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鹿嶋少将の航海日誌second

宇宙戦艦ヤマト新作情報・二次創作他、気になったものなどをお届け(^-^)

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇新太陽系誕生◇前編④

2021-01-15 14:00:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝

「デスラー。私は悲しいのです。
「愛の手を差しのべたヤマト、地球に裏切られ、愛する我、娘まで奪われ悲しいのです。」
「このホログラムコピーから造り出した偽りのサーシャ。」
「あなたとわたくしの娘(こ)サーシャはヤマトに奪われたままです。」
「沈めてしまってはサーシャもまた、失ってしまう……。」
そう語る操りのスターシャは涙を流し、デスラーを見つめた。
紅く怪しげな光を放し、見つめた。
怒りに握り拳を震わせるデスラー。

「解ったよ。スターシャ。」
震えるほどの怒りを堪えデスラーは、そっとスターシャの肩を寄せ、抱きしめた。

「大佐。全艦隊に通達!」
「ヤマトは沈めるな!拿捕に切り替える!」
「我、愛娘サーシャを取り返す!」

「…了解であります。」
フラーケンは眉を潜めながらも承諾した。

「全艦隊に発令!」
「作戦変更により、これより宇宙戦艦ヤマトは拿捕する!」
「沈めてはならん!」

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
◇新太陽系誕生◇

前編④

竜座銀河入口付近に到達したヤマトは、先のデスラー戦でかなり無茶な戦法を取らざる得なかった。
その無茶が僅かだがヤマトを傷付けていた。
機関に損傷が認められたのだ。
古代は折原に地球型の大気が存在し、ヤマトを隠せる惑星を検索させた。




「折原より艦長へ。」
「ここから320キロ先=進路123ー69宙域に地球型の惑星を確認。」
「ただ、この距離でのデータですので、降りる前に微生物や酸素濃度等の調査が必要です。」

「うむ。」
「解った。引き続き、その惑星の調査を頼む。」

「了解。」

「艦長。」
折原の意見を聞いていた柴田が手を上げた。

「何だね?」

「320キロの距離なら偵察機を飛ばしてもすぐの距離です。」
「私を調査に向かわせて下さい。」

「君を!?」

「はい。私、こう見えてパイロットの訓練を受けていたんです。」

「そうだったのか。」
「経歴書をじっくりと読んでいなくてすまんな。」
「だが、強襲を受けた直後だからな。」

「大丈夫だと思います。」
古代と柴田の会話に割って入った折原。

「ワープアウト後、1時間が経過しましたが、新たな攻撃を受けていません。」
「上手く交わせたと判断出来ます。」
「データバックアップもより正解なデータが得られます。」

「そうだな。」
「よし。柴田、君に先発して惑星の調査を命じる。」

「はい。ありがとうございます。」

「中西。大格納庫に連絡、コスモレコーダーを出すと。」

「了解。」 

ヤマト大格納庫に指示が飛び、新型偵察機コスモレコーダーの発艦準備に入った。
※【コスモレコーダー】
コスモパルサーの改良型で両翼上部に小型化したドームレーダー=レドームを備え、機首に備わる固定武装6門の機関砲以外を武装解除した機体。
レドーム内は、風、雨、雪、砂、氷、太陽光線などの自然環境の調査、観測に特化したレーダー、センサーが備わる。



航空機では上段のように巨大な"パラボラアンテナ"タイプが支流だが、ヤマトでは(真田)下段のような船舶タイプをチョイスした。
それは、二機備える事で一機が仮に故障しても、もう一機でカバー出来るというメリットからだ。

「おお。やっと俺の出番だな!」とはしゃぐ小林。
だが、パイロットは既に柴田が務める事を知らされ、肩をガックリと落とした。

こうして飛ぶ願いを叶えた柴田は浮かれ、義手でも此れくらいはと、つい悪い癖でアクロバット飛行をやってしまった。
艦橋を霞め、頼みもしない曲芸を披露した。

「……なっ何だ!?」
しかめる表情を浮かべる古代。
古代は自らインカムを取り、命じた。

「柴田、即刻、任務を中断し、帰投せよ。」
「艦載機はオモチャじゃない!」
「即刻、帰投せよ!」

「申し訳ございません!」と柴田は無線を入れるとオフにし、惑星目指して飛び抜けて行った。

「……。」
「柴田の奴。」
古代はそう思いながらもヤマトをゆっくりと惑星目掛け前進させた。

「各センサー、レーダーを厳とし、進路123ー69へ。」
「第三戦速。」

「第三戦速。ヨーソロ。」



「帰ったら懲罰かもなぁ。」と頭に浮かべる柴田だが、"やらかして"しまった以上、結果をいち早く報告するのが、最良とラダー(操縦悍)を押し倒し、加速させた。
キャノピー超しに見る限り、地球だと言っても過言ではないくらい瓜二つだった。

