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フィクサー、仕手集団、中国人企業家ら続々登場 「ストリーム」株価操縦事件の“深い闇” 

2017年10月26日 16時17分58秒 | 社会・経済
 仕手筋、フィクサー、新興中国人経営者…。日経平均株価が2万円を超すなど好調さを見せる日本経済の背後でうごめく“闇の紳士たち”の一部が、白日の下にさらされた。東証マザーズ上場のインターネット通販業「ストリーム」(東京)をめぐる相場操縦事件。この事件では既に「最後のフィクサー」と呼ばれる人物の関係者ら6人の男が警視庁に逮捕されたが、通常は“食い物にされた側”となる同社元会長の中国人の男らの逮捕状も出るなど、単純な株価操縦事件とは異なる深い闇もうかがわせる。相場操縦で得られた資金が闇社会に流れた可能性も指摘されており、警視庁は全容解明を急ぐ方針だ。

株式市場を食い物に

 平成26年2月、それまで100円前後で推移していたストリームの株価が突如上昇を始め、8月には500円を突破した。しかし、年末に向けて下落を続け、27年半ばには200円も割り込んだ。証券関係者は「どう見ても怪しい値動きだった」と明かす。

 警視庁捜査2課と組織犯罪対策部が株価を不正につり上げたとする金融商品取引法違反容疑で逮捕したのは、松浦正親(45)▽四方啓二(46)▽佐戸康高(58)▽高橋利典(69)▽笹尾明孝(64)▽本多俊郎(51)-の6容疑者。6容疑者はつり上げた株を高値で売り抜け、利益を上げていたとみられるという。

 捜査2課によると、6容疑者は、直前の株価を上回る価格で連続して注文を出し、株価が上昇しているように見せかける「買い上がり」や、同じ人物が売りと買いの注文を繰り返し、活発な取引が行われているように装う「仮装売買」と呼ばれる手口を使っていたという。

 6容疑者は、他人名義の口座でこうした取引を繰り返すことで発覚を免れようとしたとみられる。


「やり方知らない」

 「相場操縦のやり方もわからないのに、どうやってやるのか」

 逮捕前、東京都内で産経新聞の取材に応じた松浦容疑者は、すらっとした長身でベンチャー企業のやり手経営者といった風貌。ストリーム株の売買や他人名義の口座を使ったことは認めたものの、株価操縦疑惑への関与は否定した。

 松浦容疑者は「ある金融ブローカー(昨年末に死亡)の言った通りに買ったら、株価がバカバカ上がり、売ったらもうかった。それだけだ」と説明。「株を買って何が悪いのか。証券会社に勧められて買うのと何が違うのか」と話した。

 関係者によると、このブローカーの指示で、「仕手筋」とされる高橋・笹尾・本多の3容疑者が実際の売買を担当していたとみられる。

 一方、四方容疑者は逮捕前の産経新聞の取材に、死亡した金融ブローカーが四方容疑者に「1億円を貸してほしい」と依頼し、「担保に不動産やストリーム株を持ってきた」と明かす。四方容疑者は「誰か貸せるか探したら、(逮捕された)佐戸さんが『いいよ』と言ったので、カネを振り込んで貸した」と説明した。

 「2月ごろからストリームの株価が上がってきたから売った。それを(金融ブローカーらのグループが)たまたま買ったというだけだ」と関与を否定した。


「最後のフィクサー」

 今回、仕手筋とされる3容疑者に続いて逮捕された松浦容疑者には「上司」とも呼べる人物がいる。

 警察当局が「特殊知能暴力集団」に指定し、「最後のフィクサー」ともいわれる人物の息子で、会社役員を務める男性だ。この男性はクラブ経営などさまざまな事業を手がけ、株価が不審な値動きを示す企業との関係が情報誌などで取り沙汰されるが、役員や株主には名前が登場しない。

 この男性について、松浦容疑者は産経新聞のこれまでの取材に「節約家だし、人柄がいいし、信義は守る。今まであれほどまともな人は見たことがない」と“信奉”ぶりを語っていた。

