迷惑メールについてこの記事で何度か取り上げてきましたが、現状どんな対策がなされているのか、また少しお話してみたいと思います。
迷惑メール対策には大きく分けて二つあります。一つは、迷惑メールを受信せずにすむようにすること。もう一つは、迷惑メールを送信させないようにすることです。
迷惑メールを受信しないようにするためには、プロバイダのメールのサービスで特定の発信者からのメールを、迷惑メールフォルダに自動的に振り分けるものがあったり、また、メールソフトの機能でそれができたりしますが、この対策は皆さんにもなじみの深いものではないでしょうか。
ただ、この発信者情報に頼るやり方は、From:アドレスを偽造されたり、送信元のメールサーバを毎回変更されてしまうと全く効果がないので、残念ながら対策としては現状ではあまり効果があがるものとは言えなくなりつつあります。
では、どのような受信メール対策が有効かといえば、上記の対策に加えてメールの内容にまで踏み込んでチェックすることが必要になってきます。サブジェクト(表題)をはじめ、内容に特定の単語を含んでいればスパム(迷惑)メールと判定するというやり方です。
ただ、このやり方もチェックを厳しくするとスパムではないものをスパムと判定する率が高くなるので、運用を行いながら、時間をかけて根気よく調整していくことが必要になります。
最近では、上記のような機能を持った専用の製品(アプライアンス)がありますので、それを導入して迷惑メール受信を大幅に減らすことができたという成功例も報道されています。このような機器のよいところは、家電製品と同じで特定の機能に特化することにより使い勝手が向上している点にあります。大きな企業で、万単位の迷惑メールに悩まされているようなところなら、導入を検討するのも悪くないと思います。
そして、もう一つの対策、送信させない対策はといえば、最近一部のプロバイダが実施しはじめた25番ポートブロッキングというものが代表的です。
詳しく説明するとむずかしくなるので、簡単に言ってしまえば、とにかくそのプロバイダのネットワーク内からメールを発信する際には、特定の、プロバイダが許可したメールサーバからしか発信できないようにするという対策です。ユーザが自由にメールサーバを設置してメール送信をできなくなるので、一定の効果を上げることができます。
しかし、これにも大きな欠点があって、上記のような制限を加えるわけですから、他のプロバイダのメールサーバを利用してメールを送信することができなくなってしまいます。そのような、利用の仕方をしているユーザはたくさんいますので、ユーザにとっては、大きな制限事項となってしまいます。
また、その他の送信メールの対策としては、悪徳業者の情報交換をプロバイダ同士で行うことがあります。これは、契約するときにきちんと身分証明書を提出する必要がある、携帯電話会社にとっては一定の効果をあげることができます。悪徳業者は契約して大量の迷惑メールを送信して、それが原因で接続を拒否されると、他の携帯電話会社と契約して同じ事を繰り返すので、それを防ごうというわけです。
しかし、一般のプロバイダでは契約時に身分証明書の提出を義務づけていないので、この対策はあまり効果をあげることができません。また、携帯電話会社に比べれば、プロバイダの数は比べものにならないので、その間での情報共有と交換にも大変手間がかかることが予想できます。
このようにして、地道にですが迷惑メール対策が進められています。その中には、ユーザに不便を強いるものもあるので、手放しでは喜べないのですが、これも時代の流れで「きゅうくつなインターネット」として我慢しなければならないのかもしれません。
牧歌的な古き良き時代を知る我が身にとっては、愉快な話題ではありませんが、今後もこの問題を興味を持って追い続けていこうと思っています。
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