安本末子著「にあんちゃん」

2016年03月28日 | Weblog
図書館から借りた本の一冊で、「にあんちゃん」という本を、
今、読んでいます。図書館で何気なく目の前にあったので借りました。
この本のことは、昔、読んだか、映画だったか、記憶があります。



安本末子という小学校3年生の女の子が
書いた日記(昭和28年に)です。父母をなくし4人兄弟姉妹で健気に生きた日記です。
素直な文章と鋭い表現力には驚くばかりです。

これ以上ないほどの貧乏生活の中で、
毎日、毎日、書き続けることだけでも感心させられます。
今の子供たちには、到底、理解できない貧乏です。

我々の多くも、相当な貧乏は体験していますが
これだけの貧乏は滅多にはないでしょう。加えて、親もいない、頼る人もいない
長兄が臨時雇いで炭鉱(佐賀県東松浦郡入野村、大鶴鉱業所)で働いていたものの、
そのうちに首切りにあって失職し、路頭に迷うことになります。

食べるものも米が殆どない麦飯ばかり、それさえも
危うい日もあるのです。時には、おかずなどは殆どなく、
醤油をかけて食べることもしばしばなのです。

幼い少女の文才と貧乏な環境での物語は
東京下町で育った豊田正子の「綴り方教室」と並ぶ傑作でしょう。


因みに「にあんちゃん」というのは
二番目の兄のことを、そう、呼んでいたそうです。このにあんちゃんは
その時、小学6年生で頭のよい、末子にとって自慢の兄だったそうです。

写真の後列、左端が末子さん、後列左から3番目の
千晶さんの誕生会に、思いもかけない招待を受けたのだそうです。




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