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鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

異次元銀河からの使者◇宇宙戦艦ヤマト復活編スピンオフ◇

2020-12-12 00:01:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝

西暦2203年、銀河系中心部で大きな異変が生じた。 異次元から別の銀河が現れ、核恒星系付近で銀河系同士の衝突が起こり、多くの星々が消滅した。 古代進は宇宙戦艦ヤマトの艦長として地球防衛軍の命を受け、この宇宙災害の調査と、その宙域にある友好国「ガルマン・ガミラス帝国」の本星へ赴いていた。 だが、生存者を確認出来ないまま宇宙災害の大爆発に呑み込まれ、やむなく危険を冒して緊急ワープを強行し、この宙域から離脱した。 そんな中、地球から3000光年離れたアンファ恒星系にて、銀河を回遊する水惑星「アクエリアス」が現れ、その第4惑星「ディンギル星」を水没させた。 偶然、ディンギル星の至近距離へワープアウトしたヤマトは、アクエリアスの水に襲われ逃げ惑っているこの星の人々を目撃する。古代達は決死の救助活動を行うが突如ヤマトを大波が襲い、1人の少年を救っただけでヤマトクルーに多大な犠牲者を出す結果となった。 その後、ヤマトはディンギル帝国の艦隊と遭遇し、ハイパー放射ミサイルの攻撃を受けて全乗組員が仮死状態または死亡、戦闘不能に陥るが、墜落した惑星で運よく自動航法システムが起動し、地球へと向かう。 母星を失ったディンギル星人の長「ルガール」は新たな移住先として地球に狙いを定め、アクエリアスを人為的にワープさせることで母星と同じように地球を水没させ、地球人類を絶滅させた後に移住することを画策する。 自動航法にて地球へ帰還したヤマトの情報からアクエリアスの存在を確認した地球防衛政府は、接近してくるアクエリアスによる水没を避けるため人類を地球からの一時避難を開始するが、ディンギル艦隊の攻撃によって避難船団や地球艦隊までもが全滅させられ、地球人類は地球に封じ込められて行った__。帰還したヤマトから奇跡的に生還した古代進は、自分の判断ミスにより多くの乗組員の命を犠牲にした責任を取るため艦長を辞任するが、ヤマトの第一艦橋で聞いた初代艦長「沖田十三」の声に、再びヤマトに乗り組む決意をする。 ヤマト出撃の日、新たなヤマトの艦長が沖田十三であるという驚愕の発表がなされる。沖田はイスカンダルへの航海の途中に死亡とされたが脳死には至っておらず、極秘プロジェクトによって蘇生、今日(こんにち)までリハビリを兼ね療養生活を送っていた。 その沖田は地球を救うためヤマトに戻ってきたのだった。 沖田のもと、ヤマトはアクエリアスのワープ阻止のため抜錨する。冥王星での戦いで敵艦隊を撃破したヤマトは単身アクエリアスへ辿り着くが、ワープシステムらしきものを発見出来ずにいた。だが、そこに現れた「女神クイーン・オブ・アクエリアス」から、アクエリアスのワープの原因、そしてそれを引き起こすディンギル星人の正体が太古に地球から脱出した地球人の末裔であるという事実を知らされる。出現した敵艦隊を退け、敵の拠点「都市衛星ウルク」へと強行着陸したヤマトは敵のワープシステムの破壊を試みるが、奮戦虚しく失敗に終わる。 その戦闘の中で、ディンギル星からただ1人救いあげたディンギルの少年や、古代の親友・島も命を落としてしまう。 アクエリアスを追い、ヤマトは地球へと辿り着くが、もはやアクエリアスの地球への接近を阻止することは不可能だった。 誰もが最悪の事態を覚悟する中、沖田と古代はヤマトを自爆させ、アクエリアスから地球へ伸びる水柱を断ち切るという計画を考える。 反対する乗組員たちを古代は諌め、誰もが悲しみに暮れる中、ヤマトの自沈計画のため、アクエリアスの海上にディンギル星人が建造したトリチウム採取プラントに降り立ち、準備を進めていく__

地球へ到着したヤマトは合流した駆逐艦「冬月」へ乗組員を移乗させ、単艦自沈のために発進する。 だが、その第一艦橋には沖田の姿があった。 自動制御で行われるはずの計画は偽りであり、実は万が一の失敗を防ぐため、自爆は沖田自身による手動操作で行われるものだった。 ヤマト乗組員たちが困惑して騒ぐ中、古代と雪、そして真田と佐渡はヤマトと沖田に向かって敬礼し、他の乗組員たちもそれに従い敬礼で沖田とヤマトを見送った・・・

地球とアクエリアスの中間点に辿りついたヤマトは、アクエリアスから伸びる水柱を自爆により断ち切ることに成功。 その後、行き場を失いアクエリアスと地球の間に広がった水=宇宙の海からヤマトの艦首が起き上がり、そのまま静かに宇宙の海へと沈んでいった__。

ヤマトが自沈してはや九年が過ぎた。 元ヤマトのクルー古代は非番の度に、ここ中央都市の郊外"英雄の丘"に足を運んでいた__。

この日、非番だった古代は英雄の丘を訪れていた。

「……島、加藤、山本。また、来ちまったよ。」 「今日は報告があってな。」 「俺、防衛軍を辞めよと思ってる。」

染々と古代は今の心境を語りはじめた。陽が傾き古代の影も、それに合わせ傾いてゆく。古代の目の前にセピア色に浮かぶ嘗(かつ)てのクルーたち。 その中の島が、話し始め掛けて来た。

「何で軍を辞めたいんだ?」 「古代、お前は俺とは違い、パイロットとしても優秀で、艦長職も経験して上に立つ素質も、十分に備えているじゃないか。」 「それに雪くんも射止めたじゃないか。」「羨ましい限りだぜ。」 「雪くんは元々、俺が先に目をつけたんたぜ。」

「それは云うなよ。」と古代は、照れ笑いを覗かせた。

「雪の事は今は置いておいて、俺は……」「俺は、この先、また異星文明を持つ星間国家に攻め込まれ、仮に俺が指揮を取る事に成った時、また多くのクルーの犠牲者を出すかも知れないと、以前のように一歩、前へ足を踏み出せないないんだ。二の足を踏むと云うか……そう云う事なんだ。」

「そうか。だけどな。古代。」 「今の俺にはお前にアドバイスを出来るのは、この先の地球を地球人類を守って行く、次世代の"宇宙戦士"を育てる。これくらいしかアドバイス出来ない。」 「俺だけじゃない。加藤や山本、空間騎兵隊の斉藤らだって、俺と同じアドバイスしか出来ない。」 「お前には実の兄貴のような存在の人が居るじゃないか。」 「それと雪くんをあまり悲しませるなよ。」と島が言い残した時だった遠く離れた所から聞き覚えのある声が聞こえた。

「古代。」同時に島たちは古代の目の前から消えた。 真田の声だった。

「古代。久しぶりだな。」

「真田さん。どうしたんです?」

「どうしたも、こうしたもない。」 「古代。お前に朗報を持って来たんだ。」

「朗報?それより、どうして英雄の丘だと?」

「それは雪くんに訪ねてな。」古代は声には出さなかったが、「雪のヤツ、」と呟いていた。

「あはは。そうだったんですか。」 「朗報って何ですか?」

「古代。エースパイロットを育ててみる気は、ないか?」それは突然の誘いだった。

つづく。



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