いわき市・子年生まれの”オヤジ”

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朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?

2014年08月26日 09時43分22秒 | 国際・政治

 調査機関「韓国ギャラップ」によると、7月最終週の朴槿恵大統領の支持率は前週に続いての40%となった。わずか3カ月半前には6割前後で推移していただけに、大統領の権威はいまや見る影もないことを物語る結果となった。こうなると吹き出してくるのが大統領など権力中枢に対する真偽不明のウワサだ。こうした中、旅客船沈没事故発生当日の4月16日、朴大統領が日中、7時間にわたって所在不明となっていたとする「ファクト」が飛び出し、政権の混迷ぶりが際立つ事態となっている。(ソウル 加藤達也)

 7月7日の国会運営委員会に、大統領側近である金淇春青瓦台(大統領府)秘書室長の姿があった。まず、質問者である左派系野党、新政治民主連合の朴映宣院内代表と金室長との問答を紹介する。

 朴代表「キム室長。セウォル号の事故当日、朴大統領に書面報告を10時にしたという答弁がありましたね」

 金室長「はい」

 朴代表「その際、大統領はどこにいましたか」

 金室長「私は、はっきりと分かりませんが、国家安保室で報告をしたと聞いています」

 朴代表「大統領がどこにいたら書面報告(をすることになるの)ですか」

 金室長「大統領に書面報告をするケースは多いです」

 朴代表「『多いです』…? 状態が緊迫していることを青瓦台が認識できていなかったのですか」

 金室長「違います」

 朴代表「ではなぜ、書面報告なんですか」

 金室長「正確な状況が…。そうしたと…」

 《朴大統領は側近や閣僚らの多くとの意思疎通ができない“不通(プルトン)大統領”だと批判されている。大統領への報告はメールやファクスによる「書面報告」がほとんどだとされ、この日の質疑でも野党側は書面報告について、他人の意をくみ取れない朴大統領の不通政治の本質だとして問題視。その後、質問は4月16日当時の大統領の所在に及んだ》

 朴代表「大統領は執務室にいましたか」

 金室長「位置に関しては、私は分かりません」

 朴代表「秘書室長が知らなければ、誰が知っているのですか」

 金室長「秘書室長が大統領の動きをひとつひとつ知っているわけではありません」

 朴代表「(当日、日中の)大統領のスケジュールはなかったと聞いていますが。執務室にいなかったということですか」

 金室長「違います」

 朴代表「では、なぜ分からないのですか」

 金室長「執務室が遠いので、書面での報告をよく行います」

 朴代表「答えが明確ではありませんよね。納得し難いです。なぜなら大統領の書面報告が色々問題となっています」

 《朴代表はここで、国会との連絡調整を担当する趙允旋政務首席秘書官(前女性家族相)に答弁を求めた》

 朴代表「趙政務首席秘書官、マイクの前に来てください。女性家族部相のときも、主に書面報告だったと聞いています。直接対面して大統領に報告したことがありますか」

 趙秘書官「はい、あります」

 朴代表「いつですか」

 趙秘書官「対面報告する必要があるときに」

 朴代表「何のときですか」

 趙秘書官「案件を記憶していません」

 朴代表「では、調べて後で書面で提出してください」

 一連の問答は朴大統領の不通ぶり、青瓦台内での風通しの悪さを示すエピソードともいえるが、それにしても政府が国会で大惨事当日の大統領の所在や行動を尋ねられて答えられないとは…。韓国の権力中枢とはかくも不透明なのか。

 こうしたことに対する不満は、あるウワサの拡散へとつながっていった。代表例は韓国最大部数の日刊紙、朝鮮日報の記者コラムである。それは「大統領をめぐるウワサ」と題され、7月18日に掲載された。

 コラムは、7月7日の青瓦台秘書室の国会運営委員会での業務報告で、セウォル号の事故の当日、朴大統領が午前10時ごろに書面報告を受けたのを最後に、中央災害対策本部を訪問するまで7時間、会った者がいないことがわかった」と指摘。さらに大統領をめぐる、ある疑惑を提示した。コラムはこう続く。