 ある捜査関係者は「この男性がストリーム株操縦に関連するカネを受け取っていたのかなど、資金の流れの解明は困難だ」と明かした。


中国人創業者も関与か

 信用調査会社などによると、ストリームは、平成元年に来日した中国籍の元会長(48)が11年に創業。インターネット通販などを手がけ、激しい競争にさらされながらも、堅実な経営を続けてきた。

 家電販売「ラオックス」の中国資本による買収劇でも見られたように、経済成長著しい中国企業は10年ほど前から日本市場への進出を激化させ、特に東証マザーズでは中国企業の上場も相次いでいる。

 ストリームもその先駆けとして19年にマザーズに上場。ラオックスとの関係も良好で、中国の3大新興財閥である「北大明天グループ」とも密接な関係を持つとされるなど、中国企業による日本進出の“先兵”と位置付けられてきた。

 「通常の相場操縦であれば、ターゲットにされた企業は『自分の会社を食い物にしやがって』と悔しがるものだが、今回はそういう構図ではない」。逮捕された6容疑者の1人は、産経新聞の取材にこう明かす。

 捜査2課などは6容疑者のほか、この元会長についても同じ金融商品取引法違反容疑で逮捕状を取り、行方を追っているが、既に国外にいるとの情報もある。企業買収や日本での上場といった「表」の活動で日本経済で食い込むだけでなく、非合法な形で日本市場を食い物にしていたとすれば、事件は新たな展開を見せる。

 ある関係者は「(今回逮捕されたグループとは)別に、元会長らのグループも(株価操縦に)関わっていた。両グループのつながりははっきりしないが、経営者が自分の会社で株価を操縦すればインサイダー取引になるのでは」との見方も示した。“深い闇”を感じさせる株価操縦事件の全容解明は、まだ始まったばかりだ。


■ストリーム

 ホームページによると設立は平成11年。インターネット通販の運営、ネット通販支援、化粧品開発・販売、オンラインゲームなどを主な事業にしている。本社は東京都港区。

中国の格下げ、日本のバブル崩壊を想起

2017年05月25日 16時29分56秒 | 社会・経済
 一部のエコノミストは以前から、中国が日本と同じ運命をたどる恐れがあると警告してきた――つまり過剰融資に後押しされた好景気の後に長期停滞に見舞われ、その後遺症に苦しむということだ。

 米格付け大手ムーディーズは24日、中国の長期国債格付けを「A1」に引き下げ、少なくとも現状では両国の格付けは同水準になった。中国は、25年前に不動産バブルから金融機関の破綻危機に至るバブル崩壊を経験した日本と同様の問題に直面し、対応に取り組んでいる。しかし格付けが日本と同じレベルに引き下げられたことは、中国が日本のような経済の長期低迷を免れることができるかどうか不透明なままであることを想起させた。

 日本は第2次大戦後急速に経済を復興させ、1990年代には経済力は最高潮に達し、もう少しで世界一の経済大国になる勢いだった。当時、中国はまだ毛沢東時代の長年にわたる経済政策の失敗から立ち直る途上にあった。だが中国経済は2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟した後、急成長に転じた。21世紀に入ると日本を追い抜いて世界第2の経済大国となり、トップの座を米国と争うまでになった。

 ムーディーズなどが指摘している中国経済をめぐる懸念は、日本が1990年代初めに直面した問題と共鳴する部分がある。中国の成長の牽引役となってきたのは、当時の日本と同じ高水準の設備投資だ。設備投資が中国の年間成長率に占める比率は、1990年の3分の1から2010年にはほぼ半分に拡大した。

 不動産価格が急騰し、そのテンポが世帯収入やオフィス賃貸料の上昇率をはるかに上回っていることは、現在の中国と1980年代末の日本との共通点の1つだ。日本のバブルのピーク時には、東京の住宅用不動産価格は1年間に69%も跳ね上がった。だが同国の不動産投機家は間もなく熱狂の代価を支払うことになった。1990年代初めには土地価格が15年連続の下落を開始したのだ。

