韓国ドラマは哲学的感性を刺激する

韓国ドラマ、IT・デジタルなこと、AIなどと並んで哲学に関する事柄や、よろずこの世界の出来事について書き綴ります

韓国ドラマあるある~時代劇での疫病発生の巻

2020-11-30 15:20:54 | 韓国ドラマ
 韓国時代劇でのお約束といえばあれこれ思い浮かぶのですが、疫病が発生して大騒ぎになるというのがまずは挙げられます。

 朝廷の重臣たちは、日頃王を前にした御前会議では自分たちの派閥の既得権益を守るためにあれやこれや王様をうんざりさせるほど議論を戦わせるくせに、いざ疫病発生となると自分たちが感染するのを恐れ真っ先に安全な地域に逃げ出し、仮病を言い訳にして会議にも欠席するという有様で、これに対して王様がひどくご立腹になるというシーンが個人的には忘れられません。

 一視聴者としては、ドラマの中で疫病がはやってどんなに悲惨な状況になっても、あくまでドラマの中の話として割り切ってみられたのですが、なんと今年になってそれが現実の世界で起こってしまったのは皆さんもご存じの通りです。

 現在、再び感染者が増え続ける状態になっていますが、それでも流行の初期のころに比べればこの病気に対する付き合い方がわかってきたので、以前ほどは不安を抱かなくなりました。

 ただ、そういう気持ちが油断やスキになって流行を助長する恐れもあるのですが、必要以上に怖がらないことも今の状況において、大切ではないかと思っています。

 時代劇では医官や医女たちの奮闘むなしく次々と死者が出て、それ以上の伝染を防ぐために遺体と家を焼き払う光景が描かれますが、そんなシーンも昨年までは自分は安全圏にいながら眺めていたわけですが、今のような状態になると非常にリアリティを感じてしまいますね。

 ドラマでは、最後には疫病が鎮圧されて、それを祝って宴を催すシーンが描かれますが、現代の私たちの宴はいつ開けるのでしょうか。一日でもはやくワクチンや治療薬が開発されることを祈りながら、あらためてドラマを楽しみたいと思います。



ナムグン・ミンさんの魅力~「キム課長」大好き!

2020-11-28 22:26:15 | 韓国ドラマ
 ナムグン・ミンさんを知ったのは、「ホジュン」(2013年)で、主人公のホジュンのライバルである、ユ・ドジ役ででした。

 この人物は主人公の影の存在のように描かれていて、そのため、あまり感情を表に出す場面がなく、心から明るい顔を見せることがほとんどなく、暗く、抑えた感情表現が印象的なキャラクターでした。

 そのあとほどなくして、ナムグン・ミンさんが主演の「キム課長」をみる機会に恵まれたのですが、時代劇と現代劇の違い以上にあまりにも演じている役柄が違いすぎて、そのギャップに驚いてしまいました。

 まあ、プロの役者さんなので、求められればどんな役柄でもこなすことができるわけですが、しかし、そうは言っても180度違う役柄を見ることができたのは実に幸運だったと思います。

 「キム課長」でのナムグン・ミンさんは、思い切りはじけた性格のキャラクターをごく自然に演じているように思います。自分でもよくわからないのですが、途中からなぜかナムグン・ミンさんの姿がルパン三世に重なって、もし韓国版実写のルパンが製作されるとしたら、この人が第一候補だと勝手に思っています。

 ストーリー自体は社会派の内容で、ある財閥企業の会長や役員たちの腐敗を明かし、正していくというものですが、ユーモアが満載で重苦しさは一切なく、最初から最後までわずか3日でみてしまいました。

 キム課長のライバルとして立ちはだかるのが、ジュノさん演じるソ理事なのですが、韓国ドラマでとてもありがちな展開で、敵同士だった二人が後半では味方同士になっていわばバディもののストーリーになっています。