 「金室長が『私は分からない』といったのは大統領を守るためだっただろう。しかし、これは、隠すべき大統領のスケジュールがあったものと解釈されている。世間では『大統領は当日、あるところで“秘線”とともにいた』というウワサが作られた」。

 「秘線」とはわかりにくい表現だ。韓国語の辞書にも見つけにくい言葉だが、おそらくは「秘密に接触する人物」を示す。コラムを書いた記者は明らかに、具体的な人物を念頭に置いていることがうかがえる。コラムの続きはこうなっている。

 「大統領をめぐるウワサは少し前、証券街の情報誌やタブロイド版の週刊誌に登場した」

 そのウワサは「良識のある人」は、「口に出すことすら自らの品格を下げることになってしまうと考える」というほど低俗なものだったという。ウワサとはなにか。

 証券街の関係筋によれば、それは朴大統領と男性の関係に関するものだ。相手は、大統領の母体、セヌリ党の元側近で当時は妻帯者だったという。だが、この証券筋は、それ以上具体的なことになると口が重くなる。さらに「ウワサはすでに韓国のインターネットなどからは消え、読むことができない」ともいう。一種の都市伝説化しているのだ。

 コラムでも、ウワサが朴大統領をめぐる男女関係に関することだと、はっきりと書かれてはいない。コラムの記者はただ、「そんな感じで(低俗なものとして)扱われてきたウワサが、私的な席でも単なる雑談ではない“ニュース格”で扱われているのである」と明かしている。おそらく、“大統領とオトコ”の話は、韓国社会のすみの方で、あちらこちらで持ちきりとなっていただろう。

 このコラム、ウワサがなんであるかに言及しないまま終わるのかと思わせたが途中で突然、具体的な氏名を出した“実名報道”に切り替わった。

 「ちょうどよく、ウワサの人物であるチョン・ユンフェ氏の離婚の事実までが確認され、ウワサはさらにドラマティックになった」

 チョン氏が離婚することになった女性は、チェ・テミンという牧師の娘だ。チョン氏自身は、大統領になる前の朴槿恵氏に7年間、秘書室長として使えた人物である。

 コラムによると、チョン氏は離婚にあたり妻に対して自ら、財産分割及び慰謝料を請求しない条件を提示したうえで、結婚している間に見聞きしたことに関しての「秘密保持」を求めたという。

 証券筋が言うところでは、朴大統領の“秘線”はチョン氏を念頭に置いたものとみられている。だが、「朴氏との緊密な関係がウワサになったのは、チョン氏ではなく、その岳父のチェ牧師の方だ」と明かす政界筋もいて、話は単純ではない。

 さらに朝鮮日報のコラムは、こんな謎めいたことも書いている。

 チョン氏が最近応じたメディアのインタビューで、「『政府が公式に私の利権に介入したこと、(朴槿恵大統領の実弟の)朴志晩(パク・チマン)氏を尾行した疑惑、(朴大統領の)秘線活動など、全てを調査しろ』と大声で叫んだ」

 具体的には何のことだか全く分からないのだが、それでも、韓国の権力中枢とその周辺で、なにやら不穏な動きがあることが伝わってくる書きぶりだ。

 ウワサの真偽の追及は現在途上だが、コラムは、朴政権をめぐって「下品な」ウワサが取り沙汰された背景を分析している。

 「世間の人々は真偽のほどはさておき、このような状況を大統領と関連付けて考えている。過去であれば、大統領の支持勢力が烈火のごとく激怒していただろう。支持者以外も『言及する価値すらない』と見向きもしなかった。しかし、現在はそんな理性的な判断が崩れ落ちたようだ。国政運営で高い支持を維持しているのであれば、ウワサが立つこともないだろう。大統領個人への信頼が崩れ、あらゆるウワサが出てきているのである」