 不動産バブルの崩壊は、規制が不十分だった日本の金融システムの脆弱性を露呈した。それは、現在の中国にも重なり合うもう1つの懸念である。日本政府は住宅金融専門会社7社を救済するために多額の公的資金を注入した。また、不動産価格の高騰に依存した経営を行っていた大手百貨店そごうなど一部企業は事実上倒産した。

 その状況は、中国の一部銀行が影の銀行を利用して会計上の操作を行い、十分な情報開示なしに不動産融資を拡大していることを思い起こさせる。中国の不動産市場は過去2~3年の間不調だったが、ここに来て再び急騰し始めている。北京の不動産価格は今年これまでに16%値上がりしている。

 他にも類似点はある。1990年ごろには日本の人口は15~20年後には減少し始めることがはっきりしていた。実際にその通りになっている。高齢化と人口減少の見通しは、消費者や企業のムードを沈滞させた。それと同様に、国連の予測では中国の人口は今から約15年後の2030年代初めにはピークに達し、その後には急減すると見込まれている。

 現在、両国の経済統計はどの程度似ているのか。幾つかの経済統計をみると、日本の状況は中国より深刻なようだ。2017年第1四半期に日本経済の実質成長率は2.2%と比較的力強かったが、それでも中国の6.9%成長を大きく下回っている。

 日本の債務問題も、中国よりはるかに深刻なままだ。国際決済銀行(BIS)によれば、2016年第3四半期末時点で、中国の非金融部門(政府、企業、家計)の債務残高の対国内総生産(GDP)比は256%に上昇したが、日本は373%と途方もない規模である。

 日銀の黒田東彦総裁は最近、中国が日本より相対的に有利な点があることを認めた。「80年代遅くに日本は既に成熟した先進国となり、成長率は6.5%を大きく下回り、人口増加率はほぼゼロになっていた。一方中国では人口はまだ増加を続けており、都市化は今も進んでいる」と、黒田氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が東京で開催したイベント「CEOカウンシル」で述べた。

 それでも、日本が引き続き圧倒的に優位なのは、日本がすでに豊かな国だということを示す統計だ。世銀によれば、2015年に日本の1人当たりGDPは3万4524ドルで、中国の8069ドルの4倍強に達している。中国の指導者は多くの構造的問題に立ち向かっているものの、中国が豊かな先進国の仲間入りをするにはまだまだ先は長く、多くの努力を要する。

「中国の代弁者」よ、足を引っ張るな AIIBに「反対」世論と乖離するメディアの論調

2015年05月31日 05時24分48秒 | 社会・経済
 一体、この乖離はなんなのか。中国が設立を主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加の是非をめぐって、多くのメディアの論調と世論とが、大きな違いをみせているのだ。

 軍事・安全保障面につづき、金融面でも既存の世界秩序に挑戦する中国の姿勢の表れとみられているAIIB構想。北京で設立覚書きが調印された昨年11月の時点では、僅か21カ国にとどまっていたAIIBの参加表明国は、今年3月11日にイギリスが参加を表明すると、雪崩を打ったように増え、4月16日の中国の発表によると、57カ国にのぼった。

 日本政府に「バスに乗り遅れるな」といった参加を促す掛け声が国内財界などで急速に高まったのも、この頃だ。中国も、創設メンバーとなるための申請期限(3月末)後も、日本やアメリカの参加を歓迎する意向を繰り返し示してきた。

 しかし日本政府は、AIIBについて、債務の持続性や(融資対象とする開発プロジェクトが)環境・社会に与える影響への配慮、加盟国を代表する理事会のガバナンス(統治)、日本が歴代総裁を出すアジア開発銀行(ADB)とのすみ分け--などが不透明で懸念されるとして、アメリカとともに参加に慎重な姿勢で一貫してきた。

