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いわき市・子年生まれの”オヤジ”

草莽崛起
日本人よ、歴史を取り戻せ!

「悪い自衛隊」が貢献したカンボジアの橋

2015年04月13日 10時32分36秒 | 国際・政治
 日本の偏向メディアや左翼は、大災害で泥だらけになる自衛隊と、日本や国際の平和・安定に向け外国国軍と軍事協力する「わが軍=自衛隊」が別組織だと曲解している。日本の無償資金協力で完成したカンボジア最大規模の《つばさ橋/2215メートル》の渡り初め(6日)で「ニッポンよアリガトウ!」と、テレビカメラに手を振るカンボジアの人々の満面笑みの向こうに“愛される自衛隊”と“非難される自衛隊”の使い分けに翻弄される自衛隊哀史が透けてみえた。偏向メディアや左翼は、わが国の安全保障政策が国際常識に近付こうとする度阻んできた。

 しかし「わが軍」が「海外派兵」されるほど、わが国の評価は高まっている。カンボジア人の笑顔の起点も「わが軍のカンボジア派兵」にまでさかのぼる。自衛隊の「軍功」批判を繰り返すメディアや左翼は、カンボジア人の笑顔を見て自らの誤りを恥じねばならない。“信仰”の対象にまで祭り上げた日本国憲法に逆らう主張に関しても説明しなければならない。前文にはこうある。
PKOへの初陣

 《平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。…いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない…》

 20年以上続いた激烈な内戦で、1990年代初頭のカンボジアは前文にある《専制と隷従、圧迫と偏狭/恐怖と欠乏》の地獄絵図さながら。電気・電話網がなかった。道路や車輌・汽車・船舶、その燃料もなかった。水・食料や衣料・日用品もなかった。平和・安定に向け《国際連合カンボジア暫定統治機構=UNTAC》が活動(92~93年)に乗り出す背景には、放置できぬ凄惨な状況が在った。UNTAC編成にあたり各国国軍の存在は不可欠だった。武装解除・武器管理や停戦・外国軍侵入の監視などを担い得る武装集団としての権能だけを期待されたわけではない。UNTACには、憲法制定議会選挙の公正な執行を監視・管理すべく公務員や警察の育成を目的とした警察官ら、文民も参加していた。安全や衣食住、すべてにわたり自己完結力を発揮できる唯一の組織=軍の支援なしに、文民が、軍閥が争い「ないない尽くし」の劣悪な環境で活動することは絶対不可能だったのだ。
 実際自衛隊も、国連の要請に基づき各国国軍ともにUNTACに参加。道路・橋の修理はじめ、UNTAC要員向けの給水・給油・給食/医療/物資の輸送+保管/宿泊施設提供を担任した。PKO(国連平和維持活動)初陣ながら、丹念な事前調査・分析や誠実な任務遂行で、「不発弾畑」のごときカンボジアの平和・安定にあっぱれ貢献したのである。

現地軍閥以下の軽装備

 実のところ自衛隊は拳銃・小銃限定という現地の軍閥以下の軽装備で放り出された。偏向メディアと左翼系政治家が、大日本帝國陸海軍による「41年の南部仏印進駐以来の派兵」をにおわせ、派遣前の根拠法審議段階より徹底的につるし上げた“成果”だった。そこに、選挙の公正・平和的実施を目指して国連のボランティアに身を投じていた日本人青年が何者かに銃殺される悲劇が起こる。偏向メディアや左翼系野党は好機を逃さず、自衛隊の海外派遣の危険性を嬉嬉として批判し、気勢をあげた。
 憲法前文に反し《自国のことのみに専念》する「反動」勢力の妨害をよそに、UNTACを起点に、カンボジアは紆余曲折を経ながら、ゆっくりではあるが国家の形を整えていく。平和を取り戻したカンボジアは前半の十数年が破壊されたインフラの復旧、後半の十数年はインフラ建設に費やす。橋完成でバンコク-プノンペン-ベトナム最大のホーチミン市を結ぶ900キロが一本の道で連接。東南アジアの物流活性化は確実になった。UNTACは限界・失敗も残したが、UNTACのまいたタネがなければ、橋の完成はもっと後だったろう。