 ジュノさんとのユーモラスなかけあいの面白さが、このドラマの後半で私が大好きな部分です。

 「キム課長」は重苦しいテーマを扱っているにもかかわらず、愉快で楽しいストーリー展開にはまって、あっという間に全話見終わってしまうような仕上がりになっています。

 まだご覧になっていない読者がいらっしゃたら、ぜひ見ていただきたいと思います。前半からはまること請け合いです。
 

イ・セヨンさんの活躍~チャングムの子役から…

2020-11-28 16:44:40 | 韓国ドラマ
 皆さんはイ・セヨンさんをご存じでしょうか?私は「月桂樹洋服店の紳士たち」で初めてみたと最初は思ったのですが、実は彼女は「チャングム」に出演していたのです。

 チャングムのライバル役のクミョンの子供時代をイ・セヨンさんが演じていたのです。それを知ってもう一度チャングムの出演シーンを見返してみましたが、最初はどうしても同一人物に思えなかったのですが、何度もみているうちに、ああ、しっかり面影があるなと納得したのでした。

 「月桂樹洋服店」では財閥企業のわがまま娘を演じていたのですが、このドラマを見終わったすぐあとに、「最高の一発」で準主役、ヒロインを演じているのをみて、偶然とはいえ立て続けに彼女の作品に出合うなんて、興味深い経験だなと思いました。

 最近では時代劇「王になった男」で王妃役を見事に演じたことが話題になったようで、彼女を応援する一ファンとしては大変うれしいことだと感じています。

 機会ができたらぜひ時代劇でのイ・セヨンさんを改めてみてみたいものです。

 皆さんのお気に入りはどの作品でしょうか?

チン・セヨンさん~「オクニョ」でかっこよかった

2020-11-28 16:20:32 | 韓国ドラマ
 タイトルが少し変な気がしますが、これは筆者の正直な気持ちなのでどうかご容赦ください。

 チン・セヨンさんといえば、最近では「不滅の恋人」や「揀択」(カンテク)で話題になったのは皆さんご存じだと思います。「オクニョ」以来立て続けに時代劇に出演したことが、話題になりました。

 時代劇は特に演技力が求められるうえに、セリフも昔風の言い回しに慣れなければならないので俳優さんにとって大変な仕事だといわれています。そんな時代劇にまだ若いチン・セヨンさんが連続して出演し成功をおさめたことが快挙のように感じられます。

 私は「オクニョ」しかみていないのでチン・セヨンさんの印象は「かっこいい、ワンダーウーマン」?!です。物語前半で体探人(チェタミン:密偵、スパイ)の訓練を受けて男性顔負けに暴れ回る姿は、本当に気持ちがいいものでした。

 まだ見ていない時代劇作品もありますが、個人的には次は現代劇でチン・セヨンさんをみてみたいと思っています。きっと期待に応えて素晴らしい演技をみせてくれることと思います。

 皆さんのお気に入りはどの作品でしょうか?

韓国時代劇のリアリティ~まるで目の前で起きていることのよう

2020-11-27 23:53:14 | 韓国ドラマ
 現在、韓国では尹錫悦(ユン・ソギョル)検事総長と秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官との対立が問題となり日本でも連日報道されているのは皆さんご存じのことと思います。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領から期待をもって指名された尹総長ですが、その期待に反して「正義」のために大ナタを振るい始めたことが大きな問題になっています。

 自分の言うことを聞くだろうという期待で尹総長を指名した文大統領ですが、期待に反して真っ向から自分に反抗を始められて困っているという状況です。

 秋長官には、尹総長を直接解任する権限がないため、実質的に活動ができないようにする作戦に出ているようです。文大統領にしてみれば、自分には解任の権限があるものの、今更自分の手で首切りをすると、さすがに世間の非難を浴びるうえに体裁もわるいので、その役目を秋長官にゆだねたというわけです。

 今現在、韓国で起こっているこの事態を見て、既視感を抱いている人は意外とたくさんいるのではないでしょうか。そうです、まるで韓国時代劇の中で描かれている権力争いのシーンを見ているようなのです。

 李氏王朝のなかで、どの時代でも政権の中で主導権を握ろうとした権力争いは絶えませんでした。利用価値のある人物とみるやいなや、最初は自分の側に引き込もうと懐柔策に出るのですが、それを拒絶されたり反抗されると、手のひらを返したようにその人物を葬り去ろうとするのです。