「まるで地球じゃないか!?」

南半球と北半球が入れ違いに見えるだけで、そっくりだった。



「観た限りでは地球そっくりだ。」
「大気はみためだと薄めかな。」
「ドームレーダー作動。各種センサー、レーダー異常なし。」
「観測、調査を開始します。」
柴田はボイスレコーダーに録音も同時に開始した。


中編①へ
つづく。


この物語りは【宇宙戦艦ヤマト復活編】の外伝です。(二次創作です。)
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。
挿し絵的画像はイメージです。

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇新太陽系誕生◇前編③

2021-01-14 20:40:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
四方向から迫り来るデスラー砲を交わす為、緊急上昇したヤマトは、先に発射したシールド光弾目掛け、ショックカノンを三連射した。

「桜井!コースターン!」
「艦首、左45度回頭、取り舵90度ターン!」

「上条!ショックカノン三連射発射ッ!!」
「目標!空間に展開するシールドエリア!」 

「了解!」

主砲9門から発射された青白いエネルギー光弾は、それぞれが螺旋を描(えが)き、突き進み更に、そのエネルギー光弾は3つの束に纏まった。
纏まった3つのエネルギー光弾は更に捻れながら1つのエネルギー光弾と成り、突き進む。
9門分の1つに纏まったエネルギー光弾はシールド光弾に弾かれ屈折、最右舷側から迫るデスラー砲光弾に直撃、三連射されたショックカノンにより、消滅させた。
だが、波動エネルギーを極限までに圧縮膨張させたエネルギー光弾=波動砲の衝撃波は、エネルギー体が消滅しても、その威力はほぼ維持されたままである。
その衝撃波は空間に拡がるデスラー機雷群を凪ぎ払った。

「……これが、これがショックカノンの威力。」
上条は呟くように口を開いた。

「そうだ。これが本来のショックカノン姿で威力だ。」
「元々、ヤマトの主砲は1門に付き、波動砲の1/100のエネルギーが注入、流用されている。」
「だが、イスカンダル航海時にはまだ、未知な部分が多かった事もあり、射ち損じを懸念する事から、距離を詰めての戦闘が主流な流れに成った。」 
「それと同時に便宜上、主砲発射をショックカノンと呼ぶように成ったんだ。」
「それより上条、見とれてる暇は無いぞ。」

「桜井!このままゼロワープだ!」

「上条!波動亜空間爆雷投下準備!」
「ワープアウトと同時に発射せよ!」

「了解!」





「ワープアウト!」

「波動亜空間爆雷投下!」

「徳川機関長。緊急ワープのエネルギーチャージは可能か?」

「ハッ。小ワープ一回分なら可能です。」

「よし。」
「緊急ワープ準備!」

「了解!」

「上条!デコイヤマト=バルーンヤマトを放出準備、小ワープのタイミングで放出せよ!」

「了解!」


「……総統!」
「ヤマトが爆雷攻撃に紛れ、当宙域を離脱!」 
「遠ざかります!」
亜空間から潜望レーダーを覗くオペレーターが慌ただしく告げた。

「何ッ!?」
「代われ!」
オペレーターを退かし、覗き込むデスラーは笑った。

「フッハッハッハッハッ!」

「ヤマトめ、やってくれたな。」
「オペレーター。よく見たまえ。」
「あれはデコイだ。この短時間で、ものの数分もしない時間で、あれだけの距離を航行できる宇宙艦は無い。」
「たった一隻の宇宙船(ふね)を除いてな。」
「イスカンダルの宇宙船(ふね)シュヘラザードを除いては、存在しない。」
「エンジンだけを載せ変えても、あの飛び抜けた加速と速度は出ないのだよ。」
「イスカンダリュウム合金で繋ぎ目無く創り上げたシュヘラザードだけだ。」

