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01年 花組 カナリア

2006-11-19 22:55:30 | 舞台感想
はいはい、『ヅカビデオを見まくるの巻2』
2001年花組公演の『カナリア』見てみました!

作・演出:正塚晴彦 
出演:匠ひびき、大鳥れい、春野寿美礼、瀬奈じゅん
   遠野あすか、蘭寿とむ、舞風りら、未沙のえる 

作、演出と出演者はこんな感じ。
この間見た、正塚先生の“演出家と語る”(だっけ?)で、
装置の大橋先生が絶賛していて、
時代が違うので、久世さんが話題についていけてなかった、
『カナリア』です。
またえらいコアな説明になってしまった。

↑を見たちょうど次の日ぐらいに、授業が休講になりまして、
その暇つぶしに「あ、カナリア見ればいいんじゃない?」と、
視聴覚室で見出したのが、キッカケ。
凄いよね、視聴覚室にカナリアあるって。
しかし、空き時間では見きれなかったので、今日祖母の家で見たのですね。
凄いよね、おばあちゃんちにカナリアあるって。

えっとねぇ~大鳥れい可愛いし、演技上手い!
娘役、娘役してなくって好き。
貧乏すぎて性格ひねくれちゃった女の子。
そこからお金があるだけじゃ手に入れられない、
本当の幸せを知るまでの過程。良いです。
金髪もお似合いです。
好きな娘役さんの一人になりました。

匠ひびき・・・チャーリーに関しては、
前に読んだ石井徹也さんのヅカ本を思い出した。
確か、
「目に鋭い狂気が宿る時が彼女にはあって、
それが良い方に向かえばいいんだけど、悪い方に行くとただ怖い。」
みたいな、そんな事を書いていた。と思う。
正塚先生もそこを見抜いて、チャーリーに悪魔の役を任せたんじゃない。
悪魔なら目にちょっとした狂気が宿るくらいが、かわいらしい。

悪魔養成学校の優秀生徒のチャーリー。
悪魔学校を卒業するために、人間界に降りて、
最初に出会った人間を不幸にする。

そんな話。

もちろん最初に出会うのが大鳥れい。
ここで間違っても未沙のえると出会ったりしない。
出会ったら、出会ったで面白いけどな。

人間の男じゃなくって、そもそも悪魔の男なので、
正塚先生お得意のハードボイルドさはちょっと弱め。
なんじゃないかな。(言切る自信がないw)
でも破綻のない話の展開なので、イライラせずに楽しく見れる。

そうそう、初オサアサってやつですか?
(オサアサとか言ってる自分、終わってる。と思うんだけど。笑)
トップがおちゃらけた弟キャラだと、それで作品つくるって難しいけど、
2番手、3番手ならおちゃらけられるんだよね。
あ、でも天海・久世はその逆もありか。
ゆりちゃんがおちゃらけて、久世さんが締める。
ま、それもそれでアリか。

あ、オサアサの話だ。

オサさんの神父が、すっ呆けててまた愛すべきキャラなんだよなぁ。
トップになったらこの役はできまい。
真面目すぎる性格で、不自然じゃない笑いをとれるのがいい。
狙った笑いってしつこかったりするし。

うん、やっぱこういうことできるから、正塚作品好きだぞ、私。
(外部で作品作っても、正塚先生は面白いはず。)

あさこさんはチャーリーの弟分。
「兄貴っ!」とか言ってるのが、またなんか可愛い。
これもトップの位置にいないからこそ出来る役。
なんじゃないかな。(やっぱり自信がない。笑)
チャーリー兄貴を慕っている感じが良く出てました。

ホームレス姿で人間界に降りていた未沙さんが、実は天使で、
悪魔界を追放されたチャーリーを、今度は天使として復活させる。

そこで話は終わり。

心結ばれた大鳥れいちゃんとチャーリーが二人でニコニコ。
なんて場面はないんだけど、
ないからこそ、
『きっと心入れ替えたチャーリーと二人、幸せになるんだろうな。』
と、想像らむハッピーエンド。

宝塚なんだから、ハッピーエンドどんとこい!だぜ。

嫌いじゃないんだ、べたべたなハッピーエンドは。(笑)

フジの名作ドラマ『ロングバケーション』の
「みなみ!」「せなぁ~!」「みなみ~!」「せなっ!」「みなみっ!」
を何度見返した事か・・・ww

瀬名(瀬奈じゃない。笑)「ハイって言わないとチューするよ。」
南(口にチャックをする仕草。)

いいよねぇ・・・。(笑)
あれ?口にチャックする前に、声に出さず涙目で「ハイ。」って言うんだっけ?
うわ、確認しないと。確か言うんだよな、南は。

リンクからウィキペディアに飛ぶんですが、この記述間違ってるな。
フジのチャンネルα枠で再放送されたはずよ、ロンバケは。
たしか、チャンネルαが出来て、一番最初に放送したのがロンバケだもん。
ちなみに私はこの再放送時録画したビデオを後生大事に持ってます。
ロンバケ以来、TV画面に姿を見せなくなった山口智子だけど、
未だに彼女には憧れを抱く。
それっほど葉山南、山口智子は素敵だった。
「三波春夫のみなみでーす。」
は三波春夫が誰だかわからなくても、ちゃんと覚えてる。
南の真似して言えるぜ、この台詞。
10年前、私10歳の時のドラマだけど、
ホント、今でも好き。
不朽の名作。

だから、なんでロンバケの話になった?
あぁ、べたべたなハッピーエンドが好きだって話からだ。
思いもよらぬところで、ドラママニアを発揮。
ドラマ好きは、私の舞台好きの始まりです。

で、カナリヤだけど、
カナリアはまぁなんだ、幸せの象徴って言うか、
フンが薬になるモノというか、
しっかり通して見たわけじゃないから、ちょっと掴み切れてないかな。
ただずっと未沙さんはカナリアを連れてるからね。

