徒然草紙

読書が大好きな行政書士の思索の日々

TPPについて思うこと

2011-10-27 16:34:45 | 社会・経済
TPPについての記事が連日報道されています。正直なところ、中身についてよくわからないというのが私の感想です。ただ、農業についてはだいぶ細かな報道がなされていて、果たして大丈夫なのかという不安はあります。
そんななか、月刊誌第三文明11月号に、TPPについて書かれた記事が掲載されているのを読みました。寄稿されたのは、ジャーマリストの堤未果氏。「ルポ・貧困大国アメリカ」の著書もある氏は、TPPに日本が参加した場合のデメリットについて、医療の分野から言及されています。
日本の国民皆保険の制度は、世界から絶賛されていますが、それと対極にあるのが、アメリカとのことです。アメリカには、日本でいうところの国民健康保険制度がなく、民間の保険会社による医療保険がその代わりとなっています。利益至上の民間会社によるものですから、当然、病気にかかるリスクが高い人の保険料は高くなります。さらに保険金についてもスムースには支払われない。堤氏は書いています。

「アメリカでは病気になると、二つの敵と戦わなければならなくなる。<病気>と<破産>。毎年約百万人が、保険を持っているのにもかかわらず医療破産し、数万人が無保険か保険の内容が不十分なために亡くなってゆく。~中略~その一方で、不況下でも変わらず毎年何千億円の利益を上げ続ける各種保険会社や製薬会社、医療機器製造業などの大企業、株式会社病院株主などの投資家たちは次々に事業規模を拡大してゆく。」

日本に住む私にしてみれば、冗談としか思えないことがアメリカで現実に起きていて、TPPはそれを日本に持ち込む手段だというのです。このような報道はテレビではほとんどなされていないように思います。農業の問題も重要であることは当然ですが、それ以上に医療がどうなるのかということについて、もっと多くの報道がなされてもよいと思うのです。もし、TPPに参加することによって、日本の医療が現在のアメリカの医療のような状況になる可能性があるとすれば、断じてTPPには参加するべきではありません。生きていくということが、金のあるなしによって決められる社会などおかしいからです。
日本医師会が国民皆保険制度が守られる保証がない限りTPPには反対との立場をとっていますが、誠にむべなるかなと思います。

あと、TPPには気に係る内容があります。IDS条項といわれるものの存在です。企業が他国でビジネスを展開するときに、その国が、そのビジネスは国の公共の利益に反するとして規制をかけてきた場合に、その企業はその国を相手に訴訟を起こすことが出来るというものです。しかも、その判断の基準は、ビジネスによって損なわれる公共の利益ではなく、規制を受けたことで被った企業の損害だというのです。極端なことをいえば、他国の企業が日本の環境基準を無視した行動をとり、それに対して日本が規制をかけた場合でも、その企業は日本に対して規制によって受けた損害賠償を請求することが出来るということです。

むちゃくちゃではないかと思いますが、それがTPPというものです。このこともあまり報道されていませんね。なぜでしょうか?


官庁あいさつ回り

2011-10-05 18:44:15 | 身辺雑記
 今月10月18日に大田区役所で東京都行政書士会大田支部無料相談会が行われます。これは10月が行政書士制度強調月間になっているため、毎年行っているものです。

 それに先立って、今日、大田区役所を始めとして、大田区内の警察署、消防署、公証役場などの官庁にご挨拶に行きました。メンバーは大田支部支部長と副支部長3人の合わせて4人です。

 今日は雨の降る寒い日でしたが、全員元気で、無事挨拶回りを終えることが出来ました。後は当日の大成功を祈るだけです。