 海外での虐殺に目をつぶり、国際に背を向ける偏向メディアや左翼の独善は自衛隊のカンボジア派遣時代と、根っこにおいて今も変わりない。自衛隊創設以来、前身組織も含めると65年もの間“暴力装置”といちずに信じ?ストーカー行為をライフワークとする暗さは不気味でさえある。アンポ/憲法/“従軍慰安婦”/夫婦別姓/原子力発電…、利用できる要素には何でも食い付き、国益を損なう方向に国民を誘導し続けた。
軍と文民が平和の両輪

 ただし、一般国民は欺され難くなった。例えばイスラム教系暴力集団《イスラム国=ISIL》に邦人2人が斬首されると、安倍晋三政権の中東支援策やテロに屈しぬ毅然とした姿勢が原因だと騒ぎ立てた。果ては、集団的自衛権行使実現への閣議決定との因果関係まで追及したが、メディアが実施した世論調査はおおむね政府の対テロ姿勢を評価した。

 もっとも、ボランティア青年が殺された22年前にも「自衛隊派遣が殺害事件を引き起こした」式の批判に惑わされなかった国民はいた。青年の父君も然り。偏向メディアの誘導尋問に対し、子息の死を「崇高」と受け止め、悲しむべきは子息の死ではなく、殺害による海外ボランティアの減少だと決然と答えた。以後、32年にわたる貿易商社マンとしての生活に終止符を打ち、ボランティアの世界に踏み入る。

 こう記すと「戦争の手先=自衛隊」派遣は×で「ボランティア=平和の使者」派遣は○といった、前時代的反論をする向きがあるが全くの誤認識だ。UNTACが限界・失敗も残した旨前述したが、最たる例が軍事部門の武装解除・停戦監視だった。ところがその後、軍事部門の主任務は選挙に携わる文民要員護衛や投票者/投票用紙/投票所/集計所/政党・候補者の保護などに移る。紛争地において軍と文民が平和維持の両輪でなければ、今後もボランティア青年のような犠牲者が出る。

 安倍首相が強調する「積極的平和主義」への反対が「暴力を認める」ことと同義である国際の悲しい現実を、偏向メディアや左翼はいつになったら気付くのだろう。あるいは、気付いているのに…。

“歴史認識”は余計だ…注目の安倍首相「米議会演説」、中露に強固な関係を誇示せよ

2015年04月12日 18時10分22秒 | 国際・政治
 安倍晋三首相(60)が4月下旬に米国を訪問し、日本の首相として初めて上下両院合同会議で演説する。バラク・オバマ大統領(53)からの招(しょう)聘(へい)は国賓待遇の公式訪問であり、首相の米議会演説としては、下院で行った池田勇人首相以来、54年ぶりである。

中露に日米関係誇示

 池田首相が訪米した1961年は、冷戦下で地下核実験停止の米ソ交渉が失敗し、東西対立の厳しさが増していた。日本国内でも、安倍首相の祖父、岸信介首相が60年日米安保条約の改定を成し遂げたものの、強行採決が災いして退陣に追い込まれた直後であった。

 前政権が岸を「これ以上望めない政治家」と評価していただけに、ケネディ政権は後継の池田首相との関係を良好に保つ必要があった。対ソ戦略のうえから日本が中立化することを恐れ、日本を西側の一員に組み込まねばならないからだ。

 同行した宮沢喜一氏の著書「戦後政治の証言」などによると、ケネディ大統領は池田首相に「秋までにベルリンで大きな危機が起こる」と述べていた。その1カ月後、東西ベルリンの境界を分ける壁が築かれた。緊迫の時代だからこそ、池田首相に米下院で演説の機会が与えられたのである。

 あれから半世紀を経たいま、オバマ政権と米議会は安倍首相に何を期待しているのだろう。池田首相の場合は、岸前首相の築いた新安保条約に従って米軍駐留を確認するだけでよかった。しかし、安倍首相が向かう米国のいまは違う。

 米国の覇権に陰りが出始め、拡張主義を復活させたロシアと、アジアの海洋覇権を目指す中国がそれぞれ戦後秩序に挑戦している。安倍訪米は歴史の転換点で行われるといえる。

 とくに中国は、地域覇権国として国際秩序を塗り替えようとする。南シナ海の岩礁を人工島にかえ、滑走路や港を造成しつつある。昨年は日米から「力による現状変更」の批判を受け、東南アジアが結束をみせたことから軌道修正を迫られた。今はひたすら静かに事を運び、国際社会が騒ぐ前の既成事実化を狙う。