また、フツーに面白い作品でした。

私、宝塚には「フツーに面白い作品」はない。
と思ってたんだけど、あるんだよね。

それを最初に教えてくれたのが、正塚先生と久世さんの
『バロンの末裔』なんで、気分が乗った時に、
ちょこちょこ、これからも過去の正塚作品を追ってみようと思ってます。

そうそう、宝塚も作・演出で作風が全く違う。
っていうのも今は当たり前の事として受け止めてるけど、
最初は結構衝撃だったなぁ~
どれだけ偏見で頭ん中塗り固められてたか、ってことだよね。

宝塚見ず嫌いの過去の私みたいな方、
一度、偏見取っ払って見てみても良いかもよ。

って、誰に向かって言ってるんだか。(笑)


カナリアの感想と、ロンバケへの熱意と情熱と熱い想いでした。
もし、万が一、千が一(減ってる!!笑)
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ヅカビデオを見まくるの巻。

2006-11-18 19:35:32 | 舞台感想
95年月組『Beautiful Tomorrow!』

これは月組オンリーTCAか。
うん。そうだな。

もう久世さんバカだなぁ・・・
あんな思い入れたっぷりに、気持ち込めて歌っちゃって・・・
彼女、クールな顔して実は感情的だな。
便乗して思わず泣きかけた。

あぶねぇ。

かましのゆりちゃんの「少しでも元気になりやがれ!!」
と言わんばかりの歌にも、心打たれた。
震災の後の公演だからね。

やっぱりこの時代の月組がすっごく好きらしい私は。

とにかく華・オーラのある天海祐希。
その天海祐希を2番手として支える、宝塚きっての渋さを誇る久世星佳。
ここんところのギャップと、
そしてバランスが自分的にはたまらなく良い。
で、更に下には真琴つばさと姿月あさと・・・
などというかなりの最強布陣。
樹里咲穂と成瀬こうきとかも好きだ。

しみじみ良いでございますねぇ~


96年月組『プレスティージュ』

自分で驚く急成長!
ははは、謝珠栄の振り付けシーンを見切ったぞ!(笑)
ウエストサイドストーリーの場面。
でもこれ最後が、
えぇ!?
だった。お願いだから、オヤジギャグで締めないでくれ。
せっかく、カッコイイ振り付けで、
全体的にも良い場面だったのに(ちょっと衣装変だけど)、
オヤジギャグで終わらせるなんて、正直信じられない。
『あれだけカッコよく踊って、実は待っていたのはピザ屋だった。』
そのオチは、まぁいいんですよ~可愛らしくって。
ですが、それで「ウエストサイドストーリー」・・・
言うなれば、「お腹の具合ストーリー」で締めるなんて。

ドン引きじゃ!!

お腹さすりながら「ウエストサイドストーリー」と
キザって言わなければならなかった、久世星佳が不憫。

(11/26追記 これ「ウエストサイドストーリー」って言ってるんじゃなくって、
「うえすとさいずふとーりー」って言ってました。←指摘されてもう一度見てみた。
・・・最悪だ。久世さん、不憫なんてもんじゃねぇぞ。
だって何千人単位のお客さんの前で、
2ヶ月ぐらいこの台詞を言い続けなきゃいけないなんて、精神的苦痛だろ。
この台詞を言う瞬間、画面から目を背けたくなる。
けど、プレスティージュっていうショー自体は気に入ってます♪
ラテンの場面とか良いわ。マンハッタン不夜城より、全然好きです。)

同時上演された芝居『チェーザ・レボルジア』は
見たことあったので、ショーのみ鑑賞。
なんかちょっと哀愁漂うショーだったな。


『アデュー宝塚 我が心のふるさと』

なんとなく手にとって、なんとなく早送りで見てみた。
うーん、麻実れいが怖い。
オーラがバーンとしすぎで、怖い。
そして、宝塚歌劇団が怖い。
大爆笑しちゃったんですけれども。

小林公平を一路スカーレットと共に歌わせるなんて!!

やることなすこと、軽く想像を超えていくな宝塚歌劇団は。
一路真輝が、もうなんか、可哀想っていうか、
何を思いながら銀橋を渡っていたのか、非常に気になる。
いや~面白かった。


『スカイステージを垣間見る』

今祖母の家にいるのでスカステが見れるんですね。
垣間見たのは真矢みきの『RYOMA~硬派・坂本竜馬!Ⅱ~』と、
『タカラヅカニュース』かな。

・・・みきさんの竜馬カッコイイじゃないか。

垣間見ただけですが、素敵でしたよ。
で、ヅカニュースでね、星組の千秋楽映像をチラっと。
湖月わたるを始めとする、星組を退団する生徒たちの挨拶に、
また涙しかける。

あぶねぇ。

涙もろいな、私。
なんかみんな宝塚大好きなのね~

さ、明日は成人式前撮りだから、さっさとお風呂入って寝ましょう。
肌が、肌が・・・w


最近、シメさん(紫苑ゆう)が気になります。
いやだからどうって訳じゃないですが。
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11/17 エキストラ

2006-11-18 01:11:44 | 舞台感想
2006年11月17日『エキストラ』@紀伊国屋サザンシアター

作・演出=三谷幸喜 
出演者:佐藤B作/佐渡稔/石井愃一/市川勇/伊東四朗
    角野卓造/はしのえみ/中本修 ほか


三谷さんだったら、見に行かなくちゃ!
ってことで、18時ほぼピッタリに新宿行って、
学生券で見てきました!

うん、面白い。楽しい。
でも、ちょっとリアルなバックステージ物ってヤツですか?

