阿雲の呼吸

 
阿部 敏郎 と 雲 黒斎

かわいいオヤジの、怪しい交換日記

Re:前世

2010年07月15日 | 雲 黒斎
>こういうことって一言で言い切れない何かが残ってしまうけれど、黒斎クンはどう思う?


前世について一言で言い切れないのは、そのことを語る上で「どの次元を起点にして話を展開するのか」ということによって、結論に大きな違いが生まれてしまうからですよね。


「自我(今現在持ち得ている「自分」という認識)」をベースとした次元から話をすれば、そこには「僕」や「阿部さん」、またこれをご覧になっている「読者の皆さん」という別々のパーソナリティが存在しています。

その次元を起点として話をすれば、「時間も自己もあるのだから、前世(過去の自己)はある」という話になり、

「自己」や「時間」は幻想・観念でしかなく、本来は「全ては一つの同じものである(そもそも分離した自己などない)」、という認識で話を進めれば「前世うんぬんの以前に、生まれ変わる自己そのものがないし、過去もない」という話になります。



阿部さんがお話しされているものの多くは、後者側の次元をベースとしたメッセージですよね。

「時間」「空間」「分離」という認識を超えた次元のお話。

そこには「時間」も「自己」も存在しないのですから、当然「過去」も「生まれ変わる対象」も存在しません。

だからこそ

>だとしたら、なぜ前世などありえましょう。

という結論になります。


しかし、問題となるのは、そのことが語られているのが、「時間」や「自己」の存在が信じられた次元だからです。

話を「順を追って(時系列のなかで)」説明し、それを「語る側」と「聞き取る側」という分離された状況の中で行わざるを得ない。


話されている「内容」の次元と、その話が行われている「状況」の次元に大きな差があるので、そこに矛盾が生じます。

だからこそ、「一言では言い切れない」となってしまうんですよね。


まずは、この「内容」と「状況」の次元の差を、どのように解釈するかという前提を理解しておかなければ、話はいつまで経っても通じないワケですが…

どうにも話が通じないのは、その「状況」側の次元の認識を保持したまま、「内容」側の次元を理解しようとしてしまうことにありますよね。

でも、これはどんなに頑張っても無理な話。

「内容」の側から「状況」を把握することは出来ても、「状況」の側から「内容」を理解することは出来ません。


だから、結局のところ「前世」を理解するためには「前世はない」という次元に立たなければならないワケで…


う~ん。このパラドックス、もう少しわかりやすく説明できないものかなぁ…。




 

↑ このボタンの存在理由? うん、一言では言い切れないなぁ。

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