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ソンナカンジで。~のろのろと~

本・映画・アニメ好きvv
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狂骨の夢

2006年07月05日 16時19分11秒 |  ∟京極堂シリーズ
■京極夏彦・著(講談社文庫)

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。
神を信じ得ぬ牧師、白丘。夢と現実の縺れに悩む三人の前に怪事件が続発する。
海に漂う金色の髑髏、山中での集団自決。
遊民・伊佐間、文士・関口、刑事・木場らも見守るなか、京極堂は憑物を落とせるのか?
著者会心のシリーズ第三弾。
※この本には、前作「魍魎の匣」の犯人の名前が出てきているので
 そちらを先に読んでからこちらを読んだほうがいいと思います。


読了ですっ!
前から気になっていた伊佐間(いさま)さんが結構でてます。
伊佐間さんのマイペースさとか、惚けっぷり、口癖の「うん」が好きですねぇ~。
遊民万歳☆です(笑)
イメージとしては、ヒゲもじゃ燕青をおっとり&のんびりさせて釣竿担がせた
感じだと勝手に妄想してましたけど、うん。言い得て妙ですな(´∀`)
榎さんに初対面で好き勝手言われてたんだねっ!まぁ…確かに年寄りくさいけど;

今回の事件のキーワードは「夢」です!
朱美の見る夢、降旗(ふるはた)の見る夢…すべてが事件へと繋がっていきます。
でも、あんなふうに繋がっているとは読者の誰が予想できたでしょうか…。
毎回のことながらあっぱれですm(_ _;)m
そして、それに加わる集団自殺と八年前の兵役逃亡事件…。
絡みに絡まった糸が最後には悲しくて切ない事件へと発展して結びつく。

まさか、“あの人”が“その人”の為にしたことが結果、“その人”の罪を増やすだけ
だっただなんて…ほんと報われないですよねぇ~。夢だったらどんなによかったか…。
そんな切ない事件の中、やっぱり榎さんだけは「榎木津礼次郎」のまんまです(笑)
大きな子供が今回もはしゃぎまくりですよっ(///▽///)
ついに「神」宣言も飛び出しましたからね~。あいかわらずでよかった!
そして京極さんは、そんな榎さんを「あれで、榎さんは使えるから…」と
堂々とパシリ扱い…!?…一番最強じゃないですか…。
関口くんもいつも通り「キング・オブ・いじめられっこ」で楽しかったな♪

この話ではいつものレギュラー陣が直接関わって起こった事件というわけでは
なかったので、みんな第三者的な目で見ていた感じ。
今までの3作の中では一番小気味良いラストかもっていう印象です♪
宇田川先生の優しさ…。あんなことがあったにも関わらず家に帰って朱美に掛けた
一番最初の言葉がじ~んときちゃいます(ノ◇≦。) 

魍魎の匣

2006年06月22日 20時13分33秒 |  ∟京極堂シリーズ
■京極夏彦・著(講談社文庫)

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。
箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物―箱を巡る虚妄が
美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らが
みな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?
日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。


――――――ぼへぇ~~(;◎o◎)―――。
…はっ(;゜д゜)!…あ、スイマセン。ちょっと……放心状態でした…。
今回も驚きの連続で…、はい。これは…放心もしますよ;
バラバラと箱のオンパレードで…。
またしても京極氏に言わされました;

「…そうきたかぁ~…(ノ◇≦)」 

1冊目よりも更に分厚くなってましたが、1冊目よりも早く読み終えちゃいました。
今回は、木場さんが!!木場さんが男らしくてカッコよかったんですよっ♪
意外な一面も見れてびっくりというか…。こういう人だったのっ!?って。
それに京極さんも!結構熱くなったり、激怒したりして新鮮な印象を受けましたよ
いつもなんでもわかってて、他の人より先を歩んでる人だし、秘密主義だし…。
関口くん同様、京極さんのそんなところが鼻につくというか気になるというか
好きというか…(笑)