エキストラと、スタッフとの関わり合い。
この上手くいかない感じが、すごくリアルでして。
エキストラの気持ちも、スタッフの気持ちもわかるような、わからないような。
で、見ていてちょっと辛い瞬間もあったかな。
『本当にこういう現場があって、映画だったり、ドラマだったりが作られてるんだろうな』
という、リアルさ。

でもそこは三谷幸喜。
ベタな笑いも、上手い笑いも、
そこかしこに散りばめて、楽しませてくれます。
伊東四朗さん、角野卓造さんは流石。
『バットニュース・グッドタイミング』。

ちょっと真面目に悩んで、でも笑って笑って、
それで劇場から出るときに笑顔になれれば、
三谷さんのお芝居はそれでいいんだと思います。

私は三谷さんの芝居を見て、
深く深く考えることを望まない、かな。
スカッ!っとさせて欲しいときに、三谷さんの芝居を見たい。
笑い、笑い、笑い・・・で攻められるよりも、
暗い場面があった方が、笑いも生きるように思うし。

にしても、出演者かなり多いのに、
どの人もキャラが見えてくる。
なんでだろう?
すごいなぁ。
台詞が少なーーい役でも
『この人はこういう人だろうな』
っていう予想がつく。
だから三谷さんの書く芝居って面白いのでしょうか。

現場を垣間見たような気持ちになって胸を締め付けられ、
でも笑って家に帰ってきましたとさ。


またまた簡単な感想ですが、お役に立ちましたらクリックお願いします。

で、ですね、今私、成人式の前撮りをするために
埼玉の祖母の家に来てるんですよ。
この家、宝の山だ・・・
YAH YAH YAHが入っていない『Beautiful Tomorrow』でしょ、
ゆりちゃんの銀橋渡りがカットされてない『ル・ポァゾン』、
『96年TCAスペシャル』これは2部のみ、
あとはね、『久世星佳ディナーショー』2本、
他にもなんか色々。
物色して帰ろう。(笑)

11/16 中村勘太郎 中村七之助 錦秋特別公演

2006-11-16 22:58:41 | 舞台感想
2006年11月16日『中村勘太郎 中村七之助 錦秋特別公演』

出演:中村勘太郎、中村七之助、中村小山三、中村勘之丞、中村山左衛門 ほか

演目
一、江島生島 二、芸談 三、多摩川 四、棒しばり


もうさ~何が嬉しいかって、勘太郎の復活。

あの勘太郎が床を踏み鳴らす、
だんっ!!
って音が好きなの。
それが聞けただけで、嬉しくって、
やっぱり私は勘太郎のファンなんだな、と実感。

『江島生島』
しっとりした踊りだった。
勘太郎の目にちょっとした狂気。
海女として出てきた七之助は人形みたいだった。
七之助の女形はなーんか、妖艶さが漂って素敵だ。

『芸談』
父、勘三郎はやっぱり偉大。
サウナで自分の汗ためて、それで塩を作り、
息子達に食べさせようとしたことがあるらしい。
最近はスカパーがお気に入りで、
ナルニアを見たかったらしいんだけど、
契約してなかったため見れず、勘太郎に向かって
「契約してよ!!」とお願いしたらしい。

好きな女性のタイプは?
なんていう質問があった。(これ去年も聞いたかな?)
勘太郎は可愛らしい子、七之助は綺麗系が好きとのこと。
幕間に友達と
「勘太郎は上野樹里みたいな子が好きで、七之助はきっと伊東美咲が好きだよ!」
と、まぁくだらない話も。
でもきっと的を得てると思うぞw

『多摩川』
お弟子さんたちの演目。
歌舞伎版新体操のリボン。みたいな感じで、見た目華やか。
本当に見た目より力が要りそう。
中村いてうさん、綺麗だったな。

『棒しばり』
今回の錦秋の目玉でしょ。
面白かったよ~
わかりやすい話、わかりやすい踊り、で、楽しい。
兄弟の息ピッタリな踊りも見れたし、満足です。


ごくごく簡単に、さらっと感想でした!
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11/15 ウーマンリブ先生

2006-11-16 00:31:49 | 舞台感想
2006年11月15日『ウーマンリブ先生』@サンシャイン劇場

作・演出:宮藤官九郎
出演:松尾スズキ、池津祥子、伊勢志摩、宍戸美和公、
   猫背椿、皆川猿時、荒川良々、平岩紙、少路勇介、
   星野源、宮沢紗恵子、宮藤官九郎/古田新太

・・・開いた口が塞がらない。

エロ話の数々に、
笑いの数々に、
サンシャイン劇場の2階席の驚異的な狭さに、
上2つの数々からは、
思いもよらないところに結末を落とされた衝撃に。

開いた口が塞がらない。

宮藤官九郎ってこんなにスゴイ人だったのね。
もうさ、正直言いますとね、今までなめてましたわ。
ごめん、なさい。
確実に今を生きてる作家なんだなーっていう、
なんとも言えない衝撃が、後半ひしひしと。

その時代を生きて、それで書いてる。

っていう根本的な部分で清水邦夫と一緒じゃん!!!!
みたいな、そんな驚き。
“一緒”って言い切れる。
彼はそんな作家だと、今日初めて思った。

このバカ話を見て、ここまで言うのは大袈裟かもしれないと自分でも思うけど、
でも“時代”をそのまんま、戯曲にして上演してる。
日本の縮図。みたいに思える部分もあったわけで・・・

でも展開されるのはエロ小説の話であるわけで・・・

だから、開いた口が塞がらない。

エロなのにバカなのに、実は深刻!?マジで!?
っていう。

私、今、風邪気味でさ、
世の中で乾燥に一番弱い部類に入る人間なんだよね。
それなのに終始口開きっぱなし、ってどうしてくれよう。
カラッカラですよ、終演後、口の中が。
風邪菌が蔓延しそうですよ。
どうしてくれる。

風邪悪化したら、
全部ウーマンリブのせいだ。

役者陣、なんちゅー破壊力。

この戯曲を上演するにあたって、
古田新太と松尾スズキをキャスティングできた。
そこの時点で、ほぼ成功すると言って間違いない。
大人計画の女優陣は、
同じ女として心から尊敬するし、心から軽蔑もする。
特に伊勢志摩!!!!
超好き。

笑った場面は多すぎてもうほとんど忘れた。

星野源ちゃんが、ずっと素っ裸で可哀想だったけど、可愛かった。
『蛾だ、蛾にしか見えない。』と思ってたら、
「蛾に見えます。」って言ってくれたから、笑った。

ものすごく重く重く重く深刻にこの話を受け取ってみる。
ゲームとか、漫画とか、架空の世界と現実の世界を一緒にして、
犯罪に走る人。
性の氾濫。そこら辺から生まれる心の闇。
で、また犯罪。
おやごろし。
しおやごろーのパンツ一丁での独白が、
あろうことか、野田さんの『贋作・罪と罰』の三条英と繋がった。

捕まって死ぬことが罪の償いになるのか?
罪を背負って生き続けることがもっとも大きな罰なのではないか?
それに、生きていたい!!!!