顔をひきつらせ、下を向くオペレーターの右肩に「ポン。」と手を措くデスラーは新たに命令を下した。


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
◇新太陽系誕生◇

前編③


一方、異次元銀河では・・・


「ハーレークイーンよ。」

【ゴルゴーラのしもべハーレークイーンズ】

「はい。ここに居て御座います。」

「ヤマトはまだ、見つからんのか?」

「申し訳ございません。」
「見つけ出しは致しましたが、沈め損ないまして……。」
「で、ですが行き先は掴んでおります!」
「次は必ず!」
デスラーの記憶から創り出したメタファノイド=スターシャに憑依し、記憶を操作する事でデスラーを傀儡のように操るハーレークイーンらは、精神波による超空間通信にて、会話していた。 

「そうか。」
「まぁ。よい。」
「気が変わった。暫く泳がせろ。」

「見逃すのですか?」

「そうだ。全てを奪い取る事にした。」
「全てをな。」

「お前が操るデスラーとやらを洗脳せよ。」 
「よいな。沈めるなよ。」

「御意。」


ゴルゴーラの指令を実行に移すハーレークイーンズらは、デスラーの心の隙間に忍び込み、再び洗脳をはじめた。

「総統。」

「何かね?スターシャ。」

「ヤマトを拿捕しなさい。」

「拿捕?」
「沈めるのではなく拿捕ですか?」

「そうです。拿捕です。」
メタファノイド=スターシャは優しく語りはじめた__。


前編④へ
つづく。


この物語りは【宇宙戦艦ヤマト復活編】の外伝です。(二次創作です。)
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。
挿し絵的画像はイメージです。

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇新太陽系誕生◇前編②

2021-01-12 11:52:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝

「大佐。ヤマトを追う。」
「次元潜航はじめッ!」



天の川銀河へ帰って来た宇宙戦艦ヤマトを後付け狙う艦(ふね)。
それは、かつてこの天の川銀河にその名を轟かせたガルマン・ガミラス総統デスラー座乗艦デスラーズⅢであった。
17年前の西暦2203年、この年を最後にデスラーをガルマン・ガミラスを見かけた者はいない。
17年もの長い間、デスラーは祖国再建の為に大マゼラン銀河に里帰りしていた。
その後、一度だけ地球圏に姿を見せた事があった。
2215年に一度だけ、姿を見せた。
それも"英雄の丘"に姿を見せた事がある。
※【アクエリアス・アルゴリズム事変】
古代と会う事は叶わなかったが、地球の大地に足を下ろしていたのだ。
それからは一度も訪れる事はなかった。
ボラー連邦残党の動向を監視する為、一部隊のみを太陽系近傍宙域に留まらせ、監視させていた。
そして、監視から五年目にあのカスケード・ブラックホールと遭遇した監視部隊は、地球圏に危機が迫る事を知り、デスラーに報告を入れていた。
その一報を聞き、デスラーは再び地球圏に赴いた。
だが、デスラーが目にしたものは、地球をはじめ太陽系がカスケード・ブラックホールに呑み込まれてゆく光景だった__。



宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
◇新太陽系誕生◇

前編②

「大佐。デスラー機雷、射出よーーい!」
「物質転送波へエリア入力!」

「転送波エリア入力完了!」
「デスラー機雷、射出準備完了!」

「うむ。」
「デスラー機雷、射出、転送波送射せよ!」 

「デスラー機雷、目標エリアに転送完了!」
"ガルマンウルフ"の異名をフラーケン大佐が告げた。
デスラーは左の口角を上げて見せた。
そのデスラーは間髪入れずに次の命令を下した。

イメージ曲【デスラー強襲】

「大佐。亜空間デスラー砲魚雷発射準備!」

「ハッ!」
「空間魚雷、一番から四番発射菅開け!」
「弾頭をデスラー砲弾に切り替え、装填!」
「急げッ!」
命じられた通りに指示を飛ばすフラーケンは、「どうやら総統は本気でヤマトを沈めるつもりのようだな。」と心に浮かべた。
そして、総統の左隣やや後ろに腰を下ろし、戦況を眺める一人の女性に目線を送った。



「すべては、あのお方の為か。」
そこには黄泉の次元から連れ戻したと云われるかつてイスカンダルを治め、地球にヤマトに救いの手を差しのべたスターシャの姿があった。
「あの戦いが我々の分岐点でもあるのだが……」



