鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち外伝◇追憶の戦士◇第六話

2020-09-18 15:00:26 | 宇宙戦艦ヤマト外伝

独り、編隊から突出する坂本を後退させる為、山本は愛機を加速させた。

[おっ!?副隊長も編隊から抜け出して来たか。]
[敵地に一番乗りは、いくら憧れの先輩でも譲りませんよ。]

山本の加速は反って、負けず嫌いの性格を持つ坂本に火を着けてしまったようだ。 
負けず嫌いな性格は、悪い事ではないが、坂本は場合、[俺が俺が]とチーム行動には欠点と成る事がある。
更に今回は冷静さを欠いている坂本。
普段なら、有ってはならない初歩的なミスである無線機のチェックを怠った事によるものなのだが、坂本は無線はONにしてあると思い込みも手伝って最悪な状態である。
実戦さながらの飛行訓練、シミュレーション機による訓練も"2位"の坂本にしてみれば、この実戦で"良い所を"見せ付けたい。なのだろう。
山本はブースターを起動、突出する坂本機に並び掛ける。

[坂本!無線を入れろ!]
山本はヘルメット越しに右手人差し指を耳の辺りに[ツンツン]と当てて見せた。
横目で[チラリ。]と覗き込む坂本は、その仕草で漸く事の重大さに気がつくのだが……


      宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち外伝
                     ◇追憶の戦士◇
                          第六話



[あ、あんところから対空砲が!!]
山本に気を取られ過ぎた坂本。

[殺らせないッ!!]
坂本機に寄せて来る山本。

[やっ!ヤベェ!先輩にぶつかる!]
反射的に操縦悍を左に切り、山本機との接触を回避さた。

[や、山本先輩……。]
左にロールしながら首を右に左にとクルクル回し、山本機を探した。
坂本の視界には捉える事が出来なかった。

[はっ!?無線!]
坂本は漸く無線機をONにした。

[副隊長!]

[やっと無線ONにしたか。]

[ぶ、無事だったんスね!]

[坂本!後ろだ!!]との無線に頭を抱える坂本の視界に飛び込んで来る蛇のようにクネクネと伸び、後ろに回り込んで来る対空砲。

[戦闘中に何度も気を抜くな!]
[私ならお前の下だ!]

目を開く坂本は後方で爆散する対空砲を確認し、そのまま下を覗き込んだ。
黄色と黒に塗り分けられた垂直尾翼が視界飛び込んだ。

[先輩……。]

[ホッ。]とする坂本。




[上方から戦闘艦群!!] 
[中央に旗艦と思われる巨大戦艦!!]
慌ただしく森が告げた。
同時にアベルト率いるガミラス艦隊が加速した。

【アベルト・デスラー座乗艦:改・戦闘空母デスラーガミラシア】

[タラン参謀!我、ガミラシアはデスラー砲艦射出せよ!]


[ガミラス艦隊、正体不明艦隊に向かい加速!]
[逆V字隊形で加速中!]

[うむ。]
[島。ガミラス艦隊最後尾下方に着けろ。]

[下!?]

[そうだ。下だ。]
[正体不明艦隊を下から叩く。]
[今までの経験、そしてガトランティス戦役時の山南艦隊の実戦データから、下方からの攻撃は有効性が高い。]
[正面や上からの敵には警戒するが、下方からの攻撃には正面に気を取られ過ぎ、手薄に成りがちだ。]

[言われてみれば確かに。]

[ガミラス艦隊最後尾に到達後、毎秒、3宇宙ノットづつ加速を。]

[了解。]




 

南部。戦術長席へ。]
[北野。砲雷長席へ。]
[南部。戦術を伝える。ガミラス艦隊最後尾に到達までに把握せよ。]
[第一波攻撃までは、その内容を実施、以後、戦術を委ねる。]

[了解。]


◆◆◆◆



航宙戦闘母艦改良型デスラー・ガミラシア

※全長:450m
※全幅:67m

兵装
※460mm三連装陽電子衝撃砲×4基
※133mm三連装陽電子カノン×4基
六連装ミサイル発射菅×2基
※単装対空速射砲×20基
※物質転送波システム×2基

搭載
※フルオート・デスラー砲艦×1艦
※改・ドルシーラ急降下爆撃機×16機
※改・ツヴァルケ・ブースター12機

【フルオートデスラー砲艦】

※全長:200m

兵装
※艦首200cmガミラス式波動砲=デスラー砲×1門

他、不明
※印はわたし設定


第七話へ
つづく。


この物語りは(オリジナル)でありますが、今年の冬公開予定、劇場版[宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち]の二次創作です。
使用している挿し絵的画像はイメージです。