今月4日午前に起こった名古屋証券取引所のトラブルの原因が報道されました。原因は、オペレータの操作ミスだったそうです。
詳しい内容については専門的になるので割愛しますが、オペレータの操作ミスで、システムに必要なファイルが破損し、オペレータはそれに気づかずに放置した上、自分の操作ミスの件をすぐに担当SEに報告せずに、翌日になってようやく電話連絡したそうですが、連絡を受けたSEの方も、内容をよく理解しないまま問題なしと判断してしまい、上司に報告しませんでした。
オペレータは交代勤務をしていますが、問題なしとされたオペレーションについては次の交代要員に申し送りされなかったため、トラブルが起こったときに状況を把握するのに時間がかかってしまったということです。
この一連の出来事をみると、基本的な手順をきちんとこなしていればこんな大事になる前にどこかで誰かが気づいて、トラブルを防止できたことがわかります。
「原因は外注先オペレータの操作ミス」などと報道されると、そのオペレータあるいは外注先が悪いように聞こえますが、このような大きな事態に発展したのは、組織全体の問題です。オペレータのちょっとしたミスが大きなトラブルにつながらないようにする仕組みがシステム運用の組織には必要なのです。
もちろん、いくらルールを作ってもそれを現場の末端の人たちが理解してきちんと守ろうとする意識が高くないとその効果を期待できませんが、今回の事故の場合、それぞれの担当者の仕事に対する緊張感がどうにも感じられないのです。これは、皮相な印象ですが、否定できないことだと思います。
結局、システムをトラブルなく運用するためには、きちんとしたルール作りの他に、現場の人間の高いモラルが求められるのです。そのシステムが重要であればあるほど、高い士気を保った状態で仕事をしてもらわないと困るのです。
しかし、正直言ってシステム運用のオペレーションという仕事は交代勤務の、汚れ仕事という位置づけになっていて一人一人のオペレータに高い職業上のモラルを求めることはなかなか大変なことです。
以前の記事にも、SEが疲弊している現状を取り上げましたが、企業がコスト削減に走るあまり職場環境は悪化の一途をたどっています。
話は変わりますが、ここ数日ニュースになっているマンションやホテルの構造計算書偽造事件の原因も、コストの削減を過度に追求しすぎたために起こった、業界全体の構造的矛盾が吹き出したものと思われます。
システムの運用というのは、本当に報われない仕事です。きちんと動いて当たり前、その反対に今回のようにトラブルを起こしてしまえば、世間や関係者から袋だたきにあう宿命を負っています。そして、現場のオペレータの労働条件、待遇は決していいとは言えません。
もちろん、運用のシステム手順をきちんと確立すれば、おおかたの事故は防げるでしょう。しかし、最後の砦はシステム運用に携わる一人一人の人間のモラルにかかっているのです。そんな大切な仕事であるにもかかわらず、汚れ仕事扱いをされ、一段も、二段も下に見られる仕事に優秀な人材が就くとは思えません。
ですから、重要なシステムのトラブルも、情報漏洩も、根っこは同じなのです。問題は人間なのです。いかに、人をうまく使うか、それが問われているのです。
今回の件は、情報システム運用の現場で(開発の現場でも同じですが)いかに人間の問題が大切か、あらためて考えさせられた、一件でした。
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詳しい内容については専門的になるので割愛しますが、オペレータの操作ミスで、システムに必要なファイルが破損し、オペレータはそれに気づかずに放置した上、自分の操作ミスの件をすぐに担当SEに報告せずに、翌日になってようやく電話連絡したそうですが、連絡を受けたSEの方も、内容をよく理解しないまま問題なしと判断してしまい、上司に報告しませんでした。
オペレータは交代勤務をしていますが、問題なしとされたオペレーションについては次の交代要員に申し送りされなかったため、トラブルが起こったときに状況を把握するのに時間がかかってしまったということです。
この一連の出来事をみると、基本的な手順をきちんとこなしていればこんな大事になる前にどこかで誰かが気づいて、トラブルを防止できたことがわかります。
「原因は外注先オペレータの操作ミス」などと報道されると、そのオペレータあるいは外注先が悪いように聞こえますが、このような大きな事態に発展したのは、組織全体の問題です。オペレータのちょっとしたミスが大きなトラブルにつながらないようにする仕組みがシステム運用の組織には必要なのです。
もちろん、いくらルールを作ってもそれを現場の末端の人たちが理解してきちんと守ろうとする意識が高くないとその効果を期待できませんが、今回の事故の場合、それぞれの担当者の仕事に対する緊張感がどうにも感じられないのです。これは、皮相な印象ですが、否定できないことだと思います。
結局、システムをトラブルなく運用するためには、きちんとしたルール作りの他に、現場の人間の高いモラルが求められるのです。そのシステムが重要であればあるほど、高い士気を保った状態で仕事をしてもらわないと困るのです。
しかし、正直言ってシステム運用のオペレーションという仕事は交代勤務の、汚れ仕事という位置づけになっていて一人一人のオペレータに高い職業上のモラルを求めることはなかなか大変なことです。
以前の記事にも、SEが疲弊している現状を取り上げましたが、企業がコスト削減に走るあまり職場環境は悪化の一途をたどっています。
話は変わりますが、ここ数日ニュースになっているマンションやホテルの構造計算書偽造事件の原因も、コストの削減を過度に追求しすぎたために起こった、業界全体の構造的矛盾が吹き出したものと思われます。
システムの運用というのは、本当に報われない仕事です。きちんと動いて当たり前、その反対に今回のようにトラブルを起こしてしまえば、世間や関係者から袋だたきにあう宿命を負っています。そして、現場のオペレータの労働条件、待遇は決していいとは言えません。
もちろん、運用のシステム手順をきちんと確立すれば、おおかたの事故は防げるでしょう。しかし、最後の砦はシステム運用に携わる一人一人の人間のモラルにかかっているのです。そんな大切な仕事であるにもかかわらず、汚れ仕事扱いをされ、一段も、二段も下に見られる仕事に優秀な人材が就くとは思えません。
ですから、重要なシステムのトラブルも、情報漏洩も、根っこは同じなのです。問題は人間なのです。いかに、人をうまく使うか、それが問われているのです。
今回の件は、情報システム運用の現場で(開発の現場でも同じですが)いかに人間の問題が大切か、あらためて考えさせられた、一件でした。
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