西暦2201年後半、熾烈を極めた白色彗星帝国との戦いから1か月後、ヤマトと別れたデスラー率いるガミラス帝国残存艦隊が、新天地を探す旅に発つ前に今は無人となった母星ガミラスに最後の別れのために立ち寄ったところ、謎の勢力である暗黒星団帝国が地下物質ガミラシウムを無断で採掘していた。


これに激怒したデスラーが交戦した結果、ガミラス星は大爆発を起こして消滅する。 それにより、連星を構成していたイスカンダル星は引力のバランスを崩して宇宙空間を漂流し始める。 デスラーは愛するスターシャのいるイスカンダルをただちに追跡するが、暗黒星団帝国のデーダー率いる第一艦隊も、イスカンダリウムを目的としてイスカンダルを追っていた。 デスラーはスターシャにイスカンダルからの脱出を呼びかけるが、彼女とその夫である古代守はイスカンダルと運命を共にする覚悟を決めていた。 そして速度が限界に達したイスカンダルは、ワープしてしまう。 その頃、地球では修復されたヤマトに乗艦した新たな乗組員たちが、艦長代理の古代進のもとで試験航海を兼ねた訓練航海に出航し、猛訓練に励んでいた。 デスラーから送られてきた救援を求める通信によりイスカンダルの危機を知ったヤマトは、スターシャと守を救助するためにイスカンダルへ向かう。 デスラー艦隊はイスカンダルを追って銀河系の重力星雲まで到達し、デーダー艦隊の奇襲を受ける。 艦隊をほぼ全滅させられたデスラーは死を覚悟するが、そこに現れたヤマトがデーダー艦隊を撃滅した。 その後、ヤマトとデスラー残存艦隊はイスカンダルの追跡を続け、ついにイスカンダルが停止するが、暗黒星団帝国マゼラン方面軍を束ねるメルダーズが乗る巨大機動要塞の自動惑星ゴルバが現れ、スターシャと守を人質に取ってヤマトに立ち去るよう要求した。 ゴルバの圧倒的な性能の前に、成す術も無かったが、デスラーは乗艦をゴルバの主砲口に突貫させ、自分ごと破壊させるべくヤマトに波動砲を撃つよう指示した。 苦悩の末、古代は波動砲の発射を決断したするが、発射直前にスターシャが降伏を宣言し、戦闘を止めた。


そして、スターシャはイスカンダルから脱出することをヤマトに伝えるが、実際に脱出してきたのは守と、彼とスターシャの間に生まれた娘サーシャの2人だけだった。 ゴルバがイスカンダルに降り立とうとした時、イスカンダルは自爆してゴルバごと消滅した。 スターシャはイスカンダリウムの悪用を認めるわけにはいかず、自分ごと宇宙から消し去ったのである。 狂乱するデスラーと、敬礼をもってスターシャを見送るヤマト乗組員の前に、スターシャの幽体が現れ、スターシャはヤマトとデスラーに感謝して守に謝罪の意を伝え、サーシャの幸せを祈りながら姿を消した。 戦いが終わった後、進とデスラーはそれぞれの乗艦の甲板に立ち、会話を交わす。
デスラーは母星を失った空しさを語りながらも、必ず新天地を見つけると告げて去って行った。
そして、ヤマトは守とサーシャを乗せて地球へ帰還した。



「……ん!?」

「艦長。前方に浮遊物体、多数!」
「かなり広範囲に拡がっています!」
「宇宙塵(デブリ)では無いようです。」
「金属反応を示しています!」
サブレーダーを担当する柴田が慌ただしく告げた。

「うむ。」
「折原。電算室に解析を急がせろ。」

「了解。」

「……艦長!」
「後方の亜空間から突出する物体あり!」
「大型空間魚雷、4つ来ますッ!」

「何ッ!」

「電算室より報告!」
「浮遊する多数の物体は、どうやら空間機雷のようです!」
「金属の表面加工材からしてガミラス、ガルマン・ガミラス製と判明!」

「後方からの空間魚雷から高熱源体、放出!」
「数値からして波動砲クラス!」
「四方向から急接近ッ!!」
目まぐるしいくらいに第一艦橋内に飛び交う報告。
「まさか!」と思う古代は眉間にシワを寄せた。  

「上条!艦尾魚雷発射菅、開け!」
「シールド光弾装填!」
「全門、発射せよ!」
「続いて全主砲発射準備!合図を待て!」

「桜井!ヤマトを急速上昇させろ!」

「了解!」


前編③へ
つづく。


この物語りは【宇宙戦艦ヤマト復活編】の外伝です。(二次創作です。)
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。
挿し絵的画像はイメージです。