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有で争う日本に対しては、今年が戦後70年の節目であることから歴史戦で対中批判の動きを封じる。不平がくすぶる東南アジアは道路、鉄道建設の資金を融資するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の加盟に誘い込んだ。「中華の磁場」に英仏独まで吸い寄せたのは、ヒョウタンから駒であろう。
 中露という「現状打破勢力」の権威主義国家に対して、日米の「現状維持勢力」ががっちりと手を握る必然性がある。とりわけオバマ政権は、アジア地域のリバランス(再均衡)を具体化するよう求められる。

歴史問題は本質そらす

 共和党主導の米議会は、オバマ政権の甘い外交政策に飽き足らない。軍事外交の有力上院議員が3月に、国務、国防両長官あてに中国の南シナ海と東シナ海での領土拡張に包括的戦略を打ち出すよう書簡を送ったのは当然であった。

 安倍首相訪米の主眼は日米同盟の強化にあり、日本や韓国のメディアからの「議会演説で歴史認識に触れよ」との要求は余計なことなのだ。新米国安全保障センターのフォンテイン会長は米誌で、むしろ「歴史問題はことの本質から目をそらす」と冷静にみている。フォンテイン氏は、安倍首相の議会演説を「アジアの安全保障や日本の指導力についてのビジョンを打ち出す好機」ととらえ、「歴史をつくる機会とすべきである」と結んだ。至言である。

「安倍談話」で「敵国条項」の撤廃を主張せよ

2015年04月11日 10時06分05秒 | 国際・政治
 戦後70年、安倍晋三首相は新たな政府談話(安倍談話)を出す準備をしている。この動きに対して、ロシア、中国が日本を牽制し、同盟国のアメリカまでもが、過去の植民地支配や侵略について謝罪した「村山談話」、「小泉談話」を踏襲するように日本政府に圧力をかけてきている。

 日本はいつまで謝罪や反省を続けなければならいのか。戦後、ロシア、中国、アメリカはたびたび戦争を起こしてきた。一方の日本は、一度も戦争を起こしていない国である。ロシア、中国、アメリカの動きは、いまだに日本を敵国扱いにしているのに等しい態度である。加えて、いまだに国際連合には、日本に対する「敵国条項」が存在する。そもそも現在の国際連合は、第2次世界大戦の戦勝国(連合国)の論理で誕生した組織だ。

 実際、「国際連合」とは日本語の訳語であり、英語では、『the United Nations』と表記されている。本来、正確に訳せば「連合国」というのが正しい日本語訳である。「敵国条項」の撤廃によって、少なくとも国連憲章の上では、日本にとって「戦後」と呼ばれていた時代が終わりを告げることになる。加えて日本は「敗戦国(敵国)」という立場から法的な意味でも脱却することができ、そこで初めて、当時の連合国と対等な立場になれるのである。

 つまり、「安倍談話」は謝罪や反省ではなく、「敵国条項」の撤廃に向けて、日本の主張を盛り込んだ内容にするべきだ。

<敵国条項とは?>

 第2次世界大戦の敗戦国を「敵国」として、他の加盟国とは異なる扱い方をする「敵国条項」とは国連憲章第53条および第107条のことをいう。


(国連憲章 第53条)
1 安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、適当な場合には、前記(第52条)の地域的取極又は地域的機関を利用する。但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、地域的取極に基づいて地域的機関によってとられてはならない。もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、第107条に従って規定されるもの、又はこの敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、関係政府の要請に基づいてこの機構がこの敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。

2 本条1で用いる敵国という語は、第2次世界大戦中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。

(国連憲章 第107条)
 この憲章のいかなる規定も、第2次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動で、その行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。

 要するに、第2次世界大戦の敗戦国を「新たな戦争」を起こしかねない危険な存在だと見なして、相変わらず潜在的な「敵国」として扱っているのである。そして、「旧敵国に対する強制措置は、実際上、国際連合のコントロールの外にあり、勝手に行って結構である。相手が旧敵国であれば、加盟国は戦争を仕掛けても差し支えない」ということである。今のところ国連憲章からの「敵国条項」の削除・改正案が国連総会を通過する気配はない。(国連総会は1995年、削除のための憲章改正を勧告したが、その後動きはない。敵国条項は実際、日本、ドイツ、イタリアの他にルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、フィンランドを含む7カ国が対象国となっている)。