そして、新たな人物もまた加わって、事件の真相に迫っていくんですが
あの事件もこの事件もが繋がっていたりいなかったりで…驚愕の連続でした(;´Д`)
鳥口くん、結構たよりになりますねぇ~Vv

でもまさかなぁ~…あぁ、来るとはなぁ~、オイディプス~…。(?)
予想できたこともありましたけど、それ以上におどろかされることばっかりでした。

今回の榎さんは、比較的おとなしめ…。というか先に「探偵小説」を
読んでしまった為に、それとのギャップが…。
早くはっちゃけてくれないかなぁ~と期待しつつ(ノ´∀`*) …ムフっ

百器徒然袋-風&雨

2006年06月13日 17時58分41秒 |  ∟京極堂シリーズ
■京極夏彦・著 /講談社文庫
 (写真は5/25の記事の使いまわし…すいません;)

「この世でただ一人の正しい探偵だッ。後学のために善く覚えておけッ!」
「そうだ!僕だ。お待ちかねの榎木津礼二郎だこの馬鹿者!馬鹿オロカ!」
「わはははははッ。どうだ。やって来たぞ愚か者どもッ」
「僕は神だ」
「悪は滅びる、僕は栄える。それがこの宇宙の仕組みだろうに」
「お腹ぺこぺこのぺこちゃんだっ!」
「にゃんこ!!」



もうっっ榎木津さんたらっ…最凶です!最高です!!最強です!!!
たまんないっすよ、ほんと…大っっ爆笑でしたっ(≧∇≦)ノ彡…はぁ、はぁ…
榎木津さんの嵐に巻き込まれましたっ(笑)
絶対に家で読んでください…。じゃないと大変なことになります;

頑張ってシリーズ1作目の「姑獲鳥の夏」を読んでよかったと心底思いました。
あの頑張りはこれを読むためだったんだと!!
本編とは雰囲気も全然違って陰鬱なカンジがないし、やたら長い伏線もなし。
中編が3作となってるのですごく読みやすかったです(ノ*´▽`)ノ
厚さはあっても読めちゃう、愉快痛快爽快さ☆

なんてったって今回は『探偵小説』ですから♪榎木津さん祭りです!!
榎木津さんの、榎木津さんによる、榎木津さんのための本であります。
いや、榎木津さんファンのための本…ですね( ´∀`)b
でももちろん、京極堂さんも関口さんも木場さんもちゃんと出てきますよっ。
否応なく嵐に巻き込まれてますから、えぇ・:*:・(*´∀`*)
主人公である凡人代表・本島くんの、普通さも良い味だしてます。
榎木津さんとの温度差や心の内のツッコミが笑る(*≧m≦*)
にしても、榎木津さんのネーミングセンスはすごいなっ!!京極さんもだけど。
2冊めにはついに益田くんが外国人になっちゃったし(笑)
あの名前は、今思い出しても…ぶっ、…お、おかしすぎるっ…。
それに乗っかっちゃう益田くんにも大爆笑Vv

「京極堂シリーズ」を読んだことがなくてもこの本から是非試していただきたい。
読んでみてくれっ!!
傍若無人で、天衣無縫で、倣岸不遜。この世に怖いものなど何もない。
人の名前を覚えない。何を云っているのか大体において善く判らない。
そんな素敵な探偵さんを好きにならずにいられないです(///o///)
天下無敵の榎さんが、悪漢どもを容赦なく完膚なきまでにやっつけます。わっはははは!
ますます榎さんを好きになりましたね~


■百器徒然袋-雨 探偵小説1
「推理はしないんです。彼は」
知人・大河内の奇妙な言葉にひかれて神保町の薔薇十字探偵社を訪れた「僕」。
気がつけば依頼人の自分まで関口、益田、今川、伊佐間同様“名探偵”榎木津礼二郎の“下僕”となっていた…。京極堂をも巻き込んで展開するハチャメチャな妖怪三篇
『鳴釜』『瓶長』『山颪』を収録。