こんなこと言ってるのに、パンツ一丁。
マジかよ。マジだよ。
そこがすごい。

ここの古田さんの台詞、軽くも見れるし、深くも見れる。
古田新太の真骨頂だと思う。

古田さんだけじゃなくって、
この芝居自体が軽くもあり、深くもある。
だけど、そこすらどうでも良い感じもする。
軽く受け取っても、深く受け取ってもどっちでも良いし、
そのどちらでもなくても良いし。

ただなんかクドカンが
「俺の思ってることとか、エロ小説の作家と絡めて書いてみました~
 暇とお金あったら見てくださーい。あ、見ていただけましたか、あざーす。」
っていう、そういう軽いノリで上演してるような気がする。
遊眠社の方が、よっぽど重いw

この舞台見た人がクドカンに
「宮藤さんはこのウーマンリブで、社会問題について触れられてますが、
そこがやはり一番のテーマなんですか?」
って質問したら
「えーいやー別に」
って答えそうだし
「クドカンさんってエロいの大好きなんでしょ?」
って質問しても
「えーいやー別にw」
って答えそう。

ただ書きたかったから書いちゃって、
それに時代が反映される。
そういう書き手が現れるのって必然なのね。

私が知ってて、今思いつく名前を挙げると、
清水邦夫→野田秀樹→宮藤官九郎
だわ。
中間が好きだな、私は、やっぱり。
どんどん軽くなるなぁw

あ、秋元康批判と女子大生批判にも笑いました。
スゴイとか、超とかしか言えなくて、ごめんなさいww


あーもうホント笑ったわ~
大人計画の役者さんって反則技使うのが基本なんじゃないw?
これから見に行かれる風邪気味の方、気をつけてください。
では、良かったらクリックお願いします。


11/14 タンゴ・冬の終わりに 4回目

2006-11-15 00:45:51 | 舞台感想
2006年11月14日『タンゴ・冬の終わりに』@シアターコクーン 4回目

[作]清水邦夫
[演出]蜷川幸雄
[出演]堤真一/常盤貴子/秋山菜津子/段田安則/毬谷友子
   高橋洋/月川悠貴/新橋耐子/沢竜二/他

過去3回の感想で、今の時点での感情は言葉にしきった。
ちょっとそんな感じかもしれない。

11月4日初日1回目、11月7日2回目、11月10日3回目
(その日の感想に飛びます。)

ただ今日は、水尾目線で話を捉えてたかも。
堤・秋山の二人のほうが好きだから、
どうしてもぎん目線で話を見ていきたい部分があったんだけど・・・
あぁ水尾も哀しい女だな、と。

水尾目線で見れたせいか、
盛と水尾の関係も濃く見えた。
やっぱり盛と水尾も愛し合っていたんだってことを
タンゴのシーンで強く感じた。

堤さん、特に冒頭の台詞、より一層情感が増したような気がしたな。
初日っから清村盛だったのに、更に自然に清村盛になってきた。
どこまで進化するんだ、彼は。
堤真一のファンで良かったな~とひしひしと思う。
第一つっつんのファンにならなかったら、
私、舞台見に行ってないかもしれないし!
本当にありがとう、なんです、堤さんに対しては。
これからも色んな芝居を見せてください。
地味に末永く応援させて頂きますw

盛が北国シネマに対して
「もう観客は来ない!まさに無用の長物だ!」
と、言い捨てる場面があって、その台詞を聞くたびに、切ない気持ちになるな。
北国シネマは盛の魂の住みか。
それを自ら観客の来ない無用の長物と言い放つ。
自分自身で自分自身の未来を暗示させるような、台詞。

「真実を毛嫌いするからこそ、真実を愛する。」とか
「芝居をしなければ気違いになるからこそ、芝居をする。」とか、
なんかよくわからないけど、ハッとするような言葉がそこかしこにある。

あ、今日の堤さんで可愛らしかったのが、あれだ!
カーテンをいじりながら「でも、とっかかってみるべきだ」とかなんとか、言うところ。
台詞のリズムに合わせて、カーテンを引っ張る姿が可愛らしいw

やっぱり今日も最初と最後の幻の観客のエネルギーに圧倒されたし、
頭の中でカノンとタンゴが鳴り響いてるし・・・

次は千秋楽まで見に行かないつもりなので、
その間に私も想いを溜めて溜めて溜めまくって、
29日に爆発させる方向でいようと思います。
しばし、さらば!


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今日、自転車で家まで帰ってる途中、知らないおばさんに
「お疲れ様でしたぁ!!」
ってホントに元気よく言われて、本気で焦ったわ。
酔ってたのか??

