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東証のトラブルに思う

2005-11-09 15:06:40 | 情報セキュリティ
 今回の東京証券取引所のシステムトラブルを振り返ってみると、システムを安定して運用していく難しさがあらためて浮き彫りになってきました。

 東証では、システムの開発を富士通に委託して行っていたわけですが、今回のトラブルの原因は富士通のミスにあるとされています。しかし、東証は業務の発注元としての監督責任を逃れることはできませんし、自分たちの信用がまず第一に問われるからです。

 ソフトウエア開発、運用の世界ではこのようにして自社のシステムの開発や運用を外部の会社に委託して行うことが普通に行われており、もしトラブルが起こった際の責任分界点が曖昧なケースが珍しくありません。

 今回の件では、全面的に富士通のミスということですが、繰り返しになりますが、それを管理していたのは東証ですので、富士通にすべて責任をなすりつけて済むという問題ではありません。

 このようなトラブルが起こった際に、どのようにして事業を継続していくか管理することを、セキュリティの世界では事業継続管理と呼びますが、東証ではどのくらいのレベルまで事業継続管理計画を立てていたのでしょうか。

 システムの一部の取引ができない、あるいは、短期間取引が停止するというケースは想定しやすいですが、今回のように全面的にシステムが、半日にわたって停止するということは想像だにしていなかったのかもしれません。

 そして、バックアップのシステムを作動させようとしても、今回のトラブルの原因がハードウエアの障害といった単純なものではなく、システム運用上の問題であったため、代替システムでも同じことが起こってしまったことは不幸なことでした。

 この一件で、東証ではますます具体的な事業継続計画を立てることになるでしょうが、それを実際に検証してみることができないのがもどかしいところです。

 話題は変わりますが、最近沖縄にあるコンピュータシステムを管理するためのデータセンターに、東京の企業から多くの引きあいがきているそうです。沖縄は地震の実績が少ないのでコンピュータ設備のバックアップを稼働させるには最適だと判断する企業が増えているようです。

 とにもかくにも、社会的に大きな重責をになった企業が、その事業を間断なく継続するためには何が必要か、そして、それができなかった場合の社会的な影響について考えさせられた出来事でした。みなさんも、自分の環境において我が身のこととして、今回の東証の一件を反面教師としてみることをお勧めします。

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