■百器徒然袋-風 探偵小説2
調査も捜査も推理もしない。ただ真相あるのみ!
眉目秀麗、腕力最強、天下無敵の薔薇十字探偵・榎木津礼二郎が関わる事件は、
必ず即解決するという。探偵を陥れようと、「下僕」の益田や本島らに仕掛けられた
巧妙な罠。榎木津は完全粉砕できるのか?
天才の行動力が炸裂する『五徳猫』『雲外鏡』『面霊気』の3編

姑獲鳥(うぶめ)の夏

2006年04月17日 16時15分23秒 |  ∟京極堂シリーズ
■京極夏彦・著 /講談社

「二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うかい?」。
昭和二十七年の夏、三文文士の関口巽は東京は雑司ケ谷にある久遠寺医院の娘に
まつわる奇怪な噂を耳にする。しかも、密室から煙のように消えたというその夫・
牧朗は関口の旧制高校時代の一年先輩だった。
「私を―たすけてください」。
古本屋京極堂にして陰陽師の中禅寺秋彦が刑事の木場、探偵である榎木津を
前にして解き明かす久遠寺家の「血」。呪われた真相は卑劣漢・内藤を恐怖の
どん底へと叩き込み、文士・関口の自我を根底から揺るがす。
そして京極堂はいう。「この世には不思議なことなど何もないのだよ」。



京極夏彦先生のデビュー作です!!大人気京極堂シリーズの第一弾。
…や、やりました…読み切ってやりましたよ…(ノ◇≦。)
621ページ、厚さ約20cm。
――しかも私の苦手とするミステリー&サスペンス系。 
私は読むのがかなり遅いほうですし、ここまで厚い本は手をつけず
最初から断念していたのですけども、今回は挑戦してみました!

あぁ~…なんだろう、この達成感すっきりしてます。
最初は私には難しいウンチク(?)ばかりでどうなることかと思いましたけど
事件が起きはじめたら、どんどんどんどんページをめくってました。

謎が更に謎を呼ぶというか、結果がなかなか見えてこないんですよ(汗)
なんとなく犯人の目星はつくにしても、動悸やら方法やら…さっぱり。
おいおい、どうなるのよこの事件は…と思っているところへ
榎木津さんの登場ですよ!!ここからドバっと色々なことが展開していきます。
榎木津さんのキャラ…イイですよー地味めな語り部主人公の関口くんと
やたら理屈と弁論ばかりで暗いイメージな中禅寺さん。この2人とはまったく対照的で
やたらと華やかな榎木津さん。しかもこのキャラ…どこかの誰かに通じるものが(笑)
あまり人の話を聞いていないというか(一応聞こえてはいます)、我が道を行くというか
いきなりわけわからんことを口走る人(笑)もちろん理由があったんですけどね。
一瞬、バカと天才は紙一重という言葉が脳裏に浮かびました。あ、ほんと一瞬ですけどね。

でも、京極堂(中禅寺)さんもすごい人ですよ…。あなたの頭の中はどうなってんですか?
あんな絡まりまくってほどけない糸のような謎を解いちゃうんですもんねぇ…。
あの真相を読者の誰が予想できますか(;◎_◎)絶対無理ですよ…。
ひとつひとつ明かされていく謎に驚愕と納得の嵐です。
ストーリーの構成はまさに秀逸あっといわされることうけあいです。

しかも読後は映画が気になってしょうがないっ(≧◇≦)
京極堂を堤真一さん、関口くんを永瀬永瀬正敏さん、榎木津さんを阿部寛さん、
木場さんを宮迫博之さんが演じられるんですよ!!
うわぁ…超豪華キャスティングですねぇ。
明日にでも○SUTAYAに探しに行かなきゃ(((o゜▽゜)o)))