 朴政権のレームダック(死に体)化は、着実に進んでいるようだ。


ネット時代では嘲笑もの…「習近平崇拝」宣伝、もう一つの落とし穴

2014年08月21日 14時20分08秒 | 国際・政治

 中国共産党の宣伝部門は今、いわば「習近平(国家主席)崇拝」の国内世論を作り出すためのプロパガンダ工作に力を入れている。

 共産党機関紙人民日報の場合、7月に習主席の写真や名前を朝刊1面に登場させたのは31日間中、実に27日。「習主席広報紙」となっている観がある。8月に入ってからも、雲南地震の関係報道では、人民日報は必ず1面で習主席の指示や講話を紹介し、震災の救助活動が習主席を中心に展開されているような印象を国民に与えようとしている。

 報道の内容においても、人民日報などの宣伝機関はやはり、習主席が毎日国事のために奔走している「ご様子」をクローズアップして、「人民のために尽くしている非凡なる指導者」とのイメージを作り上げようとしている。

 今から数十年前、中国の宣伝機関はまさにこのような手法を用いて国民に「毛沢東崇拝」を植え付けていたが、習政権になってから、それが見事に復活している。

 こうしたプロパガンダ工作の極め付きは、今月4日に中国各メディアが転載した一通のブログ論文である。「老呉」というブログ名を持つネットユーザーが書いたとされるこの論文は、「習主席は人民の厚い信頼を勝ち取った」とのタイトルで、習主席に対する過剰な賛美が全文に満ちているものである。

 論文は「中国夢の提唱」や「反腐敗運動の推進」「大国外交の展開」など9つの領域における習主席の業績を羅列してたたえながら、「強い指導力と卓越な知恵」を持つ「大国指導者」という最大限の賛辞をささげている。

 かつて毛沢東時代を体験した筆者はそれを読んで噴飯するしかなかったが、執筆者の「老呉」はまったくの正体不明である。今の時代、宣伝機関が自らこのような論文を書くと逆に一般国民の反感を買うから、実在もしない一ネットユーザーとしての「老呉」をサクラとして使う必要があったのであろう。実際、どこの馬の骨とも知れないこの「老呉」の論文がネットに出回ると、全国のメディアが一斉転載したことから見て、背後にあるのは共産党の宣伝担当部門であることが明らかだ。

 政権は一体何のために「習近平崇拝」の国内世論作りに躍起になっているのか? それは当然、習主席が権力基盤強化を図るために主導した宣伝工作の一環だと解釈すべきであろう。これといった業績も突出した指導力もなく、無理やり「偉大なる指導者」になろうとする彼は結局、実体の伴わない虚像作りに頼るしかない。つまり、宣伝部門のやっている「習近平崇拝宣伝キャンペーン」の背後にあるのは、むしろ習主席その人の自信の無さである。

 しかしネットが発達して国民が多くの情報に接することができる今の時代、このような古色蒼然(そうぜん)たる「指導者崇拝キャンぺーン」をやってもどれほどの効果があるかは疑問である。実際、上述の「老呉論文」に対し、ネットにはむしろ嘲笑的な反応が数多く上がってきている。

 しかも、今のような「習近平崇拝宣伝」の展開は、習主席自身にとっても政治的危険の伴うものである。「習主席は就任早々素晴らしい業績を上げた」「習主席は卓越な知恵をもつ指導者だ」との宣伝をやればやるほど、それは逆に、前任の胡錦濤主席の指導力と資質をおとしめることとなり、胡氏自身の不興と胡氏の率いる共青団派幹部の反発を買うこととなろう。

 今、共通の敵である江沢民派勢力を政界から一掃するために共青団派が習主席をバックアップしているが、対江沢民派の政治闘争が終了してからは個人独裁志向を強める習主席と、権力の共有を主張する共青団派との熾烈(しれつ)な闘いが始まるであろう。習主席の今後はむしろ多難である。