国会・厚生労働委員会で「障害者自立支援法案」の審議が
本格化しています。
今日17日には身体障害者各団体から「参考人」を呼んでの
審議が行なわれました。
一応このサイト「手話サークル」のサイトなので、
今回は「聴覚障害者」とこの法案についてに絞って書いてみたいと
思います。
この「障害者自立支援法案」に対して、聴覚障害者が抱いている
不安・疑問は、今日の審議を見ていて次の点なのでは?
1、「手話通訳等」の「情報保障事業」が「市町村」に完全に
委ねられ、それによって「あらゆる格差」が生まれるのでは?
2、自分達の言葉、すなわち「手話」による情報保障が「有料化」
される事に対して、きちんとした議論がなされていたのか?
まず、1についてですが
これまで(今もですが)手話通訳等の「情報保障事業」は原則
「無料」となっています。
しかし、法案成立後は、こうした「手話通訳等」の事業が
「地域生活支援事業」と位置づけられ、財源・運用の方針などが
全て「市町村」の判断に委ねられる。
つまり、この動きによって「今までどおりの情報保障」が得られるか
と言う「不安」
そして、「市町村」独自で「サービス」内容を決める事で、
「地域間格差」も生まれるのではという「不安」
この「地域間格差」は「通訳者のレベル」や「有料?無料?」など
多岐にわたる訳ですが、その前に
「今・全てを市町村に丸投げして大丈夫なのか?」という「不安」も
ぬぐえないわけです・・
そして2について
法案の全文を見ても、この「地域生活支援事業」における
手話通訳などについての記載は「3行程度」で、具体的に
どのような方向で事業を行なうか書かれていない。
それによって、なにか「ドサクサ紛れ」に「手話通訳事業」が
この法案の中に「入れ込まれたのではないか?」という
「疑問」と「不安」があるようにも、けろっぴは思います。
この法案自体は「身体・知的・精神」に障害を持つ人たちの
福祉サービスの「一元化」が目的の法案な訳ですから、
法案の条文のほとんどがこうした「サービス提供」側に対する
規定になるのは仕方がないかもしれませんが、
この条文の中に「手話通訳等」の事業を「組み込む」に当たって
果たしてどれだけの議論があったのか、また、「組み込む」必要が
本当にあったのかも「けろっぴ」は疑問です・・
それと・・もう1つ。
けろっぴがこの法案に対して持っている「疑問」
この法案の名称「障害者『自立支援』法案」な訳ですけど
障害者の「就労」についての規定が無いのが・・
強いて言えば「授産施設」などへの「就労」についての
規定(プロセス的な)はありますが・・
本当の意味での社会参加、すなわち「社会人としての就労保障」
についての方向性がない限り・・
「自立支援」法案じゃないようにも思うんですが。
けろっぴは!
今日行なわれた、厚生労働委員会の審議の内容は下記のアドレスから
動画で見られます。(衆議院TV)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.cfm?deli_id=26858&media_type=wn
ただし「字幕」はありません。全日本ろうあ連盟の安藤理事長が
参考人として出席していますが、
手話で答弁の内容が見られるのは、安藤理事長の発言のときだけです
ご了承を・・