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇新太陽系誕生◇前編①

2021-01-10 21:22:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
抜錨準備が整った宇宙戦艦ヤマトは、第十一番惑星へ駒を進めた。
そのヤマトは、既にトランジェット波動砲発射体制を整えていた。

「上条。明日へ希望を繋げる第一歩だ。」
「落ち着いてゆけ。」
古代は波動砲のトリガーを握る上条に声を掛けた。

「波動六炉心システム正常!」

「トランジェット波動カートリッジ、リボルバーへ装填!」


ヤマトは、この別次元の銀河に滞在中、修復を兼ね改修を行った。
波動砲をはじめ波動エネルギーを応用した兵装は、エネルギーを装填したカートリッジを使用出来るように改修、これによって例えば、波動砲発射直後でも、ワープが可能となり、更にはエネルギー伝導菅などの破損があった場合でも砲撃が可能と成った。
但し、弾薬庫を新たに設ける必要となり、以前のように"突撃艇信濃"のような80メートル級の小型艇を格納出来なく成った。
また、青く塗られていた第三艦橋は元の艦体"ダルレッド"に塗り直された。

※波動砲用エネルギーカートリッジ弾イメージ

「トランジェット波動砲発射ーーーッ!!」

初弾、着弾と同時に第十一番惑星の地表面が抉られてゆく。
ニ弾、三弾で核までの穴を開けた。
マントルを刺激、大地には巨大な亀裂が幾つも這い、まるで太陽のコロナのように吹き上がるマグマ。
溶岩流は瞬く間に第十一番惑星の大地を覆って行った。
四弾でその勢いを加速させた。
五弾目で核は膨張、重力崩壊がはじまった。
第六弾目が発射されると同時に、古代はヤマトの舵を握る桜井に命じた。

「連続ワープ準備及び重力アンカー解除準備!!」

「了解!」

重力崩壊に耐えきれなく成った第十一番惑星は、惑星状星雲へと加速させた。
波動エネルギーと急加速する星の寿命の融合によって人工的にスターバーストを起こした第十一番惑星。
その核は白色歪星と姿をかえ、超新星化がはじまった。
同時に凄まじい衝撃波がヤマトを呑み込み、粉微塵に吹き飛ばす勢いで襲い掛かる。

「重力アンカー解除!連続ワーーープッ!!」


宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
◇新太陽系誕生◇

前編①


漆黒の宇宙の片隅にそれは浮遊していた・・・

宇宙塵(デブリ)に紛れ、浮遊していた。


【精神生命体ゴルゴーラ】

「ふっ。」
「動き出したか。」
「元々、偽りの銀河に過ぎん。」
「精神生命体の統一を目指した戦(いくさ)、まだ我等が敗北した訳ではない。」
雪に憑依し、ヤマトと最終決戦に望み、敗北したゴルゴーラは、雪の身体から抜け出し、回復を待っていた。
ヤマトが動き出すのと、ほぼ同じ頃、復活した。
しかし、完全な復活とまでには至り、精神波が集中し、治癒を完了するのを待っていた・・・


一方、この空間=別次元の銀河に残る真田は再びヤマトが、この空間に戻り、元々の次元空間である天の川銀河に太陽系を戻す為の準備に入っていた。

「上手く行ったようだな。」
「頼んだぞ古代。ヤマト。」

「島。すまんが新たに残され再編された軍属から十数名を選出して欲しい。」
「あらゆる科から数名づつ。宜しく頼む。」

「解りました。」 
島は即答で返し、軍属のファイルを見直した。
真田長官は、大まかな枠組みで頼んだが、島は、それぞれ特化したメンバーを集めて欲しいのだと解釈した。

真田は真田で、その先を見据え、新たな防衛軍、防衛体制を構築する事を考えていた。
そして、幾度となく地球の、いや、太陽系や銀河の危機を救った"宇宙戦艦ヤマト"の強さを考察、新防衛艦隊の在り方を見直した。

「機械主導では勝てない。」
「ある程度、ヤマト並の人員が艦を操ってこそ、勝てる艦隊を結成する事が近道ではないのか。」と。
長官職に在りながら真田は筆を取り、何時しか図面を書き下ろしていた。

