第二節 監査の目的と監査人の役割
1.監査の目的~監査人が与える保証の性質~
1.財務諸表の監査の目的
2.適正意見と虚偽の表示との関係
・監査人は、財務諸表を適正と認める意見の表明によって財務諸表の情報としての
信頼性を保証するが、監査意見は、虚偽の表示の皆無を絶対的な水準で保証
するものではない。
1.重要な虚偽の表示 軽微な虚偽の表示を問題とする必要はなく、
またすべての虚偽の表示の発見に要する監査コストは合理的とは考えられない。
2.合理的な保証 経営者による会計上の判断や見積もりがたぶんに含まれる。
部分抽出に基づく試査により、結論を形成。→監査の限界
[参考] 不正・違法行為と財務諸表の監査
第二 一般基準 4
2.二重責任の原則に基づく責任の区別
1.二重責任の原則 二重責任の原則とは、財務諸表の作成に関する責任は経営者にあり、
監査意見に関する責任は監査人にあるという責任分担原則
・責任を明確化
・区別を確立できなければ、監査人は、不当な責任追及を受ける恐れがある
・監査人が、財務諸表の作成責任を負担するならば「自己監査」となり、
「自己の監査は監査にあらず」と、
利害関係者からの信頼を得られなくなる恐れが生じる
2.経営者の役割 ~財務諸表及び内部統制に対する責任~
・経営者は、会計基準に準拠して適正な財務諸表を作成するべき責任を負担している
・内部統制とは、事業経営の有効性と効率性を高め、企業の財務報告の信頼性を確保し、
かつ事業経営にかかる法規の遵守を促すことを目的として企業内部に設けられ、
企業を構成する者のすべてによって運用される仕組み
・内部統制が有効に機能する場合は、財務諸表の重要な虚偽の表示は、内部統制によって
防止、発見・是正される可能性が高まり、財務諸表を作成する基礎とな
る会計データの全般的信頼性が高まる
--------------------------------------------------------------------
[参考] 内部統制の構成要素
1.統制環境 経営者の経営理念や基本的経営方針、取締役会や監査役の有する機能、
社風や慣行などからなる統制環境
2.リスク評価の機能 企業目的に影響を与えるすべての経営リスクを認識し、
その性質を分類し、発生頻度や影響を評価
3.統制活動 権限や職責の付与及び職務の分掌を含む諸種
4.情報・伝達の機能 必要な情報が関係する組織や責任者に、
適宜、適切に伝えられることを確保
5.監視活動 これらの機能の状況が常時監視され、評価され、是正されることを可能とする
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3.監査人の役割~財務諸表監査の機能~
1.批判的機能と指導的機能~経営者の尾作成する財務諸表に対する機能~
・批判的機能 経営者の作成した財務諸表の適正性を一般に公正妥当と認められる
企業会計の基準に照らして批判的に検討することをいう
・指導的機能 経営者に必要な助言・勧告などを行い、適正な財務諸表の作成を指導するこという
→ただし、二重責任の原則からすれば、監査人の指導を受け入れるかは、経営者に委ねられている。
強制はできない。
2.保証機能と情報提供機能~利害関係者に対する監査報告書による機能
・保証機能 財務諸表の適正性に関する意見の表明によって意思決定情報としての
財務諸表の信頼性を保証するこという。
3.情報提供機能 企業の状況に関する利害関係者の判断に資するような補足的情報を提供
・追加的な情報の提供を期待している
[研究] 期待ギャップの解消問題
・期待ギャップとは、監査人が実際に遂行している役割と社会の人々が監査人に期待する
役割との間のギャップをいう財務諸表の信頼性を保証するこという。
1.監査の目的~監査人が与える保証の性質~
1.財務諸表の監査の目的
2.適正意見と虚偽の表示との関係
・監査人は、財務諸表を適正と認める意見の表明によって財務諸表の情報としての
信頼性を保証するが、監査意見は、虚偽の表示の皆無を絶対的な水準で保証
するものではない。
1.重要な虚偽の表示 軽微な虚偽の表示を問題とする必要はなく、
またすべての虚偽の表示の発見に要する監査コストは合理的とは考えられない。
2.合理的な保証 経営者による会計上の判断や見積もりがたぶんに含まれる。
部分抽出に基づく試査により、結論を形成。→監査の限界
[参考] 不正・違法行為と財務諸表の監査
第二 一般基準 4
2.二重責任の原則に基づく責任の区別
1.二重責任の原則 二重責任の原則とは、財務諸表の作成に関する責任は経営者にあり、
監査意見に関する責任は監査人にあるという責任分担原則
・責任を明確化
・区別を確立できなければ、監査人は、不当な責任追及を受ける恐れがある
・監査人が、財務諸表の作成責任を負担するならば「自己監査」となり、
「自己の監査は監査にあらず」と、
利害関係者からの信頼を得られなくなる恐れが生じる
2.経営者の役割 ~財務諸表及び内部統制に対する責任~
・経営者は、会計基準に準拠して適正な財務諸表を作成するべき責任を負担している
・内部統制とは、事業経営の有効性と効率性を高め、企業の財務報告の信頼性を確保し、
かつ事業経営にかかる法規の遵守を促すことを目的として企業内部に設けられ、
企業を構成する者のすべてによって運用される仕組み
・内部統制が有効に機能する場合は、財務諸表の重要な虚偽の表示は、内部統制によって
防止、発見・是正される可能性が高まり、財務諸表を作成する基礎とな
る会計データの全般的信頼性が高まる
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[参考] 内部統制の構成要素
1.統制環境 経営者の経営理念や基本的経営方針、取締役会や監査役の有する機能、
社風や慣行などからなる統制環境
2.リスク評価の機能 企業目的に影響を与えるすべての経営リスクを認識し、
その性質を分類し、発生頻度や影響を評価
3.統制活動 権限や職責の付与及び職務の分掌を含む諸種
4.情報・伝達の機能 必要な情報が関係する組織や責任者に、
適宜、適切に伝えられることを確保
5.監視活動 これらの機能の状況が常時監視され、評価され、是正されることを可能とする
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3.監査人の役割~財務諸表監査の機能~
1.批判的機能と指導的機能~経営者の尾作成する財務諸表に対する機能~
・批判的機能 経営者の作成した財務諸表の適正性を一般に公正妥当と認められる
企業会計の基準に照らして批判的に検討することをいう
・指導的機能 経営者に必要な助言・勧告などを行い、適正な財務諸表の作成を指導するこという
→ただし、二重責任の原則からすれば、監査人の指導を受け入れるかは、経営者に委ねられている。
強制はできない。
2.保証機能と情報提供機能~利害関係者に対する監査報告書による機能
・保証機能 財務諸表の適正性に関する意見の表明によって意思決定情報としての
財務諸表の信頼性を保証するこという。
3.情報提供機能 企業の状況に関する利害関係者の判断に資するような補足的情報を提供
・追加的な情報の提供を期待している
[研究] 期待ギャップの解消問題
・期待ギャップとは、監査人が実際に遂行している役割と社会の人々が監査人に期待する
役割との間のギャップをいう財務諸表の信頼性を保証するこという。