんが・・
未だにこの話を聞くたびに、自分ならどうだろうと
考え込んでしまいます。

ときどき・・この話しを聞くもので・・
なぜなら・・その「元」通訳者は
今。私がPCに向かっている部屋のベッドで
口をあけて高いびきで寝てますから・・(笑)

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