 一方、国内の多くのメディアは、政府の慎重姿勢の転換を求めてきた。詳しくは、今回掲載する石川水穂・産経新聞客員論説委員の「マスコミ走査線」(正論6月号)を参照していただきたいが、日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞が日本政府の姿勢を批判、疑問視する社説や論評記事を掲載している。
 NHKも、「AIIB創設からみえてきたもの」と題した5月8日(午前0時)放送の「時論公論」で、加藤青延解説委員が「世界銀行やアジア開発銀行ADBは、最近、AIIBとは競うのではなく協力しあってゆく方針を示しました。もし日本が加わることで、その中身に深くかかわることができるのであれば、日本はアジアにおいて、ADBとAIIBという二枚のカードを手にすることになります」と参加の“利点”を説いた。民放でも、「報道ステーション」(テレビ朝日系)などが、政府の姿勢に批判的なコメンテーターの発言を伝えてきた。

 ところが、である。読売新聞社が5月8~10日に行った全国世論調査では、≪AIIBに日本政府が米国と共に参加を見送っていること≫を「適切だ」とする肯定的評価がなんと73%に上ったのである。≪そうは思わない≫はわずか12%に過ぎなかった(5月11日付朝刊)。

 3月28~29日に産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が実施した合同世論調査では、AIIB参加への反対は53.5%、賛成は20.1%だった。調査の実施主体は異なるが、メディアの多くが「参加すべき」と説いたにもかかわらず、AIIBへの参加に反対する国民は明らかに増えているのだ。
 日本政府がAIIBに示してきた懸念は、すでに現実化しつつある。5月22日までシンガポールで行われた創設メンバー国による第5回首席交渉官会合では、代表である理事が、AIIBの本部が置かれる北京に常駐しないことで一致した。理事が本部に常駐する世界銀行やADBの体制と比べ、運用上の公平性の担保が難しいことは明らかだろう。同会合では中国が重要案件に拒否権を持つことでも合意したという。これでは、中国の専制は止められまい。

「平和的台頭」をうたいながら急速な軍備拡張を続け、日本をふくむ周辺国と軍事的摩擦を相次いで引き起こしている中国の横暴な覇権主義、歴史問題での反日姿勢に対して、国民の不信感は極度に高まっている。

 たとえ金融の分野であっても、中国の覇権主義的な動きには警戒を要することを見抜いている国民にとって、AIIBを評価する国内メディアは、もはや「中国の代弁者」に過ぎない存在に思えているのではなかろうか。先に挙げたメディアのいずれもが、過去に「親中」的な報道が目立っただけになおさらである。

 安倍晋三首相は5月21日、東京都内で講演し、公的資金によるアジア向けのインフラ投資を今後5年間で約3割増やすと表明した。AIIBに対抗する狙いは明らかだ。「中国の代弁者」たちが足を引っ張らないよう願いたい。

古舘伊知郎氏らは何をビビッているのか?

2015年04月17日 11時39分25秒 | 社会・経済
 テレビ朝日「報道ステーション」の古舘伊知郎氏と元通産官僚の古賀茂明氏の番組内バトルが、「権力と報道」という大上段に構えたテーマになって尾を引いています。確かに大事なことなのでしょうが、この人たちってすぐに「圧力」とか「委縮」とか、言いますよね。情けなくないですか?

 古賀氏は、テレ朝や古舘プロジェクトの意向で番組を辞めることになったとした上で、「菅(義偉)官房長官をはじめ、官邸の皆さんには物凄いバッシングを受けた」などと恨み節を述べました。仮に本当だったとしても、以前から「アイ・アム・ノット・アベ」などと公共の電波で安倍晋三首相を個人攻撃してきた人なのですから、「バッシング」くらい覚悟の上なのかと思っていました。

 一方のテレ朝や古舘氏側も、古賀氏がそういう人物だと知っていながら便利に使っていたくせに、すぐに手の平を返すのも情けないと思います。双方とも、まるで悪乗りしてイタズラを続けていた馬鹿ガキが、ついに先生に見つかって叱られたら、今度は、びっくりして「先生が怒ったー」と泣きわめいているかのようです。
 報道とか言論って、もう少し覚悟が必要なものではないでしょうか。さんざん好き勝手に自分たちの主張を公の場で繰り返しておきながら、権力側が少しばかり顔をゆがめたぐらいですぐに委縮する。「事実をありのままに報道している」という自負があれば、堂々としていればいいのではないでしょうか。

 同じようなケースは、昨年の衆院選の時にもありました。TBS「ニュース23」で安倍首相が街頭インタビューの内容をちょっと批判しただけで「言論弾圧だ」などと騒ぎ、その後、自民党が在京キー局に「公平中立な報道」を求めただけで、「圧力だ」「現場が委縮する」などという情けない声が上がりました。では、今まで「公平中立」ではなかったのでしょうか?