 政治的野心をもった人物ならそのような政争に巻き込まれることはむしろチャンスととらえて立ち向かっていくと思うのですが、政治的関心のない人物の場合は、この上もない迷惑です。

 いろいろなドラマの中で、望まないのに政争に巻き込まれて権力者に逆らい、葬り去られてしまう人物が描かれていますが、望む望まないとにかかわらず組織の中での自分の政治的な立場をはっきりさせておくことが、世渡りのテクニックなのかもしれません。

 人はそれぞれの正義を持っています。そして、自分の正義を実現するために行動します。そうして、無数の正義が己の正しさの証しを建てようとするのがこの世界での人間の活動なのです。

 それぞれの「正義」という言葉が具体的に指しているものは皆違っているにもかかわらず、われわれが「正義」という言葉を共有して使用することができるという事態がどういうことなのかを考えてみるのも、興味深いことなのではないでしょうか。

ソン・イェジンさんの魅力~「夏の香り」&「愛の不時着」

2020-11-27 01:18:09 | 韓国ドラマ
 最近話題の「愛の不時着」で久々にソン・イェジンさんの名前を耳にしました。もう、17年前の作品「夏の香り」でその美しく、愛らしい姿をみせてくれて、私の心に非常に残っている女優さんです。

 「夏の香り」はユン・ソクホ監督の四季シリーズの3作目として、日本で大人気の「冬のソナタ」についで放送された作品です。放送局がNHKではなく、WOWOWだったのがちょっとした驚きで、たぶんWOWOWが初めて放送した韓国ドラマではなかったでしょうか。

 日本での放送は2004年の5月からで、一週間に2話連続して放送されました。我が家では当時たまたまWOWOWを契約していたので、特別な準備なしで視聴することができました。

 「冬のソナタ」は雪景色の美しさが印象的でしたが、「夏の香り」では新緑の木々の美しさに圧倒されました。残念なことに、当時はまだHD収録ではなかったので今の水準からみるとその表現にも限界を感じますが、現在では視聴機器が格段によくなったので、あの美しい風景をもう一度見直してみたいと思っていました。

 ソン・イェジンさんが話題になったことが引き金になったのか、アマゾンプライムビデオで「夏の香り」の配信が始まりました。他のドラマを見ることに忙しく冒頭の部分をちらっと見なおしただけですが、HD画質を見慣れた目には、標準画質の作品は残念ながら物足りなく思ってしまいました。

 しかし、16年前に今よりももっと貧しい視聴環境(とはいえ、当時では家庭用としては最高画質の環境)で、あれだけ心を動かされたのも事実です。その頃の気持ちを思い出して何とか時間を作って見直したいと思っています。

 最近のソン・イェジンさんは写真でしか見ていませんが、ほとんど変わりなく美しいままで安心しました。「夏の香り」は彼女がまだ20代前半の頃の作品で、美しさに加えて初々しさを感じることができます。

 ストーリーは典型的な恋愛ドラマですが、最近の作品とは違う良さもありますし、上記の風景描写の素晴らしさも相まってとても印象に残る作品となっています。

 「愛の不時着」も素晴らしい作品かもしれませんが、ソン・イェジンさんを気に入られたのなら、ぜひ「夏の香り」も見ていただきたいと思います。

シン・グクさんを偲ぶ~時代劇の名優

2020-11-26 00:24:03 | 韓国ドラマ
 今年の8月に韓国時代劇でおなじみの俳優、シン・グクさんが亡くなりました。72歳ということですが、病気にならなければもっと活躍されたと思えるのでとても残念です。

 イ・ビョンフン作品には欠かせない存在でしたが、時代が下るにつれてその容貌が急に変わられたので、間違いなく病気にかかられたのだと思っていましたが、その通りでした。

 一番印象に残るのはやはり「チャングム」での内侍府(ネシブ)の長官役ではないでしょうか。チャングムを温かく見守りながら、できるだけの力になって支える姿に好感を抱いた読者も多いのではないかと思います。