そう、久世姐さんはハワイでバカンスってたんですか。
日記更新されましたね。
アローハーで始まる、久しぶりの日記。なんだよ、それ。(笑)
ま、思いついたら色々書いてください。
地味に楽しみにしてるファンがいますから。ここに。

11/10 タンゴ・冬の終わりに 3回目

2006-11-11 01:49:15 | 舞台感想
2006年11月10日『タンゴ・冬の終わりに』@シアターコクーン 3回目

[作]清水邦夫
[演出]蜷川幸雄
[出演]堤真一/常盤貴子/秋山菜津子/段田安則/毬谷友子
   高橋洋/月川悠貴/新橋耐子/沢竜二/他

11月4日初日1回目、11月7日2回目
(その日の感想に飛びます。)

気が付いた時は嬉しくって、楽しくって、
興奮して、ムカついて、思わず笑っちゃた。
この野郎、蜷川幸雄、って感じ。
・・・ホント大っ嫌い、私、この人。

冒頭の幻の観客。
あれ、自分達も同じ幻の観客だったんだ。
コクーンの客席、丸ごとひっくるめて、
一体私たちをどこに連れて行こうっていうの。

これはおそらく100%、1階席や2階席に座っていたら気が付かない。

後ろって振り向けないでしょ。
だから、うん、中2階も悪くないw

舞台上の幻の観客も、
そしてコクーンの客席に座る幻の観客も、
同じ瞬間、同じ映画を見てる。『イージーライダー』をね。

今まで2階席で2回見たけれど、
“ただ映画を上演しているように見える照明”。
にしてるんだとばっかり思ってた。
でも今日、立ち見で見てみたら、違うのがわかった。

本当に客席に向けて映画を映してる。
2階席の手すりの下の所にバイクが走り去る映像が映ってた。
そして、舞台上にもおそらく全く同じ映像が・・・
わかりづらいけど、スタッフロールが流れてるのは、
客席から見ても気が付くんじゃないかな。

『イージーライダー』は見たことないけれど、パンフの解説を見る限り、
“自由への希望と、それに伴う敗北”的な話っぽい。

この映画を対面している(幻の)観客に同時に見せる。

それが、この芝居の全てだと。
そう思った。

これに気が付いたとき自分自身も
興奮し、叫び、打ちひしがれた舞台上の幻の観客の一人になったような、
そんな錯覚に陥った。
舞台の上じゃなくって、一緒になって映画見ようとしちゃった。
やっぱり、この野郎、蜷川幸雄、だわ。

3回目でも・・・きっと何回見ても、
タンゴの場面とかは鳥肌が立つんだろうな。
でも正直言うと1回目見たときの衝撃に比べると、
感動が薄れてるのは確か。
『あーやっぱり、慣れちゃうんだな・・・』
と、思いつつも話は進む。

盛が連に刺された瞬間、雪と桜が舞い始める。

大好きなシーン。

ここで、今度は自分自身に驚いた。
右頬に不意に落ちた涙が熱い。
どんな感動にも慣れていってしまうことに対して悲観的になっていたのに、
それでも、こんな熱いものが自分の中から出てくるんだ。
そう思ったら、感情のコントロールがつかなくなった。
涙流してる自分に対して、涙が出やがる。
しかも、目にうつるものは、今まで見たことないほど美しい世界。
言葉にならない。

涙の熱を感じたら、今を生きてるんだ、私は。
っていう、ごくごく当たり前だけど、普段全く思わないことを、
強く、強く実感させられた。

常盤貴子の演技には、なんていうか、慣れた。
で、思ったのが、別に常盤ちゃんの演技は悪くないってこと。
ただ、周りが恐ろしいほどに際立って良いから
(チョイ役の信子までが輝ってるからね)、
普通なのが、悪目立ちする。

客観的に見て、存在そのものは水尾に値するだけ綺麗だとは思う。
でも、私がそこに魅力を感じるか?っていうとほとんど感じないんだよなぁ。
『カバチタレ!』とか、「好きなドラマを3つ挙げろ。」って言われたら、
必ずその1つに挙げるほど好きなドラマだったりするんだけど、
やっぱり惹かれるのは深津絵里なのね。
ただ単に顔の好き嫌いなのか。(笑)
オーラの問題かも。ってなんか、江原さん的で嫌だけど、でもオーラだなw
感じる雰囲気の問題。

今日は、洋さんのテンションが若干高かった。
暗い兄、清村盛に対して怒る、怒る。
地団駄踏んだり、今まで見た中で一番激しい怒りの表し方。
こういうちょっとした変化を感じられるのが、楽しい。

洋さんって不思議な俳優さんだと思う。
正直、すごく顔が整っているわけでもなく、スタイルが特別良いわけでもなく、
言ってみればまぁ、すごく普通。
なんだけど、でも誰と並んでもひけを取らない。
天保で、毬谷友子を相手にしても、やっぱり高橋洋は、高橋洋。
今回もそう。シェイクスピアで道化やっても何やってもブレがない。
確実に役を捉えて、確実な演技を見せる。
そんな洋さんの真っ直ぐな上手さが、結構好きです。
蜷川さんの舞台に洋さんが出てないと、ちょっと寂しい。
マンネリになろうが、なんだろうが、蜷川演出に出続ければいいんじゃないw?
でも、他の演出家の下で演技する高橋洋も、いつか見たい。

あ、変化っていえばそうだ、衣装。
冒頭のぎんのセーターの色って、青だったっけかな?
重夫のスカジャンの色は明らかに、初日、7日とは変わってたって言えるけど、
ぎんのセーターの色に対しては自信がない。
重夫は紫のスカジャン→緑のスカジャンに衣装が途中から変わるようになってた。
ぎんもずっと紫だったのが、青→紫に変化したように思ったんだけど、
どうだったかな。ぎんは自信なし。
ともかく衣装が変わることで、時間の変化がわかりやすくなった。
たぶん信子も、ずっと赤ジャージだったのが、黒ジャージになってたりしたかな。

堤さんの狂う序章の演技は、7日と大差なし。
ぎんしか気が付かない精神のしこり、を見せる方向。
でも、やっぱりこれも堤さんのその日のテンション次第で、変わるのかも。

堤さんの演技で、今日印象に残ったのが、
上斐太のおじさんの孔雀話を聞いている時の、姿勢と、目。
孔雀に心奪われ輝く目と、ピンと伸びた背筋。
私の立った位置からは、横顔と背中が見えたんだけど、
それこそ、背中が煌いてらっしゃる。
野田秀樹が堤真一に対して、
「舞台の立ち姿のあんなに美しい役者は他にいない。」
と、言ったか言わないか・・・この言葉を思い出す。
最後の一人タンゴも、美しい。
見えない相手を確実に彼は感じてる。そう思わせる。
いくらでも見ていたい好きなシーン。