 加えて、日本だけでなくドイツとイタリアを含めた当時の枢軸国が二度と軍事大国にならぬよう戦勝国によって徹底的な締め付けが行われた。例えば核不拡散条約(NPT)にしても、その発想の原点は、日独伊の3カ国に核兵器を持たせるわけにはいかないというところにある。国際原子力機関(IAEA)も、イタリアに関してはそれほどの力がないと判断しているのだろうが、日本とドイツに対してはもっとも厳しい査察を行っている。どちらも最近は北朝鮮、イラク、第3世界等がらみで注目されているが、そもそもは敗戦国の再軍備を抑える機能を期待して創られたのである。

<国連の枠組みはいまだに5大国体制>

 国際連合が紛れもなく戦勝国のクラブであることは、どんなに国際社会の枠組みが大きく変化しようとも、安全保障理事会においてアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5大国が拒否権を持っていることだけ見ても明らかである。

 日本は連合国とは平和条約を締結して法的に戦争を終結し、「平和愛好国」と認められて国際連合に昭和31(1956)年12月18日に加盟(加盟順、80番目)をしたにもかかわらず、敵国条項が存在し安全保障理事会で5大国が拒否権を持っている以上、日本の発言力は抑えられている。いずれにしても、いまだに国際連合は基本的には半世紀前の戦勝国(安保理常任理事国の思惑)によって牛耳られているのである。

すべては習主席のさじ加減…危険すぎるAIIB 欧州各国は本性に気付け

2015年04月11日 09時39分08秒 | 国際・政治
【痛快!テキサス親父】

 ハ~イ! みなさん。最近、中国主導で設立準備が進められている、アジアインフラ投資銀行(AIIB)が注目を集めているな。米国と日本は慎重姿勢だが、50カ国以上が参加を表明している。「バスに乗り遅れるな」という意見も聞くが、大丈夫なのか?

 AIIBは、アジア太平洋地域のインフラ整備を支援する国際金融機関で、中国の習近平国家主席が2013年に創設を提唱したものだ。米国と日本が主導するアジア開発銀行(ADB、67カ国加盟)と似ているが、調べてみると、似て非なるものというしかない。

 ADBは、アジア太平洋地域の経済成長、貧困削減、社会開発などを目指して1966年に発足した。米国と日本が最大の出資国で、歴代総裁は日本人だが、公平性を担保するために本部をマニラに置いている。融資対象の事業が、環境破壊や人権侵害を招かないかなど、審査は厳格だ。ちなみに、中国はADBの大債務国でもある。
 一方、AIIBは中国が40~50%を出資し、本部は北京に置かれる。融資審査の手続きが不透明で、中国人の総裁が専決していくようだ。その総裁は一党独裁の中国共産党が決めるといい、事実上、最終権限は習主席が持つ。「中国共産党の支配機関」という報道も納得だ。採算性や環境破壊、人権侵害などを度外視した融資が懸念されているぜ。

 中国は現在、不動産バブル崩壊や人件費高騰などで成長力が鈍化している。AIIBで資金調達したうえで、アジア太平洋地域のインフラ整備で需要を創出し、自国の過剰生産能力や余剰労働力を活用する思惑も指摘されている。共産主義者もよく知恵を絞ったよな。

 俺が心配するのは、AIIBによって、安全性に疑問が残る中国版新幹線や、信頼性に懸念がある低価格の中国製原発が輸出されることだ。これは、かなり怖いぜ。

 中国はまた、太平洋や東・南シナ海、インド洋の覇権も狙っている。AIIBの融資で、中国人民解放軍の艦船や航空機が寄港・待機する港湾施設や空港が、建設されることもあり得る。米国や日本を始めとする自由主義陣営には脅威だよな。
 わが国のオバマ大統領も現時点では参加に反対している。ただ、どこまで踏ん張るかは疑わしい。日本でも一部で参加論が高まっているようだが、「反日」中国が主導するAIIBに入っても、莫大な資金を出さされて、不良債権を押しつけられるんじゃないのか。

 チベットやウイグルの悲惨な歴史を知っていても、中国に尻尾を振る国が50カ国以上もあるなんて、理解できない。欧州各国はアジアに比べて負担が少ないので参加が増えているようだが、中国の本性を知るべきだ。ターゲットの国を債務超過にさせて、中国の思い通りに操るための布石という危険性もある。すべて習主席のさじ加減一つだからな。

 親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。両国が中国にだまされないことを祈っている。
 では、また会おう!