 劇中、チェ尚宮(一族)が、チャングムを陥れる策略を巡らしている場面で、「あんな後ろ盾のない人物には何もできない」と、地位は高くとも権力を持っていないことをみくびるシーンがありましたが、チャングムにとっては、心から信頼でき頼れる人物を見事に演じられていました。

 「イ・サン」での図画署(トファソ)の署長役を演じられたころまでは、とてもお元気そうに見えましたが、それ以降の出演作品で徐々に外見の衰えが感じられるようになり、一番最後の作品の「オクニョ」ではまるで別人のようになってしまわれて、大変心が痛んだものでした。

 時代が下った作品では、大臣の中の一人というような、目立たない役ばかりを演じられていたのは、病気でフルに活躍できなかったのかなと、個人的には感じています。

 同じく大ベテラン俳優のイ・スンジェさんのように80台になられても活躍される姿をぜひ見たかったのに、残念でなりません。

 派手さはないが、主人公の脇をしっかり固めてドラマの流れに厚みを与えることができる、素晴らしい名優でした。

 心から冥福をお祈りいたします。

魂の抜け殻~韓国ドラマは修行?苦行?

2020-11-24 18:05:31 | 韓国ドラマ
 あんなに毎日欠かさずみていた韓国ドラマですが、もう半月ほどまったくみる気がおきず、Youtube動画ばかりの毎日です。

 実は、9月から10月にかけて無茶なことをしてしまいました。前々から気になっていた、1999年版の「ホジュン~宮廷医官への道~」のDVDを借りて一気にみてしまったのです。もう20年も前の作品なのでオンライン配信や、BSでの放送を待っていてもみられる機会がないと判断してDVDを借りてみることにしました。

 DVDは全部で32枚、64エピソード(!)の構成です。エピソードによって若干長さが違うのですが、一枚2話でほとんどは1時間40分ほどでした。オンラインのレンタルショップで借りたので、一度に配送してもらえるのが20枚なので、2回に分けて借りました。 

 貸出期間は20日間あるのですが、期日までに郵便で返却が終わっていなければならないので、ぼんやりしているとすぐに期限が来てしまいます。そこで、半ば追い立てられるように次々とみていくことになりました。

 この「ホジュン」という作品、複数回ドラマ化されていて今回借りたのはイ・ビョンフン監督の出世作(?!)と言われており、韓国時代劇が好きなら是非一度は見ておかないといけないと常々思っていたのでした。

 2013年にこの作品のリメイクの「ホジュン~伝説の心医~」が作られ、そちらの方はちょうど一年前にアマゾンプライムビデオで繰り返しみていたので、今回はそのストーリーをなぞりながら楽しんでいくという視聴の仕方になりました。

 この2013年版をみたときも非常に疲れ切った記憶があるのですが、視聴期限があるわけではないのでその分、マイペースでみられました。今回はストーリーや登場人物がすべて頭に入っているとはいえ、DVDの返却期限を気にしながらの視聴だったためか、疲労困憊の度合いが大きかったように思います。

 韓国ドラマを全編見通すには、かなりの気力と体力が必要だと常々感じていますが、今回は本当にきつかったです。それがゆえに、全編みおわったあとでまるで魂が抜けてしまったような感覚におそわれて、ぐったりしたのでした。

 最近の韓国ドラマは20話以下の長さのものが多いので、全編見通すのも随分楽になりましたが、時代劇だけではなく、現代劇でも50話を超すものがざらにあるのでドラマの世界にいったん没入するとなかなか出てこられなくなる感覚を抱いてしまいます。

 本来ならドラマをみることは楽しみのはずですが、楽しさばかりでなく、難行苦行になってしまうのが、韓国ドラマのおもしろいところです。たぶん、それだけ人生について考えさせられる部分があるというのが、私自身の考えです。

 医者が主人公だと、人の生き死にや人生の幸福についていやがおうでも考えさせられるので、見終わった後の気分も楽しいばかりでなく、重苦しいことも珍しくありません。

 そんな韓国ドラマですが、気力が回復すればまたすぐにみたくなるという一種の中毒性があるのがおもしろいところだと思っています。

 読者のみなさんはどんな風に韓国ドラマを楽しんでいますか?