好きなシーンって言えば、足が動かなくなって、
それでも無理矢理演技しようとして、倒れて、ぎんに支えられて、
そこで盛が言う「ほ」のシーンが好き。(長いw)
盛の「ほ」に、応えてぎんが「ほ」。
そして、二人が指を重ねる。
たったそれだけで、繊細な愛情が広がる。
そういう積み重ねがあるから、
ぎんの背中から盛を失った悲しみが漂う。

清水邦夫と蜷川幸雄が刺激し合い、ぶつかり合って生まれたものが、
役者の身体を通して、今度は観客に向かってくる。
向かってきた数々の思いを、受け止めたり、反発したり、
とにかく反応として観客は舞台の上の役者に思いを返す。
またそれを感じて演技を続ける舞台役者・・・
演劇って数限りないコミュニケーションの積み重ね。

パンフレットの松本典子さんのお話が、まさにこんな話で面白かった。
清水さん、蜷川さんが頭を悩ませるのをわかってて、
“タマミとトウタが現れる。あたかも土手の上から話しかけるように。”
なんていう、ト書きを書いたんだ。
悪ガキすぎる。(笑)

こんな挑発と、刺激がごちゃごちゃに入り混じって、
鮮烈な、二度とない、今しか見れない舞台になってる。
間違いなく、忘れられない舞台の一つになる。


また長々と・・・読んでくださってありがとうございます。
最後まで読んでくださればわかると思いますが、
最初の「大っ嫌い」は、「本当にありがとう。」の裏返しですw
蜷川さんの舞台に出会えて、細胞が活発化した。

思い出したように言ってみるけど、
今日の拍手、一体なんだったんだろうw
出の拍手はミュージカルか、ヅカでやろう。
大抵のストプレではなしでしょw?
かなりビックリしたのです。
でも変に空気が崩れなくて良かった。
ギリギリセーフって感じで留まったのでね。

で、そうだ、今日、一緒に行った友達2人が、
同じように心震わせ感動してくれたのが、嬉しかった!
まぁ、友達Hも、Mも、良い意味でちょっと変わった2人だから(笑)
こういう舞台好きだろうな。と思って誘ったんだけど。
(好き嫌い分かれそうな感じなので。)
つっつんの舞台での格好良さも存分に味わってくれたようだし、
堤ファンとしては、してやったり。
それで、何より共感し合えるっていうのが、嬉しい。
たいてい、一人で盛り上がって、ブログに感想書いて、終わっちゃうからw
舞台って凄い。

11/9 LOVE30~女と男と物語~

2006-11-10 00:35:10 | 舞台感想
2006年11月9日『LOVE30~女と男と物語』@PARCO劇場

作:(五十音順) サタケミキオ/三島ゆき/蓬莱竜太
演出:宮田慶子
音楽:稲本 響
出演:水野美紀&山寺宏一/真中 瞳&片桐 仁/YOU&生瀬勝久

30分という短い時間の中でも、
人の心を動かすドラマって、生まれるんだな~

短編、短編、短編と全く違う話を3本。
派手さはないけれど、どれもこれもなかなか面白い話で、
スッキリ観ることができた。

『スパイス・イン・ザ・バスケット』三島ゆき

私はこれが一番好きだった。
料理が行われる中で“スパイス”をポイントにして、話が進む。
山ちゃんと、水野ちゃんは元夫婦。
元夫の家に、元妻が転がり込んでくるところから話は始まる。

上手くいかなかったから離婚して今は別々に生活しているけれど、
それでも、お互いの中にちゃんとお互いが存在してる。
夫婦という関係では失敗に終わった二人だけど、
人間という関係では、凄く良いものを築けたんじゃないかな。
今まで触れ合ってきた人達の中に、確実に自分は生きてる。
一人ぼっちじゃない。
元夫山ちゃんに元気付けられた、元妻水野ちゃんと共に、私も勇気付けられた。

スパイスは料理に香りや風味を加えたりするだけじゃなく、
におい消しになったり、組み合わせによっては、
お互いの魅力を引き立たせあったりもする。(らしい。笑)
もちろん、お互いの悪い部分を際立たせてしまうこともある。

お互いの良い所、悪い所を分かり合って、
人と人もスパイスみたいに、あったかく付き合えたら良いなぁ~
そんな風に思えた。


『結婚相談所』サタケミキオ

一番笑いがあった話、というのならこれ。
真中瞳弾けてます。良い弾けっぷりです。
その弾けっぷりに、地味に輝きながらついていく片桐仁。
真中ちゃんは、タイタスとかあーいうのより、こういうタイプの芝居の方が輝く。
まさに泣いたり、喚いたりなんだけど、可愛かった。
っていうか、横顔が一路に似てる。
『うわ、ホント今の角度はイチロだわ。』とか思いつつ見ていた自分。
ヤバイですね。女児出産おめでとうございます。

で、話ですが、なんだか切ない恋物語系の世にも奇妙な物語。
結婚相談所のコンサルタント、真中瞳。
相談者、片桐仁。
すれ違いが重なって、重なって・・・
展開的には現代版シェイクスピア喜劇、みたいな。
台詞がやたら装飾激しくて、詩的。とかそんなんは、ないですけどw

結局、お互い想い合っていたのに、ちゃんと現実を見つめるために別れる。
という結末。
それもまた切なさが残って良かったけれど、
次の話がシュールな笑いで攻めて来たので、
2作品目は、笑えて明るいハッピーエンドのラブストーリーが見たかったな。

すれ違ってこんがらがった糸が、するっと解けた時の快感。
みたいな、あぁいうのをここで味わっておきたかった。

まぁ、全体を見たら。の話で、個々、作品として見たら、面白かったです。


『兄への伝言』蓬莱竜太

キタ、喪服だ。
黒い着物に身を包んだYOU。そしてスーツ姿の生瀬さん。
どうやらYOUの夫で、生瀬さんの弟、そんな立場の男性が亡くなったらしい。

まずね、YOU。
本当に可愛い。特に声、声、大変だ!
バラエティーのノリじゃないので、あのアニメ声?に、
甘くって色気がある。いいなぁーすごいなぁー可愛かったー
生瀬さんは、また細かく芝居してる。それが見たいから見に行っちゃうのよ。

冒頭の空気は重い。
しかし、YOUが亡き夫に頼まれた伝言を、兄生瀬に渡すところから、
空気が徐々に変わっていく。

伝言の内容。
『トンカツとりかえた。』
最前列で見たから見えたけど、ホントにマジックでこう書いてあった。

死ぬ間際に、兄に伝える伝言がコレか!!