 百歩譲って、テレビ局は免許事業だからというのかもしれませんが、そうではない朝日新聞も同様です。昨年の秘密保護法のときは「自由にものが言えなくなる」「戦前に逆戻り」などと法案反対の大キャンペーンを張りました。何をビビっているのでしょう。仮に朝日が秘密保護法に抵触するほどの特ダネをつかみ、それが日本国民の公益にかなうと信じて報道して罪に問われたなら、その時は徹底的に争えばいいだけの話です。理にかなった報道なら世論も味方に付くと思います。
 政府や与党に批判されるとすぐに「委縮」したり、「委縮しかねない」などとビビりまくる一方で、民間人から堂々と言論で批判されると、今度は名誉棄損で訴訟を連発するという彼らのお仲間も北海道にいます。一体彼らは、どこまで安全地帯から「悪乗り」を続けるつもりなのでしょうか。「俺はこのネタに命を賭けてるんだ!」という潔さというか、格好よさはないのでしょうか。

事故なく飛べるのか?日本『MRJ』に敵愾心むき出し中国『ARJ』だが…航空市場からは“無視”の哀愁

2015年01月06日 16時05分21秒 | 社会・経済
 新幹線に続き、航空機でも中国が日本に国際受注戦争を仕掛けようとしている。中国が約12年もの長い期間を費やして開発した初の国産ジェット旅客機「ARJ21」初号機が、ようやく中国・成都航空に引き渡され、近く商業運航を始める。座席数が78~90席と、今年5月に初飛行を予定する三菱航空機の「三菱リージョナルジェット(MRJ)」と競合するサイズの中小型機。日本としては市場投入で中国に先行された格好だが、国際的な評価ではMRJが“圧勝”の様相を呈する。そのワケは?


懸命のアピール「量産態勢整った!」

 「8つの国内空港間で28ルート、81回のテストフライトを順調に終えた。累積飛行時間は172時間を超え、耐久基準をクリアした」

 ARJ21を開発する中国商用飛機有限公司(COMAC)は昨年11月末、耐久試験を終えたことで、いよいよ商業飛行の準備が整ったと発表した。それに先立つ同月12日には、珠海航空ショーでデモ飛行を披露。8の字飛行などで観客を沸かせた。着陸後の機内からタラップに降りたCOMACの金壮竜会長は、満面の笑みを浮かべながら手を振るパフォーマンスを見せた。

 COMACは同月、中国国内のリース会社とアフリカ・コンゴの政府から、ARJ21を合計23機受注したことも発表。合計の受注総数は昨年11月の時点で278機に達したとしている。現地報道では「受注が300機を超えた」とされているほか、「すでに西安の工場で量産態勢に入った」、「上海の新工場も完成した」など、世界へ向けて活発なアピールが行われている。
 その背景にあるのが、日本のMRJの存在だ。後発のMRJの受注が好調なのに対し、中国側には焦燥感が募っているとみられる。昨年10月に機体をお披露目したばかりで、まだ初飛行もしていないMRJだが、これまでに国内外から400機を超える受注を獲得した。スタイリッシュな機体は世界中で大々的に報じられ、注目度も急上昇している。

 航続距離が3000キロメートル程度で、主に地域間輸送を担う100席程度の中小型機は「リージョナルジェット」と呼ばれ、現在、ブラジルのエンブラエル、カナダのボンバルディアの2強が市場の大部分を占めている。だが、英アセンド・フライトグローバル・コンサルタンシーのロブ・モリス氏は米ウォールストリート・ジャーナルに「MRJは2033年までに、リージョナルジェット受注のうち22%を獲得することができるだろう」と語り、早くもMRJが2強に割って入ると予想する。