「何とか形は描けたな。」


【大和型量産タイプ宇宙戦艦】

「やはり艦(ふね)は、いや艦に限らず命に関わるものは、どんなに時代が進み科学や技術が発展したとしても、最後は人間が判断し、行動する。」
「これが長年、地球や銀河を守って来たヤマトの強さ。」

「さて、本職に戻るとするか。」
併設された私室から長官室へと席を移した。




「ワープアウトします。」
「艦内外、異常を認めず。」

「うむ。」

「現在、天の川銀河、銀河中心から24光年の位置を航海中。」
舵を握る桜井が告げた。
古代は指示を飛ばした。

「桜井。これよりヤマトは竜座銀河を目指す。」
「進路を竜座銀河に転進せよ。」

「了解。」

「中西。航空隊管制班に連絡、柴田に第一艦橋へ上がるように伝えてくれ。」

「了解。」

古代の指示により、第一艦橋に上がった柴田は折原のサポートとして、桜井が担当していたサブレーダーの席に就くよう指示を出した。
これで常に桜井はヤマトの舵をパイロットと舵を兼任していた小林は、パイロットとして専任する事と成った。
こうして、宇宙戦艦ヤマトは新たに柴田を第一艦橋クルーに迎え凡そ25万光年彼方に存在する竜座銀河へ向け、舵を切った。


【柴田 暁三等宙尉(管制クルー)】

そのヤマトをヤマトメインレーダー圏外から見つめる者が居た。
口髭に顎髭を蓄え、初老に差し掛かった"いぶし銀"と云う言葉が似合う漢が、見つめていた__。


前編②へ
つづく。


この物語りは【宇宙戦艦ヤマト復活編】の外伝です。(二次創作です。)
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。
挿し絵的画像はイメージです。

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝◇新太陽系誕生◇

2021-01-06 22:12:00 | 宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
「機関始動!」

「補助エンジン始動!」
宇宙戦艦ヤマト第一艦橋内に響き渡る古代艦長の命令、それを復唱、部下に指示を伝える機関長の声。
それに合わせるかのように、各セクションも指示を飛ばし、確認チェックを開始した。

佐々木艦医が見守る中、医療区画のベッドに眠る古代 雪。
少し、やつれてはいたが、メディカルチェックは正常値を示していた。
そのベッドの横には艦内では看護師補助として、進と雪の娘、美雪が見守っていた。

「美雪ちゃん。艦(ふね)が動き出したわ。」
「看護、お願いね。」

「はい。」

美晴は雪の看護を美雪に任せ、大ブリーフィングルームへ移動した。
幹部クルーが集まりはじめた。
徳川、上条、桜井、中西を除き集まり、最後に古代が入室した。

「あれ?上条は?」
そんな中、口を開いたのは美晴だった。

「上条には副長を兼任して貰っている。」
「自分の次に階級が高いのは彼、上条だけだからな。」

「そっか。彼、一等空佐だったね。」

「それで、補充要員は居ないのですか?」美晴は立て続けて問いた。

「その事だが、今、みんなに集まって貰ったのは、新たなクルーの紹介を兼ねて、これからの行動日程等を伝える為だ。」
そう古代は話を切り出した。
防衛政府直轄の部隊から補充要員は回された。
それは地球中央ベースに配属された移民船団の残存護衛部隊から選出された。
長官である真田と護衛船団総括責任者である島(次郎)によって戦術科、施設科、衛生科、航空科からそれぞれ数十名づつ選出、ヤマト配属を命じたのだ。
これだけ大人数の配属が、これからの航海の重要性を伺わせた。
ひととおりの挨拶が済んだところで古代は、これからの行動について説明に入った。

「折原。作戦モニタに投影してくれ。」
古代の指示に折原はヤマト中央電算室に指示を飛ばし、作戦モニタ=(床)に投影させた。



「みんなも知っての通り、我々は現在、別次元の銀河に転移されている。」
「我々は、この別次元の銀河から脱出し、天の川銀河へ戻る。」

「質問。」
古代の説明の途中で小林が割って入った。

「何か?」

「俺たちヤマトはカスケード・ブラックホールの吸引力を利用して、連続ワープを実行、吸引力がフライバイと成って、この別次元の銀河に到達、雪さんを奪還後、カスケード・ブラックホールの核をトランジェット波動砲にて破壊、あの生命体は消滅、ヤマトは勝利しましたが、もう利用出来るブラックホールとかも無い。」
「どうやって脱出するんですか?」