そのシュールな衝撃に客席爆笑。
しかし、話が進むにつれ、この伝言にシュールな笑い以外の、
大きな意味があることに気づき始める。

どうやらYOUとこの兄弟、タッチだったらしい。
YOUが南、弟が和也、兄が達也といったところか。

3人がよく通った、肉の大きさがまちまちなトンカツ屋。
そのトンカツ屋で兄弟は賭けをした。
『トンカツが小さかったほうが、YOUから手を引く。』
そこで、『トンカツとりかえた』だ。

ただの変な暗号のようにしか思えなかった『トンカツとりかえた』が、
結構重大な意味を持っていた。という、どんでん返しに、ハッとさせられた。

ちなみに、その事実を知った時のYOUの
「私の人生、トンカツか!!」
こんなツッコミに、また笑った。さすが、YOUだよw

トンカツ・・・強いな。

30分強の話を3つ続けて上演する。というちょっと変わったスタイルの舞台。
30分だと集中力も持続するし、飽きないしで、
見易かったし、それなりに面白かったです♪


音楽もほんわかしてて、聞いてて安心。良かったです。
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あ、読売にタンゴの劇評出ましたね。
うちは読売なのに、劇評が載る水曜の夕刊だけ行方不明です。
なぜだ。
どこいった、私の夕刊。
せっかく綺麗なタンゴの写真が載ってるというのに・・・
明日の朝からまた捜索活動開始です!絶対に見つけ出す!!

11/7 タンゴ・冬の終わりに 2回目

2006-11-08 01:00:56 | 舞台感想
2006年11月7日『タンゴ・冬の終わりに』@シアターコクーン 2回目

[作]清水邦夫
[演出]蜷川幸雄
[出演]堤真一/常盤貴子/秋山菜津子/段田安則/毬谷友子
   高橋洋/月川悠貴/新橋耐子/沢竜二/他

どんどん好きになる。この芝居が。
2回目でも、刺激的で感動も持続してる。

2階席の見切れる席で観たせいもあって、
今日は『見れる部分を存分に楽しもう』モード。
前のめりになったら、全体が見えるかもしれないけど、
それをやられたおかげで、どれっだけ自分自身が嫌な思いをしてきたことか・・・
身に染みてわかってるので、観客としてのマナーは大切に。

下手がちょっと見切れたので、上手にいた人中心に。
特にぎんが上手に良くいたので、ぎんを見てたんですが、
そしたら今日は、完璧にぎんに入れ込んでしまった。
ぎんが大好きだ、私。

『タンゴ・冬の終わりに』自体がぎんの物語みたいに感じられた。

北国シネマ=清村盛に留まり続け、
映画館も、盛も失い、それでも生きる。
喪失の話。

煙草の火を消す時の足、
盛を抱きしめる時の手、表情、
「私は降りる!」と言い放った後のカーテンの払い方・・・
そういう秋山菜津子の動作一つ一つを見るたびに、
ぎんという一人の女性が浮かび上がってくる。
秋山さんの演技見れただけで、私はたまらなく幸せかも。

あと、段田さんが軽やかに椅子を飛び越えるのを見るのも幸せ。

ぎん、最後に一人、取り壊されて桜が見える映画館の中で
「ホ」
って言ってた。
清村盛に向けた、最後の「ホ」。
二人の愛情がふっと伝わるコミュニケーションだったんだろうな。
(盛が「ホ」に反応してくれなくなった時の表情も最高。)
ぎんには、返事の「ホ」が聞こえたんじゃないか、っていう気が今はする。
盛も、自分を受け止めてくれるぎんを愛していたはずだから。
聞こえていて欲しい。
でも、映画館を去るあのぎんの表情では、聞こえてないか。

常盤ちゃんは、うーん。
まだ現実に引き戻される。
表情が見える席で見るか、そうじゃないかで、評価が違ってきそう。
ぎんに対しての感情だとか、絶対“怒り”だけじゃないのに、
“怒り”だけにしか感じられないのはツライ。

最近、私の頭の中を占めるのは、タンゴ~のことなんですが、
ふとした瞬間に『白夜の女騎士』を思い出した。
で、自分で勝手に納得。
タンゴ~は、その後の信長にスポットライトを当てた舞台。
白夜の場合は、サスケっていう少年が、その後の信長をバネに飛んでいったけど、
タンゴはその後の信長の話だから、理想を失って消える。

この舞台全体に漂う喪失感は、この辺りから出てるのかな。
それこそ冬の終わりの空気と、桜と、この喪失感からくる、
舞台上の雰囲気がなんとも言えない。
乾いていて、寂しくて、ちょっと薄暗くて、その分、光が映える。

冒頭のまだ狂うか狂わないかの境目の盛の演技。
初日と違っていて面白かった。
初日は、壊した椅子を2・3回踏みつけて、
狂気じみた笑い声とともに階段上に消えていったんだけど、
今日は、椅子を踏みつけもせず、笑いもせず。
どっちも良いなぁー。
初日みたいに激しいと、盛が狂ってきてるのが観客にも強く伝わる。
今日みたいに静かだと、盛の変化は、妻のぎんにしか感じ取れない微々たるものだった。
っていう捕らえ方になるし。
盛とぎんの繋がりを感じたのは、今日だな。
ぎんだけが盛の心のしこりを感じるんだから。