アジア経済支配強める中国 その内実は財政危機で一触即発

2015年04月02日 17時05分01秒 | 国際・政治
 先月16日、中国財政省は今年1~2月の全国財政収入の伸び率は「前年同期比で3.2%増であった」と発表した。日本の感覚からすれば、「3.2%増」は別に悪くもないだろうが、中国の場合は事情がまったく違う。

 たとえば2006年から10年までの5年間、中国の財政収入は年平均で21.3%の伸び率を記録しており、11年のそれは25%増という驚異的な数字であった。しかしその3年後の14年、伸び率は8.6%となり、ピークの時の約3分の1に急落した。そして前述の通り、今年1~2月の伸び率はさらに落ちて3.2%増となったから、中国政府にとって実に衝撃的な数字であったに違いない。

 数年前まで、毎年の財政収入は急速に伸びてくれていたから、中国政府は2桁の国防費増加を図り、思う存分の軍備拡大ができた。また、国防費以上の「治安維持費」を捻出することによって国内の反乱を抑え付けて何とか政権を死守してきた。

 その一方、潤沢な財政収入があるからこそ、中国政府はいつも莫大(ばくだい)な財政出動を行って景気にテコ入れし経済成長を維持できた。言ってみれば、共産党政権の安泰と中国政府の政治・外交および経済の各面における統治能力の増強を根底から支えてきたのは、高度成長に伴う急速な財政拡大であった。
 だが「お金はいくらでもある」というハッピーな時代は終わろうとしている。

 もちろん、今後の財政収入が伸び悩みの状況になっていても、今の習近平政権は軍備拡大のテンポを緩めるようなことは絶対しないし、政権を死守するためには「治安維持費」を増やすことがあっても、それを削ることはまずない。それゆえ、中国政府の財政事情がますます悪化していくこととなろう。

 中国にとっての財政問題はもちろんそれだけではない。地方政府の財政も大変厳しい状況下にある。今の財政制度では、全国の税収の大半は中央政府に持っていかれているから、各地方政府は常に慢性的な財政難にある。

 そしてこの20年間、長期にわたる不動産ブームの中で、各地方政府は国有地の使用権を不動産開発業者に高値で譲渡するという錬金術を使って何とか財政収入を確保できた。だから各地方政府の財政収入に占める「土地譲渡金」の割合は平均して4割程度に上っていた。

 しかし昨年から不動産バブルの崩壊が進む中で、「土地譲渡」という地方政府にとってのドル箱が危うくなってきている。先月16日の中国財政省の発表によると、今年1~2月の全国の「土地譲渡収入」は前年同期比で36・2%も激減した。そのままでは、地方政府の財政が危機的な状況に陥るのは必至であろう。

 地方財政が悪くなると、もう一つの深刻な問題が浮上してくる。地方政府の抱える債務問題だ。
 今まで、中国の各地方政府は乱開発のために国有銀行やシャドーバンキング(影の銀行)から莫大な借金をつくった。2013年6月の時点では既に17兆9千億元(約348兆円)に上っていたこの借金は、今はさらに膨らんでいるはずだ。

 しかし、地方政府の財政事情が悪化していくと、彼らは当然、借金を返すことができなくなる。同じ財政難に陥っている中央政府もその肩代わりができるはずはない。そうすると、日本円にして数百兆円規模の地方債務が焦げ付くことになりかねないが、その結果、一部の国有銀行とシャドーバンキングの破綻は避けられない。場合によっては、中国経済の破滅を招く金融危機の発生が現実のものとなるのである。

 習近平政権は今アジアインフラ投資銀行を創設したりしてアジアへの経済支配を強力に進めているが、気がついてみたら、その足元の経済と財政の土台が既に崩れ始めているのである。