 MRJは、同型の競合機に対して燃費性能で20%程度優れ、貨物室の位置を工夫するなどして客室空間を広くするなど、日本の技術力を遺憾なく発揮した点が高く評価されている。今後、急速に市場拡大が見込まれるリージョナルジェット市場では、ブラジル、カナダの2強に加え、日本のMRJを加えた三つどもえの競争になるというのが、航空関係者の間での一致した見方だ。

開発に12年で「設計古い」

 一方、どんなにアピールしても、現時点で世界の航空市場でほとんど“無視”されている中国のARJ21。それにはそれなりの理由がある。

 ARJ21の開発が始まったのは02年。MRJの開発が始まった08年には、すでに初飛行にもこぎつけ、10年には引き渡しの予定だった。しかし、その後、開発スケジュールは何度も延期され、引き渡しまでには結局、開発開始から12年もの月日を必要とした。個々のパーツは欧米製のものがほとんどだが、「設計が古い」(業界関係者)とみられているのも、開発に時間がかかりすぎたためだ。

 その上、現時点では米連邦航空局(FAA)や欧州航空安全機関(EASA)による型式認証が取得できる見通しがなく、中国以外の航空会社にとっては、そもそも購入の選択肢に入らない。このため受注は国内がほとんどで、それも購入しているのは地方航空会社が中心。中国の大手航空会社もそっぽを向いている状況だ。日本経済新聞によると、三菱航空機の関係者は「燃費、安全性、快適性など、あらゆる面で実力はMRJが上だ」と余裕をみせる。「商談では(ARJ21は)話題に上るが、欧米の航空会社で購入を検討しているという話は聞いたことがない」とまで話している。
 商業運行を前に、中国の投稿サイトには「安全性と信頼性を高めて競争力のある旅客機にしてほしい」「事故なく飛ぶことができるのか?」などの書き込みも出たと韓国メディアが紹介するなど、中国国民の間にも、自国製の旅客機に命を預けるのに不安を感じる向きがあるようだ。国策として尋常でないスピードで敷設工事を進めた中国版新幹線が、11年に温州市で引き起こした大事故が連想されてしまうのかもしれない。同事故では40人もの死者を出し、当局の対応もお粗末だったことから、中国政府は世界中から批判を浴びた。


中国政府は優先購入か

 だが、日本勢としては、中国勢を見くびり続けていれば、足下をすくわれる可能性もある。中国はARJ21の開発に手間取る間に、160席程度の大型旅客機「C919」の開発にも着手。昨年11月の航空ショーでは実物大のモックアップを展示し、ARJ21とともに注目を浴びた。すでに400機以上受注しているとされ、ARJ21以上に中国側は期待をしている。ただ、このC919も、開発スケジュールが延期され、初飛行は今年または来年とみられている。

 さらに中国勢にとって追い風なのは、拡大する航空機市場の多くが、中国国内にあるという点だ。米ボーイングによれば33年までに、またエアバスによれば今後10年以内に、それぞれ中国が米国に代わって世界最大の航空機市場になるとの予測を昨秋に発表した。ボーイングによれば、今後20年間で中国の航空会社は約6000機、金額にして約8700億ドル(約103兆円)に達する見通しという。
 英フィナンシャル・タイムズ紙に航空業界幹部が語ったところによると「中国はすべてをボーイングやエアバスから買うのではなく、一部は国内企業から買いたいと思っている」と指摘。同紙は、中国の航空機関連メーカーが、欧米メーカーとの合弁を通じて技術力を上げてきており、別の業界幹部の話として「10~20年後にはCOMACの飛行機があちこち飛び回ることになるという感じだろう」という予想を紹介している。

 ARJ21が今年から中国国内で順調に飛行を続ければ、安全性についての評価が高まることも予想される。拡大する中国市場は日本のMRJとしても食い込みたい市場だ。だが、技術力や性能では上回っても、ARJ21やその他の中国国産機がライバルとして立ちはだかる日が、そう遠くない日にやってくる可能性も十分にありそうだ。