信子は、毬谷さんで本当に良かったかもしれない。
重夫と買い物から帰ってきた時の、あの高揚した可愛らしさ。
あれは、毬谷さんならではじゃないかなぁ。
低い声で「はい。」とか言ってた信子に、ちょっとした華やかさが加わる。
でも、ダサいのは変わらず。信子は垢抜けちゃダメなんだ。
重夫に惹かれてるんだな、っていうのがすぐにわかる。
重夫と信子の二人だけが救いです。

にしても、豪華極まりないなぁ、この舞台。
堤さんがいると思ったら、秋山さん、高橋洋、常盤貴子、段田さん、
挙句の果てに毬谷友子、と。沢さんも出てるし、月川君もだし。
あ、新橋耐子さん。
この人の動きが、盛の魂の棲みかだった北国シネマの崩壊に、
物質的には直結するわけだけど、
毛皮のおばちゃんっぷりが、良いスパイスです。
周りが極端に暗い人たちばっかりだから、
何も考えてなさそうなおばちゃんが一人いるって良いわ。安心。
重夫ちゃんとのコンビも面白い。
娘と重夫を一緒にしたいんだ、っていう思惑もひしひしと感じます。

毎日、コクーンに孔雀飛んでます。
見えますよ、あれ。
孔雀が飛んでいくのが。
思わず天井を見てしまう。
もう、何回でも飛び立つ清村盛の魂、孔雀を見たい。
そんな気持ちになってきた。


次は10日。
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11/5 ペテン師と詐欺師 

2006-11-05 19:52:45 | 舞台感想
2006年11月5日『ペテン師と詐欺師』東京公演千秋楽@銀河劇場

脚本:ジェフリー・レイン
音楽・作詞:デイヴィッド・ヤズベク
演出:宮田慶子
翻訳:常田景子
訳詞:森雪之丞
出演者:鹿賀丈史 市村正親 奥菜 恵 愛華みれ 高田聖子 鶴見辰吾・・・

日本には格好良いオヤジ、案外たくさんいるなぁ~♪
鹿賀さんと、市村さん素敵でした。
まぁ、私のタイプではないのだが。
って、私のタイプなんて聞いちゃいないか。

鹿賀さんは気品がある。歌うと貫禄がある。
伊達に生パプリカかじってない。

市村さんは好きなんだけど、なんであんなに暑苦しい演技するのっ!?
ライフインザシアターの時も思ったけど。
そこにいるだけで雰囲気が出せる良い役者さんなのに、
しつこいんだもん、正直。
ずーっとテンション高かったり、変な顔してたりじゃ、
本当に落としたい部分で落とせない。
基本おちゃらけキャラでいるのはもちろん良いけど、渋さも見たい。

鹿賀×市村と、そして高田聖子に惹かれて見に行ったペテン師と詐欺師。

高田聖子の名前に惹かれて見に行った自分、正解。
やっぱり聖子さん、カッコいいわ!
オクラホマの石油大金持ち。品のない女性なんだけど、
聖子さんが演じると、そこすら可愛く見えてくる。
メタルマクベスで出番少なかった分、これで補えましたw
一幕のみの登場なんだけど、
バリバリ歌って、バリバリ踊って、見ているこっちも気持ちが良い!
コメディーリリーフ的な役割もしっかりこなして、笑いとってました。
さすが新感線の看板女優。
聖子さん出てる一幕が見れただけで、私的には満足。
ってか、カーテンコールでワキ押さえながら捌けてくのやめて。(笑)

にしても、なんだか久しぶりにオペラグラスがなくても
役者さんの表情が見れる席に座ったなー。
やっぱ、このくらい近いのも楽しいっ。

気がつけばOG追っかけの意味合いも果たしていた、この公演。
追っかけ第四弾、愛華みれ、か。
うん、薄い真矢みき?
正直、華をあまり感じなかった。
整ってる美人さんなんだけどなぁ~
鶴見辰吾さんとの軽いバカップルっぷりは可愛かったです。

そうそう、この舞台いやに下ネタが気にかかった。
ブロードウェイ版がどのくらいの年齢のキャストで上演されてるのかしらないけど、
市村さんぐらいの年齢の男が、やりたいだのなんだのって、
執拗に言ってたら観客は大抵ひくだろ。
ここは日本で、って言っても日本もあれだけど、
でもやっぱり国によって、あと上演される劇場によっても、
求められるジョークって変わってくると思う。
本多劇場だったら良いよ。全然面白い。(笑)
でも、今日は違和感を感じた。

あとは、ミュージカルだからって割り切っちゃえば問題ないんだけど、
ちょっと差別的な雰囲気あったり、邪魔になったら殺すか?
って話になったりするのが、若干気になった。
殺す前に話し合えよ。

これは演じられたミュージカルなんですよ、
と、ふと現実に役者が戻る場面があったり、
オケピの中の指揮者さんとコミュニケーションとってみたり、
その辺は善し悪しあるだろうけど、私は好きだった。
でも、もうちょっとこなれた感じになると、更に面白いかも。

奥菜ちゃんの役柄のどんでん返しといい、
全体を通してみれば、騙し騙されでさっくり楽しめる面白い作品だったと思う。

本日東京公演の千秋楽で、カーテンコールもスタンディングオベーション。
4回ぐらいかな?
鹿賀市村が握手し合い、がっつり組んでいたのが印象的。
再演も決まったそうです。
キャスト次第では、また見ても良いかも。


一幕終わって休憩中、後ろのほうから
「えーっと、ほらオクラホマの子、高田さん?が一番上手いわね~」
という、女性の声が。
心の中で『よっしゃ!』と、叫んどきました。

劇場最寄駅、天王州アイルに行くまでに有楽町を通過した私。
一瞬でも『有楽町で降りて宝塚アン行こうかな。』と、
考えてしまった自分が恐ろしい。いや、ホント恐いわ。

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