「その事だが、これから説明する。」
それは第十一番惑星の核にトランジェットを撃ち込み"スターバースト"を引き起こし、その衝撃波を利用して、ワープにて脱出するというものだった。

「……スターバースト?」
腕を胸の前で組んだ小林が呟くように云った。

スターバーストとは、銀河どうしの衝突などで星のもととなる星間ガスが短期間に大量に形成され、圧縮される事で一度に大量の星が形成される現象で、銀河中心部の巨大ブラックホールも、このスターバースト現象によって形成されたとされている。

「これの規模は小さいが、第十一番惑星を意図的に波動エネルギーと融合させ、強制的爆発される事で、スターバースト現象を起こし、その衝撃波を利用し、フライバイワープを行う事が可能だ。」

「……なるほど。」
本当は、よく解らないけど、小林は納得したように装った。

宇宙戦艦ヤマト復活編外伝
◇新太陽系誕生◇

~プロローグ編~



「目的地は"竜座銀河"だ。」
「元地球が存在した場所から、およそ25万光年の位置に存在する。」

「竜座銀河ですか?」
今度は美晴が質問した。

「そうだ。竜座銀河だ。」


真田は、こう告げた・・・

古代。私は君たちが来るとは正直、思っていなかった。
事実を知る事が出来れば、古代、お前の事だから、来るかも知れないと思ってもみたが、事実を知るチャンスは無いだろなと。諦めていた。
だが、心の片隅に、もしかしたらという気持ちも存在したのも事実だ。
だから私は、夜空を見上げる度に観察出来た浮遊物体を調べたく成った。
もしかしたら、この別次元の銀河に転移してしまった太陽系を元の銀河に戻す事が可能かも知れないと「ふと、頭に過ったんだ。」
幸い、別次元の銀河に転移されたとはいえ、地球も太陽系の星々も健在で、私たち同様に地球に残った一部の人類も健在、小型宇宙艇も移民船も全てのものが生きていた。
そして、私は漂う浮遊物体を調査した。
やはり私には科学者としての血が騒いだ。
調べた結果、確かにデブリや小型隕石の破片も浮遊していたが、その中に石板らしき物が大量に混じり浮遊していた。
かき集められるだけかき集め、持ち帰り解読を試みた。
「その結果が、これだ。」

「モノポールを征するもの、宇宙を征する。」

「我等、文明を極めたものなり。

「我等の教えを請うと思う者は………。」

そして、その座標の記された石板だ。


「折原。次のデータを映してくれ。」
そこには座標の記された石板が映し出された。

「真田長官の解説も、ヤマトの中央電算室のA.Iの解説も、合致した。」
「我等は竜座銀河を座標宙域を目指す。」
「地球を太陽系を元に戻す為に。」



「他に質問は?」
古代は数秒間、ブリーフィングルーム全体を見渡した。

「はい。」
手を上げたのは新クルーと成った航空科所属の柴田 暁(しばたあきら)だった。

「何だね?」

「何故、太陽系の星、第十一番惑星をスターバーストの足掛かりに選んだのですか?」
「この別次元の銀河にも太陽系以外の星も多数存在しますが。」

「それはヤマトが、この別次元の銀河で航行可能な範囲が太陽系内だけだからだ。」
「そして、第十一番惑星は元々、太陽系には存在しない惑星だった。」
「ガトランティスの巨大な白色彗星が天の川銀河に出現する数ヶ月前に突然、ワープアウトしてきた惑星で、最も最果てに位置している事から、太陽系内の他の星への影響が最小限に抑えられると判断したからだ。」

「他に質問は?」

「無いようなので、ブリーフィングは終了する。」
「全員、所定の部署に着け。解散。」

こうして古代以下ヤマトのクルーは竜座銀河を目指す事と成った。

「桜井。進路を第十一番惑星へ。」

「機関長。エネルギー増幅。」

「上条。トランジェット波動砲発射準備。」

「了解。」


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つづく。



柴田 暁/女性
20歳。階級三等宙尉/航空科:管制班
地球防衛軍:地球脱出移民船護衛部隊所属。
元々はパイロット志望だったが、訓練飛行中、不慮の事故により右手(肘から下)を失い義手と成った事からパイロットを諦めた。※諦めきれていない。


この物語りは【宇宙戦艦ヤマト復活編】の外伝です。(二次創作です。)
登場人物、メカ等は架空です。実在する人物とは関係ありません。
また、私的設定が混ざってます。